今回は冷却能力を維持するべく、DIYでクーラント(冷却水)を抜いてラジエーターフラッシュ(洗浄剤)で水路洗浄を行なっていきます。それと電動冷却ファンの動作不良の原因も確認していきます。
さて前回オーバーヒートをしてしまったつゆだく(うちのローバーミニ)。そのオーバーヒートの原因を探った結果、水温が上がってきたときにラジエーターを冷やすファンが回らないことが原因だとわかりました。
前回までの記事はこちら。
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97年式ローバーミニのエンジンルームには3つのファンがあり、クーラントを冷やすためのファンはそのうち2つ。
ちなみにローバーミニには3つの冷却ファンがあります。97以降のインジェクションミニでは車体向かって右前輪のホイールハウスを覗いて見えるのがエアコンのラジエーターファンです。これはエアコンをつけると回転し始める仕組みになっていて、エンジンの冷却とは直接関係ありません。
2つ目がエンジンの回転からファンベルトを経由して回転するファンです(上のイラストで言うとラジエーターの車体内側にあるファン)。車体左側のラジエーター内側にあり、水温とは無関係にエンジンの回転に連動して回ります。ラジエーターフィンに風を通してクーラントを冷却することが目的ですが、まぁアイドリング状態ではエンジンルームの換気程度の送風力です。下の画像のようにエンジンルームを覗き込むと見えます。
最後のひとつが今回のオーバーヒート原因となった電動ファン(上のイラストで言うとラジエーターの車体外側にあるファン)。これは左前輪のホイールハウス内を覗くと下の画像のように羽が見えます。これが水温を下げるメインの機能で、モーターによって車速に関わらずラジエーターに強い送風をします。つまりラジエーターは換気扇的なファンと強制冷却用の電動ファンにサンドイッチされている構造ということです。
この電動ファンはラジエーター内の水温をセンサーが検知し(コンピューターが挟まるわけではなく、単純に一定以上の温度になると通電する物理スイッチ)、通電したらリレーを経由して電動ファンに電気が流れるというもの。つまり電動ファンが回らないと言っても、
- ファンセンサースイッチとコネクタ
- リレー
- 電動ファン
- それらを接続する配線
のいずれかが故障しているということで、もう少し原因の切り分けが必要です。
クーラントを抜く作業開始。まずはファンサーモスイッチからコネクターを抜く。
まずは冷却用の電動ファンを動かすためのファンサーモスイッチ(水温が一定以上になると通電するセンサースイッチ)を外して古いクーラントを抜きます。このサーモスイッチを外さなくてもクーラント交換だけなら可能ですが、今回電動ファンが動かない原因としてこのコネクターの接触不良もありうるので、状況確認も含めてサーモスイッチから外していきます。
フロントグリルを外した状態でサーモスイッチにアクセスできるようになるのですが、該当箇所は車体左側のラジエーター下部についています。
サーモスイッチはラジエーター内部に刺さるようにねじ込まれているので、これを外すとクーラントが出ます。言わずもがなですが、ここからの作業はもちろんエンジンと冷却水が冷えている状態で進めないとヤケドするので注意です。
最初にファンサーモスイッチの先端に刺さっているコネクターを抜きます。このコネクターは冷却ファンのリレーに繋がっていて、ファンサーモスイッチがONで通電すると電動ファンが回るという仕組みですね。オーバーヒートしないための肝となる仕組みなのですが、案外軽くコネクターが刺さっているだけなので心許ない感じもしますね。
ここでいったん動作確認をします。黒いコネクターの内部に見える金属端子同士を直接繋げると通電して冷却ファンが回ったので、今回の問題は配線やリレー、そしてファンそのものにはないことがわかります。つまりこのファンサーモスイッチが原因ということです。特に接触不良な感もないので、これはサーモスイッチそのものの部品交換ですね。
またコネクターにはプラスとマイナスなど、差し込む順や向きはないのでスポッと抜いたらそのままぶら下げておき、最後に差し込むのを忘れないようにだけ注意します。
クーラントは水道に流してはダメ!なので僕は牛乳パックを使って廃液をキャッチしている。
サーモスイッチのボルトを緩めていくのですが、ここから出てくるクーラントは”冷却水”とはいえ水と違って有害です。水道に流してはいけないため廃液を回収する必要があるものの、サブフレームが邪魔でトレーを敷いてもこぼれてしまいます。。
そこで僕が使っているのは牛乳パック。
こんな感じで車体裏のサブフレームの隙間から潰した牛乳パックを差し込み、入り口だけ広げてサーモスイッチにかぶせます。これで流れ出てきた冷却水をキャッチする寸法です。もっとやりやすい道具もあるでしょうが、滅多に作業することもないですし牛乳パックは最後に燃えるゴミとして捨てられるので楽チンです。
下から見たらこんな感じで牛乳パックが生えてます。笑 クーラントが溜まってくると重さで下に落ちるので注意が必要で、クーラントを流し出している間は片手で牛乳パックが落ちないように支えます。
ちなみにただの美肌自慢ですが、毎回しっかりとバンパー下まで洗車しているので汚れのこびりつき無しです!
そしたらサーモスイッチのボルトを緩めます。このサイズのスパナは持ってないのでモンキーレンチを使いました。大きなサイズで締め付けトルクの小さいボルトは舐めづらいのでモンキーレンチでも問題ないと思います。ここはオイルドレンボルトと同じで銅パッキンでとまっているので、固いボルトが緩んだ後はスルスルと手で回すことができます。緩んだらレンチを外し、クーラントがゆっくり流れ出るところまでボルトを手で回して止めます。
ボルトを外し切ってしまうとかなりの勢いでクーラントが流れ出てこぼれてしまうので、面倒ですがチョロチョロと流して牛乳パックに溜まってきたら一度ボルトを締め、クーラントを廃液入れに移すか次の牛乳パックに差し替えます。ローバーミニのクーラントは2.5リットルぐらい出てくるので牛乳パックを(サブフレームで潰れているので)4本ぐらいあれば良いと思います。
後半の記事では水路洗浄を行なっていきます。続きはこちら。