マクラーレン・セナのシートを見ていて思ったのです。いやまずそんなクルマのシートに着目しているあたりがヤベーのかもしれませんが。
で、思ったのです。もはやシートのカーボンシェルに対して身体が触れる部分にパッドがついているだけじゃないかと。座り心地とは無縁のスパルタンな世界ですが、なのに矛盾するかのように僕は一定の高級感も感じたんですね。
そして僕は思ったのです。
「レザーでくるんだパッドってなんか上質おしゃれだな・・・」
思ったら作るのですが、せっかく久しぶりの内装DIYなので気合入れて作らなければと。なので無駄に手の込んだパッドを、全くもって無駄な場所に設置したいと思います。無駄こそ贅沢の極みですからね。ちなみに今回使ったオレンジのフェイクレザー生地はつゆだく(ローバーミニ)のリヤボード(スピーカーボード)に使った生地と同じです。
このページのもくじ。
■まずは型をとってレザーを切り出す。1個しか作らないので原寸合わせで型を取る。
とりあえずつゆだく(うちのローバーミニ)からヒューズボックスのフタを持ってきます。爪でボルトっぽい部分を回せばスポっと抜ける簡単な固定。そしてこれが運転席の右下に結構出っ張っており、その無粋な樹脂の塊が多少気になっていました(他の部分の内装が整ったからこそ)。
とりあえず紙にペンで外周を型取ってみます。手前の面を裏返しに紙に当ててペンでぐるり。長方形ではないので左右があることに注意。
このあと斜線部分に余白を持たせてみたのですが、結果として余白を削り落としています。というのもヒューズボックスカバー自体、角が湾曲しているので、あまりギリギリのサイズで作ると浮いたり剥がれの原因になります。
ということで余っていたオレンジのレザー生地を切り出します。2枚を左右対で切り出しているのは、この後重ねて縫うからです。
ヒューズボックスに対して裏側(直接当たる面)の生地は中をくり抜きます。
パッドにするということは立体裁縫です。中にウレタンを詰めることで立体的な形状にします。外周を縫って裏返す処理をするので、なるべく内周は小さく切った方が良さそうですね。この理由は後ほどわかります。
■無駄なこだわりその1。家庭用ミシンを使ってレザー生地を縫い合わせる。
生地の切り出しが完了したら表面どおしを2枚重ねて外周をミシンで縫います。家庭用ミシンで充分、かつ今回は縫い目が外に出ないよう裏返すので細い糸で色も気にしていません。
面倒なので仮固定などせずに重ねて押さえながら縫っていきますが、中をくり抜いた方の生地は伸びやすく外周がずれやすいです。手でテンションをかけながらズレないように縫い合わせていきます。それとカーブの部分もミシンのスピードを落としつつ綺麗な弧を描くように縫っていきます。ちなみに僕は高校の家庭科の裁縫実技は女子を差し置きクラス1位の点数でした。笑
縫い合わせた後、角のカーブの部分は縫い目近くまで生地の余白を切り詰めます。この後生地を裏返した時に、カーブは生地を切り詰めていないと余った生地が捩れてガタガタになってしまいます。
裏返して様子を見たのですが、ちょっとレザーの厚みに対してカーブがきつかったのか綺麗に出なかったので追加でもう少し緩いカーブに縫い直します。そのぶんだけカーブの生地は切り詰めます。
緩めのカーブにしました。これで裏返せば角が綺麗に出ますね。
■無駄なこだわりその2。やや固めのウレタンを入れてパッドの張りを持たせる。
続いて内側に詰めるクッションを作ります。シートに使った柔らかくて厚いスポンジじゃなくて、固くて薄いウレタンを使います。以前買ったけど合わなくて余していたクッション生地ですね。
ふっくらというより薄いけどクッション性のあるパッド感を求めているのでウレタンを使ったのと、こういう角張ったものでは固いウレタンの方が角までしっかり形を保持してくれます。
いきなりですが切り出したウレタンフォーム。大きめに切ってから実寸に合わせてだいぶ調整しました。裏返して詰める寸法ちょうどぐらいにしないとならず、ちょっと大きいとウレタンが中で波打ってしまいます。この辺りが固いウレタンだと調整難しいですね。
これを裏返した生地に詰めていきます。コツは生地の縫代より奥(パッド表面)にウレタンを押し込んでいくこと。縫代の余りが表面側にあると段差になるためです。
クッションまで入れてみたのがこんな感じ。
良い感じの固くて薄いふっくら感。まさにパッドという感じで、PCの手首が当たる箇所に貼っておいたら抜群かもしれません・・・ただ角をより綺麗にカーブさせるために次回からパイピングを入れた方が良さそうですね。縫い合わせの手間と難易度が倍になるのですが、そもそもこの製作自体が無駄なのでめちゃくちゃ無駄な手間を注ぎ込みましょう。笑
そしてまさに無駄なところに(乗り降り等でたまにヒューズボックスに膝が当たるが)レザー製パッドを貼ることになりますね・・・
あとはヒューズボックスカバーを固定するためのネジにアクセスするための穴を開けます。現物採寸で印をつけた後、ポンチでレザーとウレタンごと穴を開けます。マイナスドライバーが入れば作業できるので、できるだけ小さい穴を開けて形崩れしづらいようにしました。
次回はレーザー彫刻機を使って模様を入れて完成としたいと思います。