年末ということでiPhoneの画像なんかを整理していたのですが、そのときに
「あ、これそういえばブログにしてないかも」
という画像を見つけたのでブログにしています。今回はブレーキフルード(ブレーキオイル)の交換です。手順だけを見るとDIYで作業するには難易度が高いような気がしていて、これまでやや避けてきたのが正直なところ。でも実際に手順を理解して作業すれば面倒でも簡単に交換が可能です。
ちなみに作業としては2020年の春頃にやったものでしょうか。
このページのもくじ。
■実はこれまでずっとブレーキフルードを交換していなかった・・・やはりブレーキの制動力が落ちる。
前々から気になっていたというか、これだけずっと走ってきてブレーキフルードは1度も交換していませんでした(普通にまずいことです)。
エンジンオイル・冷却水・ブレーキフルードの残量は必ずセットで定期的にチェックしていますが、ブレーキフルードは減ることも一切なく、継ぎ足したこともありません。つまり漏れはないということです。ですがフルードの色を見ると結構濁って黄色っぽいというか茶色っぽい感じになっていますね。。
なんかこう、今まで通りの踏み力(ローバーミニはかなり踏まないと止まらない)でブレーキをかけるのですが、減速が弱い。もちろん蹴るように踏めばしっかりとタイヤロックはします。ですがただでさえ効きの弱いブレーキがさらに弱いとか普通に危ないですから。笑
まずは各ブレーキのパッドやローターの残量や動作確認をしたのですが、ブレーキそのものは4輪とも問題なさそうなのです。なのであとは(わかっていましたが)ブレーキフルードを交換するしかないと思い腰を上げることに。
ブレーキフルードの劣化というのは色が問題なのではなく、空気中の水分を含んでしまったことによりブレーキの効きが悪くなることが問題です。ブレーキフルードは距離を走ったかどうかに関係なく、空気中の水分を吸ってしまう吸湿特性があるので、いずれにせよ1年ぐらいが交換時期のようです(多分ローバーミニは一般的な車よりもリザーバタンクの密閉性も低く空気に触れやすいのかもしれません)。
■まずはリザーバータンクの残フルードを吸い出す。
とりあえずリザーバータンクの古いブレーキフルードを抜きます。リザーバタンクとは予備量を含めたブレーキフルードを貯めておくタンクです。
僕はオイル交換で使っているチューブがあったので、作業性を向上させるために先端に折り曲げストローをつけてサイフォンの原理でタンクから抜き取れるだけ抜き取りました。
フルードを流す先には受け皿を用意しておきます。もちろん油なので水道に流しちゃダメですよ!
リザーバータンクの底にはなんかの汚れが沈殿していることがあるので、なるべくタンク底の汚れを満遍なく吸うようにした方がベター。
空っぽになりました。タンク自体はきれいな状態で問題なさそうです。ここからリザーバータンクを外して、その下のシリンダーをオーバーホールしようかとも思ったのですが、特に漏れなどもないので今回は見送り(オーバーホールにはパッキン類等の消耗品を用意しておく必要がある)。
そしてここから新しいフルードに交換をしていきます。
使ったのは安心のワコーズ製ブレーキフルード。ローバーミニはDot4です。量はこれが1本あれば十分です。ぼくは半分以上は使いましたがだいぶ余りました。
■ブレーキフルード交換が大変なのは、配管に空気を入れないように作業しなければならないから。
リザーバータンクからフルードを抜くのは全く問題ないのですが、大変なのはここから。
このタンクの先には細い金属管がずーっと伸びており、それらが4輪のブレーキキャリパー(後ろはドラムだけど)まで続いています。なので細いとはいえ結構な長さの金属管の中に、まだまぁまぁの量の古いフルードが残っていることになります。
この配管に残った古いフルードを抜きつつ、でも空気を入れることなく新しいフルードを行き渡らせなければなりません。しかも枝分かれして4輪に続いているので、各車輪ごとに作業が必要です。これがブレーキフルード交換の面倒なところですね・・・
これを実現するためにどうするかというと、
- リザーバータンクを新しいブレーキフルードで満たす。
- パイプが長いところから、つまりタンクから遠い順に左後輪→右後輪→左前輪→右前輪と、ブレーキキャリパーからフルードを抜く。出てくる液体が古いフルードから新しいフルードに変わったら配管内のフルードが入れ替わったということになる。
- ただしリザーバータンクの新しいフルードはすぐに空になるので、なくなる前に必ず継ぎ足す。
という作業手順になります。書くと簡単ですがめちゃ大変です。笑
「古いフルード全部抜いてから、新しいフルードを入れたらええやん」
と思うかもしれませんが、空っぽになった細い配管にリザーバータンクからフルードを入れても配管内に空気が大量に残ってしまい、空気を抜くのにめちゃめちゃ苦労するようです。なぜ空気が入ると問題かというと、ブレーキが効かなくなるから。
理屈が続きますが、油圧ブレーキはペダルを踏むと、シリンダーが注射器のようにブレーキフルードを押し出し、それが配管(ブレーキホース)を通って各ブレーキディスクに注入され、ブレーキパットをブレーキディスクに押し当てます。ドラムもブレーキシューをドラムに押し当てます。これで回転しているタイヤを止めるんですね。
要はブレーキを踏んだ分だけフルードが押し出され、その分だけフルードがキャリパーに流れ込まなければならないのですが、空気が混ざっているとその分は空気の体積が圧縮されるだけでフルードがキャリパーに押し出されなくなります。
ペダルを踏んで圧力をかけたとき、体積圧縮率は「空気>>水>ブレーキフルード」なので、空気や水が混ざると圧力が圧縮で吸収されてしまい、ブレーキは効きづらくなります。空気が多く入っているとほぼ効きません。すると走り出した後死ぬわけですね。笑