うちのつゆだく(ローバーミニ)は走りに関するところをノーマルで貫いてきましたが、とうとう手を入れることに。
ローバーミニスポーツパックという限定車には標準でKONIのスポーツショックアブソーバーが装着されており、真っ赤なアブソーバーがこれまたやる気にさせてくれるわけです。ブレーキキャリーパーなど、足回りのワンポイントカラーにレッドが使われると、なぜか無性に血沸き肉踊るわけです。
今はなきぽすけ(ケイマンS)のドリルドローターにレッドキャリパー、そして漆黒のホイール。はぁぁぁん、ふつくしい・・・
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■硬いと言われたSPAXに交換だ!これでコーナーでGが切り替わる瞬間が変わる!
と、スポーツっぷりを語りながら交換したいところですが、残念ながら今回のショックアブソーバー交換は「メンテナンスの一環」なのです。笑
毎日のように同じ車に乗っていると、日々日々変わっていくコンディションには気づきづらい気がします。毎日子供を見ていると急激な成長を感じづらくとも、たまに会う人の子供は「いつの間にかめっちゃ大きくなったな」と思うようなものです。
それでもいつしか、つゆだく(うちのミニ)の段差における突き上げがキツイと思うようになりました。元からかなりキツイ(特に後ろの席に座っていると)のですが、それでもギャーと言いたくなるぐらいに硬く感じるように。
でもローバーミニに限らず、タイヤの空気圧をちゃんと点検するだけでかなり改善したりするので、突き上げがきになる人はまずタイヤの空気圧を見たほうがいいですね。特にこうして寒くなっていく季節には、気温が下がることでタイヤの空気圧も結構下がるものです。
■サスペンションの構成ってどうなってるのよ。
基礎的な話ですが、サスペンション周りは大きく2つの部品で構成されています。
■ショックアブソーバー■
街乗りにおいてショックアブソーバーは乗り心地を良くするための緩衝材です。段差を越える瞬間など、大きな衝撃が入力されますが、それをヌルッと動くショックアブソーバーが柔らかい動きに換えることで、座っている人間に対する衝撃を小さくします。
これによって乗り心地を滑らかで良いものにしたり、コーナーを曲がる際のGで必要以上に大きく車体が沈む(ロールする)のを防いだりします。
このショックアブソーバーは一般的にパイプの中にオイルor高圧ガスが入っており、昔の竹筒で作った水鉄砲のような原理で抵抗を与えることで、衝撃を吸収します。高級な乗り心地を求めた車にはエアーサスペンション(エアサス)が装備されていることもあり、これはパイプに密閉した空気を詰めておくことで、からの注射器の先端を塞いでピストンを押すような、空気圧で衝撃を吸収します。
もちろんローバーミニはオイルショックorガスショックですね。
■コイルスプリング(ラバーコーン)■
普通の車には金属製のバネが入っています。一般的にクルマでサスペンションというと漫然とバネが入っているイメージを持っている人も多いのですが、このバネの代わりにゴム製の台座が入っているのがクラシックミニの特徴で、ラバーコーンと呼ばれます。
通常のコイルスプリングであれば、段差やコーナーのGで縮んだサスペンションの動きを止め、元の長さに戻す(伸ばす)ことがスプリングの役目です。
ボールペンに入っているのと同じような、単純なストレートのバネだとその伸縮長に関わらずバネ定数が一定なので、反発力は一定になります(最近はそうではなく、縮み具合で反発力が変動するように設計されている)。でもラバーコーンは形状から、縮み具合によって反発力が大きくなりそうですね。
で、それが経年劣化で潰れていれば、割と反発力が強い(端的に言うと硬い)ところからバネの縮みがスタートして、硬い乗り心地になります。さらに所詮はゴムなので、冬場の寒さでは尚硬いのかもしれません。
■ショックのへたり、ラバーコーンのへたり。
うちのつゆだく(ローバーミニ)は1997年製で、もう20年以上が経っています。その間にショックアブソーバーや、特にラバーコーンの交換があったのだとは思いますが、それでも経年劣化があっておかしくないでしょう。クルマは長い目で見ると可動部分は全て消耗品なので、不具合と一緒にしてはいけません。
ショックアブソーバーは手で縮めたり伸ばしたりしてみれば、ラバーコーンは新品と見比べてみれば劣化具合がわかります。とはいえパッと外から見えるのはリヤのラバーコーンだけなのですが。。
ですが4輪同時に交換していると仮定すれば、リヤのラバーコーンが劣化していると前輪のラバーコーンはもっと劣化していると思います。それはフロントのほうが圧倒的に重いから負荷がかかっているためです。
つゆだく(うちのミニ)はというとラバーコーンもヘタってきているのですが、なんとなくそれよりもショックアブソーバーが死んでいるような気がしました。こればっかりは外観で見てわからないのが難しいところ。
クラシックミニのメンテ本によると、ショックアブソーバーの付け根についているブッシュ(ゴム製部品)が劣化して割れたりしていると、その頃にはショック自体も劣化していることが多いとのこと。
ですが、リヤについてはホイールを外してドラムブレーキを持ち、手でガンバって上下させるとショックアブソーバーの具合がわかります。ラバーコーンが縮み始めるまでに可動部分にアソビがあったので、そのアソビの部分を手で可動させてみると「純粋にショックアブソーバーの抵抗具合」が感じられます。
ローバーミニの車体がザックリ数人を乗せて1,000kgとすると、4輪で割って1輪あたりは250kgくらい。それを段差等で受け止めるショックアブソーバーが、手でするすると動いてはあまり衝撃を吸収できないですよね。
僕はこれで「ショックがヘタっている」と考えるようになりました。
さて次回は実際にフロントショックアブソーバーの交換です。