ローバーミニのリヤラジアスアームをDIYで下ろしていきます。前回はドラムブレーキを外すところまで行きましたが、今回は本番。ラジアスアームに取り付けられているサイドブレーキワイヤーを外し、ブレーキフルードホースを分離して、シャフトの両端を外すことでラジアスアームを下ろします。
前回の記事はこちら。
このページのもくじ。
まずはラジアスアームについているものを全て外していく。最初に固定されいているサイドブレーキワイヤーを2箇所外す。
ここからがいつものメンテナンスの先。ひとまずサイドブレーキワイヤーを切り離すために、ラジアスアームの先端で、先ほどのドラムブレーキの裏側、そしてリヤショックのアーム側取り付け部の下あたりにあるワイヤーの接続先のピンを外して軸を抜きます。

これでドラムブレーキ構造とサイドブレーキのワイヤーは分離。下の画像は軸まで抜いて分離したところです。ラジアスアームを外すつもりでいるので掃除は諸々後回し。

次に引き続きサイドブレーキワイヤーなんですが、結構厄介な構造でトレーリングアーム(ラジアスアーム)の付け根に縦に貫通しているサイドブレーキワイヤーの方向を変えるリンクを固定しているピンと軸を抜きます。かなり手が汚れるので作業しているところが写真撮れていないですが、画像のちょい上、ラジアスアームの上面奥にピンがあります。

結構無理な方向にピンが曲げられていたのでペンチで直線に戻して引っ張るんですが、それなりに硬いです・・・。僕は結構苦労したんですが結局力技で引っこ抜きました。反対側のドラムはどうしようもなくてピンは捻り切りました。割りピンは一度外したら新品にするのが基本ですし、当面外すこともないはずなので新品にすることにしましょう。
ピンを抜くとラジアスアームを貫通する長いシャフトが床方向に抜き取れます。抜き取れますと言ってもワイヤーでテンションが張られているからか抜くのに固く、シャフトを傷つけたくないですがペンチでテコの原理的に引き抜きました。紐の部分がサイドブレーキワイヤーですが、保護のためにグリスが塗られているのか?とにかく車体の底で砂も泥もモロにかぶる場所なのでドロドロです。

こうやってラジアスアームに接続されているものを切り離していかないと、ラジアスアームの固定ボルトを外して行ってもアームを車体から切り離して取り出すことができないです。面倒ですけど仕方ないですね・・・
ここで車体裏に完全に潜る。ラジアスアームの奥側端ナットを外すために、まずブレーキフルードパイプを外す。
僕は試行錯誤して外せるものから外していきましたが、ここで車体裏側に潜ってラジアスアームシャフトの奥側端を固定しているボルトを外しにかかるのがいいかもしれないですね。
ラジアスアームはリヤタイヤから見て車体前方側に回転軸があって、その回転軸を中心に上下にスイングしてサスペンション構造を担ってます。上下にスイングするってことは回転軸となるシャフトは車体側面の外側から内側に向かって伸びています。シャフトの両端がサブフレームに固定されていて、両端のボルトと、車体外側の軸受となる固定部を丸ごと取り外すとアームを車体から分離できます。たいへん。笑
フロントのアッパーアームシャフトとは違う苦しみがあって、リヤ側は車体内側のシャフト固定ナットを外すために車体裏に潜る必要があります。しかも整備設計が悪いことに、このナットをソケットで回すためにはブレーキフルードパイプを外してどける必要があるという・・・。

これまでの作業風景は車体左後輪だったんですが、打って変わって上の画像は車体右後輪の内側です。
車体の裏側、リヤトランクの一番奥ぐらいまで頭を突っ込んでいくとサブフレームの奥にナットが見えます。これを外せばいいんですが、ブレーキフルードのパイプが邪魔。なんでこんな近くに設置したんだとか、金属ホースなんだからナットの正面を迂回させろとか思いますが、まぁそういうことです。。ナットに対して斜めにレンチをかけることはできるんですが、初めて外すナットということもあって固く、ちょっと試しましたけど斜めにかかったレンチを手で動かそうとするぐらいじゃ回らず。
やっぱりソケットにエクステンションつなげてサブフレームを避けつつ、ホイールナットを外すでかいトルクレンチで回さないと弛まなそう・・・。これがリフトだと床下の作業スペースが広いので全然いいんでしょうが、リジットラックだと体を裏返すスペースもない(肩が引っかかる)ぐらいで、でかいレンチを少ない角度で回すのも一苦労です。
ということでブレーキフルードパイプがサブフレームにつながっている箇所のナットを緩めるんですが、緩めるとブレーキフルードがポタポタしてくるので布か紙をしっかり敷いておきます。理想はここの接続ナットを急いで外し、接続が外れたパイプの先端を4-5mmのゴムキャップで塞ぐこと。でもそんな都合のいいゴムキャップが手元になく・・・。しかも結局フロントから伸びてきているブレーキホースの分岐部分(画像にはないけど、もっとホースをたぐって行った根元)を外さないと、結局金属ホースを避けることができないっぽいです。
このホース接続部で使うレンチは9/16インチ。
悩んだ末に投げやりになってきた僕は「接続部を外してポタポタしているのを厚手の布で受け止めつつ、その間に速攻でソケットを突っ込んでシャフトのナットを緩めたら、すぐにパイプの接続を戻す」という3秒ルール方式で行く決心をしました。笑 急いでやったので画像があんまり残っていないですが、狭いスペースでなんとか緩めることができました。ナットのサイズは3/4インチ。これで緩んでしまえばさっきのボックスレンチを斜めにかけてチマチマ緩めてナットを外せます。
ちなみに垂れてきていたブレーキホースの繋ぎ目はすぐ仮止めで戻すんですが、結局ラジアスアームを外すということはどこかしらのブレーキホース/パイプの接続を外す必要があって、そこからフルードが流れで続けることになります。今回は8mmのゴムキャップがたまたま家にあったので、ラジアスアームの上部にあるここの接続をカットします。

一通り緩めたらラジアスアームの固定ステーのナットも外してしまい、ステーからホースを外したらオスネジを戻して8mmキャップを被せたら止血できました。

オスネジの部分はちょい太いので8mmのキャップでいけました。上の画像はすでにラジアスアーム外れていますが、キャップの止め方としてはこんな感じです。これでラジアスアームに接続されているサイドブレーキワイヤー、ブレーキホース両方が外れた状態になります。
いよいよラジアスアームのシャフト手前側ナットも外し、ステーも外してラジアスアームを下ろす。
これでようやく一番作業のしやすいシャフトの外側ナットを外していきます。シャフトの先端にはグリスニップルがついていて、いつもここからグリスアップしてますよね。

ちなみにつゆだく(うちのローバーミニ)は純正オーバーフェンダーがグリスアップの邪魔になるというイケテナイ設計なので、ニップル自体を60度角度がついたものに交換して作業しやすくしてあります。

ニップルをくるくるっと外したら、その根元にある大きなナットを緩めます。ここはシャフトの両端共に3/4インチのナット。結構固いのでこちらもソケットと大きなレンチを使用。こういう力の入れる作業はそーっと回していかないと、軽いローバーミニはリジットラックが倒れるリスクもあるので気をつけます。

こいつが外れるとシャフトはフリーなはずなんですが、そもそも両端が軸受から引き抜けないような構造になってるので、車体外側の軸受プレート自体を外さないとシャフトが抜けません。
それとプレートを外す前にリヤハイローキットを外しました。これ外す必要ないのかも?と思っていたんですが、たぶん車体を支える固いスプリング(あるいはラバーコーン)が突っ張ったままだとラジアスアームに力がかかっているので外れないと思います。面倒ですけどハイローキットを完全に緩めて分離。ハイローは固定ナットを緩めたら、全長を調整するボルトを最大まで締めていき外します。ショックアブソーバーの下端が軸から外れていないと、ハイロー本体が抜き取れないかもしれません。リヤのハイローの調整はこちら。
これでようやく軸受のステーを外します。分かりづらいんですが車体裏側の2箇所、シャフトの奥に2箇所の4箇所をガッチリ固定されているのでこのボルトを全部抜きます。あ、それとショックアブソーバーの下端もナットを外しておきます。

下の画像のシャフト側(右側)のたてに2箇所も外します。左側のナットはサブフレームブッシュの固定ボルトなので違います。

ここの4本のボルトは1/2インチです。写真を撮る余裕がなかったですが、これでステーごとラジアスアームをごそっと引き抜いて分離できます。重いです・・・。

見てください、ラジアスアームがなくなってサブフレームだけのローバーミニのリヤタイヤハウスです。手探りだったのもあり長く大変でしたが、ラジアスアームを降ろせました。全工程でいうとまだ半分も来てないですね。反対側も下さなきゃいけないですし。笑
次はラジアスアームの分解に進みます。