車検を前にしたタイミングで危険レベルがかなり高い「ガソリン漏れ」のトラブルが発覚したてすたろー(うちのフェラーリテスタロッサ)。これじゃ絶対に車検の下回り検査を通らない!ということで修理をしていきます・・・。
前回アンダーパネルを取り外し、燃料ポンプがガソリン漏れの原因であることまでは特定できました。今回は燃料ポンプのどこから漏れているのか確認して、できれば応急処置で済ませたいと思います。しかし事態は最悪の方向に・・・。
前回の記事はこちら。
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燃料ポンプのどこから漏れているのかなかなかわからない。単純にホースの接続部分の増し締めじゃ治らず。
なんにせよ燃料ポンプの漏れ箇所を具体的に特定します。燃料ポンプとわかった時点で僕の脳みそは
「接続部の緩みによるガソリン漏れだろう、だからパッキンをもっと潰しながら締め直せば止まるはず」
という仮説です。ポンプの天井側を触ってみても手にガソリンはつかないので他にないだろと。とりあえず停車状態ではポタポタと垂れてくるわけではないですが、エンジンをかけてポンプに圧力がかかると少しずつ漏れるってことでしょうか(アンダーパネルに垂れるのもあって、ガレージ床まで垂れるほどではない)。
ということは圧力がかかるポンプ出口側が怪しい。
布でガソリンを拭いてパーツクリーナーで汚れを落とし、もう一度よく布で拭いてジッと観察。これで濡れ始める箇所が漏れの箇所ってことです。でもオイルのような粘性の液体と違ってとにかくサラサラなガソリン。何度やってもジワッとポンプの出口側の面が濡れるだけで、ホースとの接続部がいまいち濡れてこない。とりあえず接続部を増し締めしましたが、漏れるペースは変わらない。漏れている箇所がわからない・・・。
いったんパネル外しで疲れたのでその日は切り上げ。でもPCで燃料ポンプの画像をジッと見ていてわかったんですが、この自体の燃料ポンプって飲み物の缶のようにコップ構造の中にモーターを突っ込んでフタをしてるんですね。そしてフタは溶接ではなく圧締めに見える。
「もしや、もしやケースそのものからの漏れ?フタの緩み?そんなことある・・・?」
でも翌日改めて車体裏に潜って色々試すと、やっぱりフタのフチからツーッと滲み出てきてるようにしか思えない・・・。ということで残念ながら燃料ポンプを交換するしかなさそう。
問題は大きくなった。燃料ポンプを交換するということは、ガソリンを抜かなければならないということだ。
さて、問題はかなり大きくなりました。基本的に燃料ラインどこか接続部で漏れていると思っていたので、増し締めで応急処置をするつもりでいたんですね。でも燃料ポンプ本体の交換となるといきなり難易度が上がります。
というのも燃料ポンプは燃料タンクを含めた燃料ラインにおいて、ガソリン水位の一番低い位置(最後のガソリンまで送り切るためには、そりゃあ一番水位が低い位置に設置されている)。つまりガソリンはタンクが空になるまで「全抜き」しなければならないということ。燃料ポンプの不具合なんてよくある経年劣化トラブルなので、ショップからしたら珍しくない作業かもしれませんが、リフトのないDIY勢の僕にとってこれは死活問題・・・。
とりあえずテスタのキーをオンにして燃料計を見ます。
「なんと・・・こんな時に限って2/3ぐらい残量がある・・・」
テスタのガソリンタンクは100リッター容量、燃料計はたぶん壊れてない、ジャッキアップで傾いてるから正確じゃない可能性もあるにせよ、60-70リッターぐらい入っている可能性があります。それを家で抜き切る?そもそもジャッキじゃ高さもないし、受け止めるタンクもないし無理じゃない?詰んだ・・・。
ここで何日か対応策を考えることに。
- 燃料ポンプはネットで入手可能なことは確認できた。なので交換はトライできるが、なんせガソリンを抜けない。
- 漏れ続けてはいるが、微量なので停めておいてアンダーカバーからさらに滴るほどの量ではない。でも明らかにガソリン臭もあるので車検の下回り検査では引っかかる可能性がそれなりにある。
- これまで半年ぐらいガソリン臭かったのでこの状態だったと思われ、今さら多少の自走は許容できる(燃えないと信じる)。
- 車検まであまり時間がないから、いったん応急処置でもいい。
ということで、真夏で出すのは本来避けたいですが「自走してガソリンをほぼ空にする」が最も現実的な案と判断。出かけられる日までちょっと間がありますが仕方ないです。
やっちまった。応急処置のつもりが、カップをハンマーで叩いたことで漏れが大きくなった。
で、ここで最大のミスを犯します。普段色々と起きうることを想定して判断するタイプの僕ですが、何を焦ったのか、色々忙しくて燃料ポンプ交換を後回しにしたかったのか、他にできることをやることにしました。どうしてもガソリンを抜くのは無理だと思ったんです。
まずフタを仮で塞ぐこと。漏れてる量はわずかなので、多少密閉度を高めればいったんは収まる可能性があると思いました。でも液体ガスケット、ゴム用ボンド、耐ガソリンアルミパテ、いくつか試しましたが案の定、固まる前ではガソリンで溶けてしまって塞げません。ガソリンを抜いて乾燥した状態なら固まるんでしょうが・・・。そして燃料ポンプのフタはカップを内側に圧力をかけて締め圧着しているようなので、漏れている部分を多少ハンマーで外から叩いたら塞がらないかということ。そんなわけないのに・・・これを試したのが問題を大きくすることに。
漏れが大きくなりました。7秒に1滴垂れることに。
さすがにこれだけ漏れると炎天下のエンジン下で発火する可能性もないとは言えず、危険かも。つまり自分で自走させられなくしたうえに、ガソリンも垂れ続けてしまったので、それを受けるトレイが必要になりました。
やっちまった・・・。しかもちょうどお盆真っ只中。ショップは空いてないからローダー呼んで持ち込むこともできない。
腹を括ってガソリンを抜く。まるで修行僧のように永遠とバケツリレーをし、しかもガソリン臭で体調も悪くなる。
ここまでくると、いかなる方法を用いてもガソリンを抜くしかないと腹を括りました。とはいえここでまた頭を抱え続けるんですが、ひとまず給油口から細長いホースを突っ込んでみます。古い車だとまだガソリンタンクまでホースが届く可能性があるからです。でもダメ。手元にあった長さのあるホースが柔らかいからか、吸い出せませんでした。
上からある程度ガソリンを抜ければ、安全かつ最後に床下から抜いても受け止められる量だと思ったんですが・・・。残念。
やっぱりタンクの底から抜くしかない。でも受け止めるスペースもないのでギリギリ入るバケツでリレーするしかない。本当にやりたくないし、ガソリンを抜くって自宅でやっちゃいけない作業ですよね。危険だし個人でのガソリン処分も禁止されてます。でもどうしようもないので抜きました・・・。固いガソリンタンクのドレンボルトをちょっとだけ緩めてバケツ1杯のガソリンを抜き、いったん締める。幸いうちには他にも乗り物がありますから、そこにバケツから灯油ポンプで移していきます。
つゆだく(ローバーミニ)はそもそもタンクが20リッターちょいしかないし、半分ガソリンが残ってる。めぇ(パナメーラ)は同じくタンクがめちゃでかいけど、こちらもガソリンが半分ぐらい残ってる。なのでテスタの残ガソリンを全て受け止められるかというと微妙なところですが、やってみるしかないです。
一晩かけて、15回ぐらいは潜ってバケツにガソリン溜めて他の車に移してを繰り返しました。ガソリンの臭いがすごいのでだんだんクラクラしてきます。1回ごとのガソリンを抜くのも結構しんどく、あとどれぐらい残ってるのかもわからない状態で、それを繰り返し続けるのは修行僧のようです、、、仏様が見えそう。
最後にタンクからガソリンが出きったときは本当に胸を撫で下ろすことに。手もカサカサ、換気していてもガソリン臭で頭はクラクラ。もう金輪際やりたくない・・・。しかしこれでようやく、本当に大変な思いをしてガソリンが全て抜けました。パナメーラがギリギリ満タンで最後のガソリンを飲み込んでくれました。
これでようやく燃料ポンプに触れます。さて、ここからが本番で大変そうですが、分解します。