色々あって今回てすたろー(わが家のテスタロッサ)を自分でユーザー車検に持ち込むことになりました。というのも別の記事で書きますが、車検の準備をするべくフロア下に潜って作業をしていた時に結構大きめのトラブルを見つけてしまい、明らかに車検に通らないであろう状態にだったんですね。その修理をするのに時間がかかってしまい、結果車検切れの期限が近づいたので、前回お願いしていたところに車検代行をお願いできなくなってしまったという感じ。
僕はこれまで何台かを複数回にわたってユーザー車検に持ち込んでいるので、車検場で何をすべきか分かっているものの、自分でテスタロッサを持ち込むのは初めてです。今回は嫌な汗ダラダラで、クラシックフェラーリを車検場に持ち込んだ奮闘記を書いておきたいと思います。
このページのもくじ。
法定点検に関わるような部分のコンディション管理ができてるなら、検査場で車検だけ通すのはおトク無選択。
僕はまぁ素人ながらではありますが(プロには怒られるかもしれませんが)、テスタロッサのコンディションは自分で管理しています。コンピューターがほとんど乗っていないからこそ自分で状態を見ながらある程度の判断ができるとも言えます(近年のクルマは優秀がゆえに軽い不具合や予兆は乗っていて気づきづらく、コンピューターの記録をOBDで読まないとわからない)。
消耗品交換も自分でやってしまっているので、車検のタイミングで整備をお願いすることもなく、車検で大きなショップに持っていくと安心ではありますがお金ばかりがかかってしまうのが正直なところ。とはいえ
「何もしなくていいので車検を通すだけ通してください」
とは言えないですね・・・。向こうも商売ですし、責任もありますから。笑
そんなこともあって車検場に直接持ち込むスタイルで2回目の車検なのですが、とはいえ素人が自分で持っていくには相当度胸がいります。テスタロッサという特殊で古いクルマの車検として、これまでの車と違い検査で引っかかる可能性のある懸念点がいくつかあります。
旧車は普通の車に乗っている人からすると思いもよらない箇所で検査に引っ掛かる。
1つ目がヘッドライトの光軸検査。
なんといってもリトラクタブルヘッドライトなので、機械的に上げ下げする性質上、ライトを出し入れするたびに若干構築がブレるらしいのです。しかも設計と製造精度の低い時代の車ですから、こればっかりは検査のその場でどう出るか、若干の運を含む気がする・・・。
そしてテスタロッサはF355とは異なり、リトラクタブルを上げた時にヘッドライトは丸目四灯です。ロービームとハイビームがそれぞれ違う丸目ライトとして設置されています。つまりロービームとハイビームそれぞれが独立して設置されているので、個別に光軸調整が必要になります。ローバーミニの場合はヘッドライトが丸目ひとつ、その中にロービームとハイビームとスモールがすべて入っているので、カットラインの出るロービームで角度調整をすれば、基本的にハイビームの角度も合ってくるはず。
しかしハイビーム単体ではカットラインの様に境目がなく、ライトのセンターがどこなのかもわからず、壁にハイビームを投影してもその判断ができません。ロービームで自宅で簡易測定と調整をするということが難しいってことです。
ちなみにこの時代の車は今も今後もハイビームで検査することになっており、昨今の車のようにロービーム検査ではありません。うちのつゆだく(ローバーミニ)の製造年月日がこのハイビーム検査のギリギリ境目だったと思います。まあカットラインの曖昧さなどが取られないので、ロービームよりハイビームの方が検査が緩いとは言えるのかもしれないですけど。
そして2つ目が排ガス検査。
排ガス検査というのはアイドリング状態でCO(一酸化炭素)、HC(炭化水素)がどれぐらい含まれるか検査するもので、検査場では測定をする棒をマフラーのいずれかの中に突っ込んで検査結果を待ちます。
うちのテスタも車検に行く時は触媒が効いているはずの純正マフラーで行っていますが、なんせでかいフラット12を積んでアナログ制御している古い車なわけですから、純正状態だからといって必ず車検に通るという保証はないです。
コンピューター制御の効いた現代車両であれば、アイドリングだろうと加速状態だろうと高回転だろうと、気温などのコンディションに左右されず正確に適切な燃焼状態を保ってくれますが、コンピューターがしっかり制御していない旧車は違います。中期型のテスタロッサはKEジェトロなので02センサーなどが付いて多少のフィードバック制御をしていますが、燃料の噴射量調節ダイヤルも、アイドリング時の吸気量調整ダイヤルも、ネジ式でアナログだし左右も個別調整です。日本の四季の中では春と秋に気温が変わったら家でタコメーターを見ながらアイドリング調整をしちゃってますし、これらがトータルでうまく調整ができていないと車検では引っ掛かる可能性があります。
さらに恐ろしいことに純正触媒の交換期間はたったの2年です。これ新車の頃から2年に1回は触媒を新品交換しろと言うことですね(正規輸入車なのでエンジンルーム内に日本語でステッカーが貼ってある)。さすがにそこまでやっている車両は存在しないと思いますし、そもそもそんなに新品の触媒が手に入るとも思えません。とはいえ触媒そのものがかなり賞味期限が切れており、効果が弱っているという可能性はあります。
それ以外にも点火に関連することのコンディションが悪いと、燃焼状態が悪くなる可能性もあります。つまり燃焼状態は複合的な要因で決まるので、車検で排ガスが引っ掛かる要因は多いってことです。そして何より排ガス検査に引っかかると、燃調とアイドリング空燃以外に原因があったとき、その場で対処しづらいというのもあります(テスター屋の調整だけでなんともならないこともある)。
3つ目はサイドスリップ検査。
サイドスリップ検査はタイヤのトー角調整による直進性を検査するものですが、激しく走行したり、たくさん距離を走ったりすれば、長い時間の中で多少のズレは発生します。万一引っかかると、フロントをリストアップして調整が必要になるわけです。一般的にはおそらくホイールを外すことなく、リフトアップした裏側からアクスルに手を突っ込んでタイロットエンドの長さを調整すればいいと思っているんですが、万一ホイールを外さないと調整できないなんて言われた時に、テスタロッサの場合はセンターロックなのでそこらへんのテスター屋じゃ調整ができないということになりかねません。
問題はもし検査に引っかかった後の対応。当日通しきるなら即修理できるアテをつけておく必要がある。
以上の3つが、ある程度ユーザー車検に慣れている僕にとっても結構な懸念です。もし引っかかった時ににっちもさっちも行かなくなる可能性があります。
ユーザー車検は最近人気のようで節約と称してかなり持ち込む人が多いようですが、素人なりにも車の状態をチェック管理している人はあまり多くないと思われ、事故の原因にならないかちょっと心配な傾向ではあります。ユーザー車検はサラっと通ってしまえば、それほど難しいことはなく、実際かなりお金を節約出来ます。でも問題は検査に引っかかった時であり、予備検査場でサラっと調整してもらえるような項目でもない限り、結構困ることになるんじゃないかと思います。
なのでテスタロッサに関しても、心配しているのは引っかかったあと、引っかかった箇所ごとに対処は可能なのかということです。もちろん事前に検査項目に沿って確認できるところを確認して行くので、落ちる可能性は小さくできますが、それでも受けてみないと分からないものは分からないです。最後は当日車検に通すのは諦めて帰ってきて、どこかのショップに持ち込むということですね、、、
さて、いつまでも頭だけ抱えていてもしょうがないので改めて車両点検をして車検に行く準備をしたいと思います。