テスタロッサ:よし、必要なのは道具と勇気だけ。こんな旧車スーパーカーでもDIYでオイル交換してみる。~②ドレンボルトから下抜き編~

テスタロッサのオイル交換をDIYでやってみるということで、前回の記事では車体裏のドレンボルトからオイルを抜く前に、少しでも多くのオイルをオイルの注ぎ口から吸い出しておく作業をしました。というのもテスタのオイル量は多いため、DIYで床下から大量のオイルを受け止めるのはキツイから。

今回はジャッキアップした車体に潜ってドレンボルトから残りのオイルを抜き切ります。前回の記事はこちら。

テスタロッサ:よし、必要なのは道具と勇気だけ。こんな旧車スーパーカーでもDIYでオイル交換してみる。~①できるだけ上抜きする編~
てすたろー(うちのテスタロッサ)のオイル交換をDIYでやっていきます。オイルはクルマの血液なので、コンディションキープと言えばま...つづく

初めてテスタの車体裏に潜る。あのでかいエンジンを下から見上げるとは、これは壮観。

さて、オイルを抜くドレンボルトにアクセスするためにリヤのジャッキアップを行います。テスタロッサのジャッキアップはそれだけで結構大変というか、オイル交換作業でいちばん大変なのはジャッキアップなので、別の記事で書いてます。

テスタロッサ:ジャッキアップをしなければDIYは進まない!リヤガラスを割らないようジリジリ上げ下げする鬼門。
今回はテスタロッサのジャッキアップについて書いていきたいと思います。まず家でテスタロッサをジャッキアップする人間がどれほどいるの...つづく

ということでジャッキアップが完了しました。早速車体裏に潜ってドレンボルトを外しましょう。

ということで覗き込んでみます。おおお。なんか壮観ですね。テスタロッサはエンジンミッションが2階建て、なので底から見えるのはミッションということになりますが、テスタロッサはフロントからガソリンタンクの車体中央部分までがフラットフロア(アンダーパネル)です。それより後ろのエンジンルーム下はそれはもうスッカスカになっていて上から地面がよく見えます。エンジンとミッションは冷却のために底部分が全てフィンになってますね。

フェラーリテスタロッサ車体裏

とはいえ初潜りです。潜った状態で明るいライトを当てて、まずは車体裏からの状態を確認していきます。地面にヒットして傷んでいるところはないか、オイルやクーラントの漏れがないか、などです。

フェラーリテスタロッサ車体裏

というかまず車体の最後端にあるアンダーパネルはそれなりに擦ってますね・・・。僕は擦っていませんが、ここは輪止めやブロックなどに擦りやすいポイントなので、これまでの長い歴史を考えればノーヒットとはいかないでしょうね。

でもアルミ素材なのか地金が見えてもサビは出ていません。塗り直すのもひとつですが、ある意味クラシックフェラーリの純正塗装は上塗りしない方が価値が下がりづらいかもしれません。これは後回し。

潜ったついでにオイル漏れがないかチェックしていく。一応これまでガレージの床にオイルが垂れていることはなかったけれど・・・。

ジャッキとリジットラックはメインの太いフレームにかけています。とりあえず仰向けで潜っていける最低限の高さでよかったので、リジットラックも一番低い高さで掛けました(でもミッション底が顔のすぐ近くで腕を回すのがギリギリ)。ざっと見渡す感じ、綺麗という感じではないですが、マズイ雰囲気はないですね。

フェラーリテスタロッサ車体裏

このクソでかい車体の、太いリヤタイヤが浮いているだけでもちょっと背中に冷や汗が出てきますが、潜っていきましょう・・・。これまで何度も書いていますが僕はあんまり車体裏に潜りたくないんですよね。知り合いからの知り合いが過去に車体に潰されて亡くなったという話を聞いたのが印象に残っているのと、たぶん僕はあんまり閉所が得意じゃないんです。閉所恐怖症の入口的な症状なんだと思います。

さて、なんせ新車から35年以上経ってますから、(フルレストアされた車両でもないですし)フレーム等についた汚れももちろんあります。なのでトラブルの確認をするうえでは、最近の汚れ(つまり漏れ)なのか歴史的に堆積したものなのかは見分ける必要がありますね。目で見てもなんとも言えない部分があるので、とにかく素手でお触りしてまわります。笑 

オイルも何年か経つと粘土のように硬くなるので、見た感じは水滴のように垂れそうな球になっていても硬いなんてこともあります。触って指にオイルが付着するなら最近の漏れということですね。煤がつくぐらいのところは(現在は漏れているわけではないので)問題なし。

フェラーリテスタロッサ車体裏

旧車的に、僕が思っていたよりも優秀なコンディションで、オイルが指につくような箇所はあんまりなく、滴りそうなところはナシでした。ただちょっと気になるところだとシフトとミッションのリンケージ部分。ここは明らかにオイルで周辺がしっとりしてますね。

おそらくリンケージのオイルシールが劣化してきてるのだと思いますが、これまでガレージの床にオイルが垂れていたことはないので、これはいつかエンジンとミッションを下ろすようなときが来るまで対応はおあずけ。

あ、ちなみに上の画像でやたら白くてピカピカなのはオイルフィルター。納車時につけてもらった高価なBOSCHの純正品です。DIY用にストックしてあるのは社外OEM品です(それでもめちゃ高い)。

フェラーリテスタロッサ車体裏

リンケージより上は黒く煤汚れはありますが、触ってもオイルは付着していないのでやはり漏れ箇所はこのリンケージ部分だと思います。オイル漏れは重力に従って流れてくるので、下からお触りしていって、それ以上の上はオイルが付着していなければ、そこがオイル漏れの原因と考えられます。

フェラーリテスタロッサ車体裏

んー。この辺は細い配線が地面に対して丸出しだけど、なんの機器なんだろう・・・。スーパーカーに限らないですが、こういう雑な配線設計がイタリア車の電装は弱そうな感じがひしひしとしますね。笑 まぁすぐに対応が必要そうな箇所はないようなので、問題なしとしましょう。

ドレンボルトは深く潜らないと届かないエンジンの底。でも上抜きしたおかげで残りの量はトレー半分ほど。

ということでオイル交換作業に戻ります。どれだけの残量が残ってるかなんとも言えませんが、テスタロッサのオイル総量と事前に上抜きで抜いた量を考えると、このトレーで受け止めるはず。足りなければ、お口で受け止めましょう。

・・・いや、一旦ドレンボルトをビャッと締めて止めます。笑

フェラーリテスタロッサ車体裏

なんかいくつかドレンボルトっぽいものがありますが、大きいものは確かミッションオイルですね。エンジンオイルのドレンはこちら。17mmのソケットで外せます。

この底面パネルのガスケットからオイル漏れはないですね。よしよし。

フェラーリテスタロッサ車体裏

オイルを受け止めるトレーを置いて、ドレンボルトを外します。固着はナシ。こういった金属パッキンの箇所はガクッと突然緩むので、それ以降は工具ではなく手で直接くるくる回して外します。ローバーミニと違って普通はドレンボルトは垂直に生えているので抜き取る瞬間に手にオイルがかかります。すぐ拭くための布も一緒に持って潜ってますよ。

オイルが抜けていくところの写真は撮り忘れましたが、トレーに半分ぐらいオイルが溜まったところでポタポタモードにはいったので、溢れることはないだろうと思いいったん置いておきます。この間にドレンボルトの掃除と、次回のためにドレンガスケット(銅ワッシャー)のサイズを測っておきましょう。

あれ、このサイズはもしやローバーミニのドレンワッシャー入るんじゃない?と思ったらドンピシャ!ラッキー!

テスタロッサはオイル交換に関する情報もあんまりなく、結局オイル以外は特に準備してません。今回のオイル交換でドレンワッシャーのサイズも測って、次回は新品をつけることにします。ほんとは同ワッシャーの使い回しはオイル漏れの原因になるんで良くないんですけどね。

テスタロッサのドレンワッシャー

てきとーなプラ製ノギスなんか使ってすいませんが、外径はザッと24mm。まぁ大事なのは内径です。

テスタロッサのドレンワッシャー

内径は16mmぐらい。なるほど。でもあれ、なんかこのサイズ感に見覚えが・・・。

ということでストックしていたつゆだく(ローバーミニ)用のドレンワッシャーを取り出してみます。なんと!重ね合わせるとピッタリ合うじゃあないですか!入りそうな気がする!!

テスタロッサのドレンワッシャー

でもミニ用のドレンワッシャーは購入した店が違う2種類があって、1つは入らず、もうひとつはギリギリ入りました。なるほどなるほど。で、どっちがどこで買ったやつだっけ・・・。笑

テスタロッサのドレンワッシャー

そんなことをしているうちにオイルが抜け切ったみたいなのでドレンボルトを戻していきましょう。軽布で拭き取ってからすぐドレンボルトをねじ込んでいきます。

ちなみにこの間にオイルパンなどめぼしいところをパーツクリーナーでザッとクリーニングしておきました。下の画像はずいぶん綺麗になってると思います。こういう漏れが発生する周りは特に、普段綺麗にしておくと、いざオイルが漏れたときに汚れた箇所がわかりやすくなるのでトラブルに気付きやすく原因箇所も特定しやすいと思ってます。全て汚いとそうはいかないよね・・・。

テスタロッサのドレンボルト

ということで締めます。でも規定トルクがわからんな・・・。

海外サイトで25 ft lbf、つまり33.895 N·mという記載がありましたがどうやらボルトサイズから見た一般論っぽいです。でもオイルパンは一般的にアルミ製で柔らかく、そしてこの箇所のトルクを定めるうえで考慮するとしたら銅ワッシャーが潰れて密着する適正トルクだろうと思うんです。

ということでローバーミニ用のワッシャー使ったんだから同じトルクでいいだろうと調べてみたら35Nmとのこと。さっきの数字とニアミスなので正解っぽい。責任は取れませんが。笑

テスタロッサのドレンボルト

このぐらいでキチッと締めておきます。よく見るとドレンボルトの横に「OLIO MOTORE」ってイタリア語で書いてありますね。親切やん。メンテナンスしやすく設計を親切にしてくれイタリア人。

次回は新しいオイルを注いで作業完了です。今回テスタロッサ用に選ぶオイルについても書いていきたいと思います。

テスタロッサ:よし、必要なのは道具と勇気だけ。こんな旧車スーパーカーでもDIYでオイル交換してみる。~③オイル選びと注ぎ込み編~
テスタロッサのオイル交換をDIYでやってみるということで、前回の記事では車体裏のドレンボルトからオイルを抜いて、新しいドレンワッ...つづく