テスタロッサ:DIYでクラシックフェラーリのフューエルフィルターを交換してみる。~③新しいフィルター取り付け編~

DIYでクラシックフェラーリのフューエルフィルターを交換してみるということで、前回は車体からフィルターを取り外すまでの手順について書いてきました。今回は新しいフィルターにアダプターを付け替え、車体に戻すところに入っていきたいと思います。前回までの記事はこちら。

テスタロッサ:DIYでクラシックフェラーリのフューエルフィルターを交換してみる。~②苦労のフィルター取り外し編~
DIYでクラシックフェラーリのフューエルフィルターを交換してみるということで、前回はなぜフィルター交換が必要かということと、新品...つづく

外れたフィルターからは接続アダプターを外し、新しいフィルターに付け替えなければならない。

古いフィルターを外しました。見た感じはやたら古いですね。ちなみに過去の整備記録には交換歴は見当たらなかったので、新車当初のものかもしれません。そう思って今回も交換しておこうと決めたんですよね。元々ついていたのは品番はBOSCH 0 450 905 231。外すまで見えなかったんですが、品番違うやん。笑

まずはトレイにしっかりガソリンを抜きましょう。

フェラーリテスタロッサの燃料フィルター交換

そしてこのフィルターをホースから分離したとはいえ、フィルターには実はアダプターが残っています。テスタロッサはフィルター→アダプター→燃料ホースのコネクターと3段階に接続されていて、先ほど車体からフィルターを外した際に分離したのは前後とも「アダプターと燃料ホースのコネクター」なわけです。なのでフィルターにはアダプターが残っている状態。

なんで最初からフィルターとアダプターを外さないのかというと、アダプターのロングナット部分しか自由回転せず、ホースを捻ることはできないのでこのアダプターから外していくしかないんです。ということでフィルターからアダプターを分離します。分離すると下のようにフィルターからアダプターが抜けます。

フェラーリテスタロッサの燃料フィルター交換

と、簡単に書きましたが、まぁここも固定が硬いです。笑 しかもフィルターを握ってレンチでアダプターを回すのは不可能、フィルターの六角部分とアダプターを2本のレンチで挟んでも腕じゃ簡単には外れませんでした(物が小さいので固定もしづらい)。

ということでまずout側はフィルター側の六角をでかいモンキーで掴み、アダプターに17mmのレンチをかけてこんなふうに足で踏むように蹴ります。乱暴なようですけど、一瞬強い衝撃をかける方がこういう銅ワッシャー(パッキン)が挟まっている箇所は外れます。

反対のin側はアダプターが19mmで、これをモンキーレンチでやって六角を舐めると最悪なので、ホイールを取り外すときにつかう大きなトルクレンチと19mmのディープソケットを使います。ディープソケットじゃないとアダプターの頭に当たって六角にソケットがかかりません。

そうそう、アダプターは両側がネジでガソリンを漏らさないように精密にできていて繊細です。こんなふうに厚手の布を敷いたりとか、あんまり乱暴に蹴ったりしないよう注意してください。

これでアダプターは両側とも外れました。下の画像を見ると分かる通り、それぞれ銅ワッシャーが入っていてガソリン漏れがないようにがっちり留められています。ゆえに緩めるのも苦労するんですが。

フェラーリテスタロッサの燃料フィルター交換

ここまできてしまえば組み戻しは難しいわけではないはず。なので気持ちはほぼゴールです。いや、よく考えると反対サイドもう1セット同じことしなきゃいけないのか・・・。

フェラーリテスタロッサのフューエルフィルター交換

こちらは外したガスケット(左右分)。こんな感じで径が異なるので使い間違えないようにします。

新しいフューエルフィルターにアダプターを接続する。品番は違うしサイズも違うので若干嫌な予感だったけど、問題なくアダプターが接続できた。

先ほど外したアダプターを新しいフィルターに仮で差し込んでみます。ネジピッチも合っているようで一安心・・・。

フェラーリテスタロッサのフューエルフィルター交換

こちらがout側。互換品というのは嘘でなかったようです。

フェラーリテスタロッサのフューエルフィルター交換

こちらのin側も問題なさそうです。アダプターは両側がオスになっていて、これがないとフィルターとホースを接続することができません。向きも間違いやすいので注意が必要です。

フェラーリテスタロッサのフューエルフィルター交換

上の画像では挟まっていませんでしたが、このフィルターとアダプターの接続には銅ワッシャーがガスケットとして必要になります。BOSCHのフィルターには付属してくるので、これを忘れずに新しいものに付け替えます。銅ワッシャーは柔らかいため締めた際に表面に密着するように潰れるため液体が漏れてきません。ただ潰して使うものなので再利用は基本NG。

フェラーリテスタロッサのフューエルフィルター交換

in/outで付属のワッシャー径が異なるので間違わないよう注意が必要です。ワッシャーまで入れたらレンチで本締めします。トルクは測っていませんが、新品の銅ワッシャーなので締めるとつぶれていく感覚があります。ある程度潰したらOKかなと。

フェラーリテスタロッサのフューエルフィルター交換

改めて新旧品の比較ですが、長さ、直径ともに新しいものがでかいですね・・・。テスタロッサの場合金属メッシュホースなので多少融通が効くので取り付けは可能と思います。

新しいフィルターを車体に取り付ける。手順は外した際と逆の手順。

新しいフィルターをまず固定バンドに差し込みます。といっても元々の部品から系が違うので、バンドを手でギュッと広げながら差し込む必要があります。入るには入ったのでOKとしましょう。

フェラーリテスタロッサのフューエルフィルター交換

そしたら前後共に元通り燃料ホースを繋ぎます。購入したフィルターには銅ワッシャーが2セット付いていたのですが、ここで燃料ホースとの接続にもワッシャーを入れるのか?と思ったのですが元々はついていませんでした。とりあえず元通りつけてみて、漏れてくるようならワッシャーを入れ直すことにします。

こういったホースの接続ポイントは漏れの原因になりやすく、強く締めたくなりますがやりすぎるとネジを変形させるだけなのでほどほどに。

フェラーリテスタロッサのフューエルフィルター交換

よこから見たところ。ホース固定後に、ホースに無理な力がかからないような位置にフィルターを調整しておきます。見ての通り、フィルター径が大きくなったことでバンドの固定ボルトが入らなくなりました。ただ簡単に動く感じでもなさそうだったのでこれで様子を見ます。ボルトは無くしたくないので、バンドの片側に固定しておきました。

これで作業は完了だ!やれやれ!!

と思ったんですが、反対側も丸々もう一回作業しなきゃいけないですね。笑

車体右側はエアフィルターがない分作業スペースは広いです。ただバンドの固定方法が左とちょっと違うので、このようにフレームに固定されている大きなナット(17mm)を外してバンドごとフィルターを取り出すことになります。

フェラーリテスタロッサのフューエルフィルター交換

左右作業を終えるまで2時間ぐらいでしょうか?あれやこれやと試行錯誤した時間もあるのでこんなもんですかね。

最後に古いフィルターから流れ出たガソリンの汚れを確認してみる。やっぱりフィルター交換しといてよかったかも。

後片付けと行きましょう。トレイに流れ出たガソリンを見てみると、取り外したフィルターの状態がわかります。すごく悪い状態だと錆が出てきたりする(つまりガソリンタンクや燃料ラインが錆びている)らしいですが、そこまでマズイことはなさそう。

フェラーリテスタロッサのフューエルフィルター交換

ただ若干濁っているのと、よく見るとキラキラと光るので細やかな金属片が溜まっていることもわかります。ガソリンは当然ながら汚れているのでガソリンタンクに戻すなんてもってのほか。とはいえバイオハザードのようにドラム缶に入れて燃やすわけにもいかないので紙に吸わせて処分します。

フェラーリテスタロッサのフューエルフィルター交換

ホースを外した際に流れ出たガソリンを受け止めた紙を見ると黒い煤のようなものが付いているのがわかります。これは軍手の汚れではなく、フィルターのin側(つまり汚れが溜まる側)から流れ出たものです。やっぱりフィルターは定期交換が必要だとわかる汚れですね。

フェラーリテスタロッサのフューエルフィルター交換

ということでフィルター交換作業が完了。左右のでかいフィルター内はガソリンが空なわけですから、すぐにかけてもエンジンがかからないはず。いったんアクセサリーオンまでキーを回して燃料ポンプを動かし、ちょっと待ちました。

その後エンジンをかけると、最初はセルの回っている時間が長かったですが、無事にエンジンがかかりました。初回は生ガスっぽい白煙が出ますが、次から出なくなるので問題なし。少しアイドリングさせながら、ホースの接続部分からガソリン漏れがないか下側を手で触ってチェックしていきます。ガソリンが漏れているようならすぐエンジンを止めて作業をやり直しますが、今回は問題なし。

今はガレージがガソリン臭くてわからないですが、走った際には漏れがないか再度触って確認したり、ガソリンの匂いがしないかよくよく確認した方が安全です。

ということで長くなりましたが、テスタロッサのフューエルフィルター交換でした。これで燃料ラインでやれることはやったかなと思います。もしラインのクリーニングとフィルター交換までしてもガソリン噴射量が足らないようなら、燃料ポンプが弱くなっていることを疑った方が良いですね。