テスタロッサの燃料噴射は機械式インジェクションと呼ばれるもので、前期なのか中期なのか後期型なのかによりますが、うちのてすたろー(テスタロッサ)は中期型なのでKEジェトロニックによるものです。
KEジェトロニック自体はBOSCHの当時の最先端システムなので、色々な欧州車に搭載されています。
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KEジェトロニックは吸気量に連動して燃料流量を決めるKジェトロニックに、さらにO2センサーで酸素量補正がついている。
まずキャブレターは吸気の負圧を利用して燃料を吸い出し混合気を作る仕組みですが、Kジェトロニック、KEジェトロニックのような機械式燃料噴射装置(機械式インジェクション)は吸気量によって弁が大きく開き、それに燃料弁が連動して開くことでガソリンの噴射量を吸気量に応じて増やしています。弁の連動開閉も機械的にリンケージで繋がっただけというシンプルな構造ですね。ただこれだと吸気温度などの補正ができないので、KEジェトロニックでは酸素濃度を測定するO2センサーを使用して噴射量の補正が入るようになりました。O2、つまり酸素量を測るということはざっくり言うと外気温が大きく変わると吸気の酸素密度が変わってしまうので、それを測っているということだと思います。
「あれ、そうなるともしかして大きく外気温が変わる春と秋のシーズンに一度アイドリング吸気調整をしているうちのテスタロッサはO2センサーが不調をきたしているだけなのでは?」
と、ふと思っちゃいました。これは交換を試してみる価値があるかも・・・しれません。笑 でもちょっと試してみるにしてはいちいちパーツ代が高いんですけどね・・・。
フューエルアキュムレーターは燃圧を安定させる役割で、ジェトロには重要なパーツ。
そんで本題のフューエルアキュムレーター。この機械式インジェクションの構造上、安定して燃料噴射量を適正コントロールするには燃料の圧力が安定する必要があります。それはいくらジェトロニックの燃料コントロール弁が動いても、結局は燃料が通る隙間の広さをコントロールしているだけなので燃圧が変わると通っていく燃料の量は変わってしまうわけです。それじゃあ意味がないですよね。
そこで重要な仕事をするのがフューエルアキュムレーター。この部品の役割は燃料の送り出し圧力のバラつきを吸収し安定して燃圧をかけるということらしいです。燃料ポンプも高速周期で燃料を押し出して止めてを繰り返している周期運動ですから、そういうところに瞬間的な燃圧のばらつきが生まれるのだと思います。アキュムレーター自体は大きな部品ではないですが中はどういう構造なんでしょうね?今度調べてみたいです。
このフューエルアキュムレーターが経年劣化で不具合を起こしていると燃圧が安定せず、アイドリングが不安定だったり、加速不良を起こすのかもしれません。実際に起こっていないのでアクセルを踏んでいてどの程度明確に調子が悪くなるのか僕はわかりません。テスタロッサに限らず、エンジンがしっかり温まっている状態でエンジンをかける温間始動でかからない、冷めるとかかるというのがメジャーな症状のようです。あれ、なんか温間時にエンジン再始動ができないとか前世の記憶にあったような・・・くっ・・・
テスタロッサ:きた、、、出かけた先のイタリア街でエンジンが掛からなくなる 。。セルモーターに問題発生。
と、自分のブログを見返したのですが、そのときはそもそもセルモーターが回らない問題だったのでアキュムレーターの不具合ではありませんでしたね。やっぱり記録をとっておくのは大事なことだな。笑
僕も詳しくないので色々調べた情報をここにメモしておく感じですが、どうやら燃圧が下がった状態のガソリンはエンジンの熱で気化しやすく、噴射されて燃焼室にたどり着く前に気化するとパーコレーションという状態を引き起こすことがあるようです。なのでアイドリングや加速が弱くなる、場合によってはエンストするのだと思います。
アキュムレーターも消耗品なので、10万キロ走っていたら交換した方がいいらしい。そもそも古いのだから、交換した方がいいんだろうな。
機械式インジェクション、つまりジェトロを積んだ車両は10万km走ってこの不具合が出ている場合はアキュムレーターを疑った方がいいという記載がネット上にありました。もちろん10万km走っていないとしても、新車から10年ではなく35年以上経ってるわけですから、単純に走行距離による劣化だけでなく経年劣化の可能性もかなりあります。
どこまでチェックするかですが、分解時に燃料ポンプ側、つまりガソリンがアキュムレーターに入っていく側から外してガソリンが漏れ出てくるようなら壊れているっぽいらしいです。本来圧力を逃さないようにガソリンが入っていく側は逆流防止でガソリンが出てこないようになってるとのこと。うーん、だたこれを正確に確認できる自信がないですね・・・。ネットでさらっと拾った情報なので信憑性もわかりません。理論的には構造上正しいと思われますが。
とりあえずてすたろー(うちのテスタロッサ)はエンジンが温まってしまえばアイドリングもとても安定しているようですし、再始動でカブったようにエンジンがかからなくなることもないので、おそらくアキュムレーターは大丈夫ですかね。もちろん消耗品ですし、大事な大事な燃料系統のパーツなので交換しておきたいのですが、なんせ部品代がお安くないのですよ。
パーツは手に入るが、アキュムレーターは高い!しかもテスタには2個必要である・・・。
ランボルギーニとかこの世代のイタリア車に限らないかもしれませんが、少なくともこの世代のフェラーリは左右バンクで別のエンジンみたいなもので、クランクシャフトで1つの動力として繋がる感じ。吸気、燃料の送り出しから噴射、点火制御、それらが同じシステムではあるものの左右で2セット独立に設置されています。なので燃料ポンプからフューエルフィルター、アキュムレーター、インジェクターまで左右2セット分状態確認と交換をしていく必要があります。
2023年末の現在はかなり円安ということもありますが、なんせパーツが高い。ヤフオクで見てると2万円台後半から3万円台前半の価格帯です。これを2個なので6万円かかる、なんかクラシックフェラーリの部品見ていると金銭感覚がバグってきますが、結構な金額です。笑
それと気をつけなければいけないのがテスタロッサでも世代によって品番が異なるようです。というのも前期型はKジェトロニック、中期型以降はKEジェトロニックだから。
- 前期型Kジェトロニック用フューエルアキュムレーターBOSCH品番:0 438 170 004(たぶんね)
- 中後期型KEジェトロニック用フューエルアキュムレーターBOSCH 品番:0 438 170 042(たぶんだからね、責任取れないよ!)
とはいえうちのテスタロッサを実車確認したらKEジェトロ用の品番でアキュムレーターがついてました。購入するなら間違えないようにしなければ・・・。しかし1個だけ予備に買っておいてもしかたなさそうだし、必要になったら購入しようかなと思います。
ということで今回は見送りで!!