今年の梅雨は全然雨が降ってない気がしますね。超晴天というわけでもない薄曇りが多いですが、せっかくなら気持ちよく晴れるか、水不足にならないよう雨を降らしてほしいと思ったりしています。
クルマの方はというと、僕は毎年梅雨の時期になるとガレージの除湿器を稼働させ始めます。特にてすたろー(うちのテスタロッサ)を購入してからは、なおさら湿度に気を使います。欧州旧車たちは日本の高温多湿に負けて内装が浮いてはがれてきたりしますし、フルレザーだとカビもちょっと怖いところ。うちのガレージは全方位コンクリなので調湿効果があるためか、
「もう湿度100%でいろんな湿って汗をかいてる・・・」
というほどになることはないように思うんですが、それでもボディがサラサラスベスベのときとしっとりしているときがあり、しっとりの時はやはり湿度が高いんだろうなと感じるわけです。
なので梅雨の始まりから夏の終わりまではなるべく除湿器で除湿をしてあげています。本当はガレージを除湿して締めっぱなしが良いのですが、子供たちの送り迎えのたびにチャリを出ためガレージが一瞬開け閉めされてしまうので、可能な範囲でタイマー付けて除湿しておくという程度の運用です。
ガレージライフ:空調完備のガレージとは?家庭用除湿機でガレージの保管環境を整えクルマを労わる。
これでもガレージの中はカラッとしていてかなり過ごしやすいので、長期的に見たらクルマへの影響も全然違うでしょう。真夏でもコンクリ内部は熱くなることもないので、いわゆる”空調完備”な状態で保管できていることになります。
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真夏のDIY作業はしんどい。だから特に冷却に関連する大事なことは夏前にやっておく。
さて、最近めっきりクルマを触ることが減ってしまったのですが、除湿と同じように真夏が来る前に準備しなきゃなと思うのが液体類の交換。真夏はオーバーヒートしやすかったり、オイルも熱で傷みやすいというのもありますし、単純に真夏に作業になるとシンドイから早めにやっておこうという気持ちもあります。ということでカラッと晴れた日なので腰を上げてつゆだく(ローバーミニ)のクーラントとオイル交換をすることに。
クーラントを交換したのは2年ほど前の梅雨から夏の時期で、僕な基本的に2年サイクルで交換しているのでちょうど今が交換時期です。2年前はクーラントだけじゃなくてサーモスタットやサーモセンサー、ラジエーターキャップなどの水路周りで消耗品を諸々交換しているので(元々はサーモセンサーが寿命を迎えたついでに諸々交換した)、現在はオーバーヒートの心配も全くしてないですし、今回はサクッとクーラント液だけ交換して終わりと考えてます。
水路周りの消耗品を諸々交換した作業はこちら。
ローバーミニ:クーラント交換とラジエーターフラッシュによる水路洗浄をする。~古いクーラント抜きと冷却ファン動作不良の原因分析編~
ローバーミニ:クーラント交換とラジエーターフラッシュによる水路洗浄をする。~水路洗浄編~
ローバーミニ:サーモスタットを交換してオーバーヒートを予防する。~分解と洗浄編~
ローバーミニ:サーモスタットを交換してオーバーヒートを予防する。~組込と動作確認編~
ローバーミニ:ラジエーターのサーモスイッチを交換して電動ファンの動作不良を修理する。~取り付けと動作確認編~
ローバーミニ:ラジエーターのサーモスイッチを交換して電動ファンの動作不良を修理する。~クーラントブースター投入編~
ローバーミニは古いクーラントをコックから抜くのに、液体を受け止めるスペースがなくて不便。牛乳パック様の登場だ。
ということでまずは古いクーラントを抜いていきましょう。つゆだく(うちのローバーミニ)は水路周りの漏れはないっぽくてクーラントが減ることはほぼありません。定期的にチェックはしていますが今回のぞき込んでも分量は平気、ただやっぱり2年使っているのでどうしても濁ってきています。
まずはフロントグリルを外して、ラジエーター底面の白いコックへアクセスします。これを回して外すとクーラントがバシャーっと出てくるわけです。ただしクーラントは”水道に流してはいけない液体”なので垂れ流しは厳禁。
だけどローバーミニはサブフレームが邪魔で、流れ出るクーラントを受け止めづらいんですよね、、、広いトレイで受けるという手もありますが、なんとなくサブフレーム周りがクーラント液でびしょびしょになるのも不衛生だし結局こぼれそうだなと。
そこで今回は牛乳パックをひとつ犠牲にして簡易漏斗を作ります。ラジエーターから真下にクーラントを流そうとするとサブフレームの細い隙間につぶした牛乳パックを差し込んで受け止めるしかなく、普通の市販漏斗を通す隙間もありません。
なのでこんな感じで牛乳パックの底に穴をあけ、サブフレームの下から差し込んだパックをラジエーター下で漏斗のように広げ、パックが受け止めたクーラントをバケツに流すという作戦です。笑
それと気をつけなきゃいけないのが、コックを外す前にラジエーターキャップをつけておく(僕の場合は蓋する場所に置いておいただけ)ということです。キャップを外してコックを開けると流れ出てくるクーラントに勢いがありすぎて牛乳パックが全流量を受け止められずに溢れます。。
ということで流しきった古いクーラント。黒いですがしっかりと仕事をしてくれたということでヨシとしましょう。これは後で固めて燃えるごみに捨てるべく、数本の牛乳パックに流し込んでおきます。
クーラントは入れ替えるだけじゃなく、特に旧車は水路洗浄がオーバーヒートの命運を分ける。
次に水路洗浄。古いクーラントが抜けたらコックを戻し、水道水をやや少なめに入れます。そしていつものワコーズのラジエーター洗浄剤を投入。2年先まで残りを取っておくのも微妙なので、いつも1回の洗浄で1本使ってしまっています。水道水で満水にしてから洗浄剤を追加すると水量が多すぎるので注意が必要です。
そしたらエンジンをかけて水路を循環させます。循環させるといってもオイルのようにエンジンかけたらすぐ全部が循環するわけではないので、水温が上がって冷却ファンが回るまで暖気します。クルマというのは冷却水の水温が一定以上に上がるとサーモスタットが開いてラジエーターにも冷却水の循環が始まります。そのラジエーターに循環してきた冷却水をサーモファンで冷やしてエンジン方面へ流すというのが冷却の仕組み。
つまりラジエーターに洗浄剤を投入してもしっかりと水路隅々に循環させるには、サーモスタットが開く温度まで水温を上げて、ラジエーター内にあった冷却水を循環させる必要があるわけです(普通はサーモスタット→冷却ファンの順で作動)。
洗浄剤の説明だと20-30分暖気しておいてね、と書いてありますが、今回は隙間時間にオイル交換もしたいのでファンが回って少し経ったら循環OKとします。ラジエーターキャップを外した穴から水流が来ているのを確認するとなお確実です(泡立ったり波立ったりするのでわかる)。あ、もちろんこの間はヒーターのつまみを目一杯引っ張ってヒーターホース内のクーラントも循環するようにしておきます。ヒーターあまり使わないとこの中が詰まって水漏れになりやすいようなので、ヒーター側の循環も忘れずにやっておきたいところ。
隙間時間にサクッとオイルも交換しておく。暑い時期は熱でオイルの消耗が激しい。
エンジン止めたらサクッとオイル交換してしまいます。前回の交換が2月なのですが、半年時点で交換すると真夏になっちゃうのでついでに交換。いつも通り上からオイルチェンジャーで吸い出せるだけ吸い出して、残りをミッション下のドレンボルトから抜き取ります。
ドレンボルトのマグネットについたスラッジもいつも通りで特に問題なし。オイルフィルターは前回交換したので今回はパスです。
ローバーミニ:改めて、DIYでオイル交換をやってみる。~交換頻度と暖気編~
ーバーミニ:改めて、DIYでオイル交換をやってみる。~オイルチェンジャーによる上抜きとドレンボルトによる下抜き編~
ローバーミニ:改めて、DIYでオイル交換をやってみる。~ドレンボルトの掃除とオイル注入編~
オイル交換までしたぐらいで洗浄剤のつけ置きができているので、再度エンジンをかけて暖気します。一応もう一度ファンが回って循環するまで回したら止めて、最初と同じ要領で洗浄液をラジエーター下部から抜きます。
ただこのときは最初と違ってラジエーターも出てくる水も超熱いのでめちゃ危険です!冷めてから抜くのが安全ですが、この後すすぎ洗いしたいのに都度都度冷めるまでずっと置いておくと交換作業にめちゃくちゃ時間がかかってしまうので、強行手段に出ます(おすすめはしません)。軍手などは無意味というか熱湯を布に吸われると逆に火傷リスクが高いので、冷水シャワーを指先にかけながらラジエーターに触れないようにそっとコックを回します(プラ製コックを傷めないように気を付けながらペンチで回す方がよいかも)。
これで洗浄剤を含む水道水がラジエーターから出きったら、再度コックを締めてただの水道水を入れ、循環するまで暖気をしてすすぎます。すすいで抜いた水が完全にきれいになることは難しいですが、2回すすいでずいぶんきれいになったのでヨシとします。
クーラントとオイル交換完了。もちろんクーラントブースターは投入しておいたほうがベター。
ようやくこれで水路洗浄が完了。クーラントを入れ替えるだけなら簡単ですが、オイル周りとクーラント周りは問題が発生すると修理が大きくなってしまうこともあるので、ここは妥協せずに毎回洗浄するようにしています。クーラントが詰まって循環せずにオーバーヒートする、オイルが詰まって循環せずに気がついたらエンジンを壊す、そんな事態になるとめちゃくちゃ大変ですよね・・・。特に真夏が熱い日本で旧車乗るならオーバーヒートは大敵。涼しい顔して気持ちよく乗るためには液体類は妥協なくメンテナンスしておきたいところ。
ようやく最後にしっかりとコックを締めたら、新しいクーラントを注ぎ入れます。もちろんクーラントブースター(冷却性能と保護性能を高めるケミカル)も投入するので、いきなりクーラントを満タンにせずある程度入れたらブースターを投入し、最後にクーラントで水量を調整します。これでちゃんとキャップを締めたら完成。やれやれ、オイル交換と合わせてトータル2時間ぐらい?良い日光浴になりました。
試走がてらちょっと買い物に行ったら、クーラントとオイル共に漏れていないか確認をしておきます。これで今年の夏も安心して頑張ってもらえますね。