今回はテスタロッサのスパークプラグを外して、その焼け具合をチェックしていきます。過去の整備記録からするとまだ交換時期ではないので、今回はコンディションチェックが目的です。プラグは燃焼室内のコンディションを直接知ることができる重要なパーツで、たまにはチェックしたほうが良い箇所です。
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12気筒エンジンのプラグ数は多いな・・・。まずはプラグコードを抜く。うちのプラグコードは永井電子のULTRAシリコンコード。
しかしV12エンジンなので当然ながらプラグが12ヶ所もあって大変、、、。笑 とりあえず右バンクの方がスペースが広いので、その手前側から作業してみましょうか。つまり6番のプラグです。
まずプラグコードを抜くのですが、うちのテスタロッサのプラグコードは永井電子のULTRAがついています。結構綺麗なので交換して古くはなってない感じですね。テスタロッサに限らないですがプラグコードを交換する際にこのULTRAにするケースが多く信頼できる製品だと思います。
フェラーリ純正のプラグコードも入手可能ですが性能が低い(劣化が早い)のに金額が非常に高く、つまり消耗品まで完全純正を貫くオーナーはあえて純正品を選びますが、状態良く維持していく観点なら最新のシリコンプラグコードが良いと思います。劣化して通電性能が下がるとエンジンの調子崩しちゃいますからね。。しかしエンジンヘッド部分に直接固定されているのでめちゃめちゃ熱に晒される過酷な環境です。
で、プラグコードを抜きます。紐を引っ張ったらダメなのでなるべくプラグの根元部分(プラグキャップ)を掴んで引っ張りますが、テスタロッサのプラグホールはすり鉢状になって奥にプラグが差し込まれており、そのすり鉢状の穴をプラグキャップがフタをして密閉するような形になっています。なのでそのフタをめくりつつ掴んで引っ張るようなイメージです。するとカポっという音と共にプラグキャップが抜けます。音からしてなんか密閉度が高い感じ。それと単純に固いです。
引き抜いた接続部分は結構長さがあり、スパークプラグは結構奥深くに刺さっていることが想像できますね。
180°バンクの全く見えないスパークプラグを手探りで外す。プラグレンチのサイズは18mmだ。
続いてスパークプラグをエンジンブロックから外すのですが、プラグレンチのサイズを事前に調べてませんでした。。なのでとりあえずいくつかソケットを突っ込んで実寸確認しようと思います。
まずつゆだく(うちのローバーミニ)で使っている21mmのプラグレンチを差し込んでみるとスカスカでプラグに引っかかりません。デカすぎるっぽいですね。プラグレンチは他に持っていないのでディープソケットを使います。ディープソケットはソケットのカップが深いもので、プラグの場合はディープソケットじゃないとソケットの底にプラグの端子が当たってしまってナット部分にソケットがかからないです。
しかし180°V型エンジンはプラグが地面と水平方向、そして深い場所にあるため目視で見えないんですよね。。
19mmでかかったっぽいのでこれで回していきます。スルッと緩んだので元々の締めが緩かった気がしますね。緩んだらエクステンションだけにしてくるくる回してプラグを抜きます。外してみて気づいたのですがプラグレンチのサイズは18mmですね。18mmのディープソケットは持っていないので次回までに購入しておきます。次回はちゃんとサイズのあった工具で外しましょう。。
ついていたプラグは信頼のNGK製イリジウムプラグ。品番はDR8EIXで、これも当時のフェラーリ純正だとたしかチャンピオン製のプラグですが、やはり安心の日本メーカーNGKに替えている個体も多いみたいです。うちのテスタロッサは整備履歴が結構残っていて、プラグは2020年の9月に交換歴があるのでまだ新しく、密閉されていることもあってプラグ外観は綺麗です。
プラグはカーボンが堆積していてコンディションはあまり良くない。。ここは元コレクターズカーとしての宿命か。
しかし問題はエンジンルーム内部側。ちょっと碍子脚部まで含めて焼け方が黒いです。。
このプラグ、問題は2つあるっぽいです。ひとつはカーボン堆積で、暖気のみやちょい乗りばかりだとこうしてカーボンが堆積してきてプラグが綺麗に焼けません。点火系を含めてエンジンの状態が良いと基本的にプラグの自浄作用でカーボンは消えていくんですが、ちょい乗りだと汚れの蓄積に自浄が追いつかないみたいですね。プラグにカーボンが堆積しているってことはエンジン内部もカーボンが堆積している可能性が高いです。。
僕のテスタロッサは前のオーナーがコレクターだったらしく、よって見た目は綺麗なのですがあまり乗ってなかった(たまに状態維持のためエンジンはかけていたかもしれない)ようです。なので「カーボン堆積しているんだろうな・・・」と思っており、これは案の定。どうしてもこういったタイプのクルマは”走行していないこと”により状態が芳しくないことが多く、クルマはやはり適度に乗っているほうが(もしくはガソリン等も抜いて完全保存モードで保管するほうが)状態が良いといえますね。
ただ今回のカーボン堆積量はまだヤバいほどではない気がするので、一度しっかりとエンジンを回しながら走れば改善するかもしれません。素人目ですが・・・。
そして6番プラグはオイルで湿っている・・・。これはやはりオイル上がりorオイル下がりか・・・?
それともうひとつ、こっちの方が問題なんですがプラグがしっとりと光っています。つまり濡れてるわけです。これを指で触ったり綺麗なペーパーで拭き取ってみるとオイルっぽい。匂いを嗅いでみるとガソリン臭さはありませんね。ということはちょっとオイル上がりもしくはオイル下がりが起きてる感じがします・・・。
中期的にみてオーバーホール貯金が必要になるかもしれません。300万円ぐらいいるのかしら・・・嫁には言えないぜ。笑
オイル上がりは失火や始動不良の原因になりますが、そもそもひどくなると白煙を吹きますし、オイルが漏れて燃えていってしまうので残オイルが早いペースで減っていきます。
ちなみにガソリンで濡れている場合はいわゆる”プラグがかぶっている”状態で、コールドスタートでちょっとエンジンかけてすぐ切ったりするとそういう状態になり、濡れているのでうまく点火せずに失火の原因になります(つまり再度エンジンがかからなくなったりするらしい)。
スパークプラグのコンディションについては、デンソーのサイトが画像付きで細かくパターン別に解説してくれているので勉強になります。サイトはこちら。
ひとまずコンディションがわかったのでプラグを拭いて元に戻す。カーボンはバーナーで焼かずに自浄作用に期待してみる。
とりあえず今日のところは状態チェックまでなのでペーパーで汚れを拭き取って戻します。イリジウムプラグはゴリゴリと金属ブラシで掃除しちゃうと自浄作用が落ちたり痛んだりとかするらしいので、掃除したいなら先端をバーナーで焼くのがいいらしいという情報があったのですが、バーナー持ってないこともあって見送り。
碍子部分が見えているので焼くレベルではない気がします。それとまだ僕にとって乗り始めなので、たまにチェックしてプラグが綺麗になってこないようなら交換した方が良いかもしれないですね。
ということで元に戻します。プラグをプラグホールに差し込んで手で回したいところですが、深すぎて手では届かないのでソケットにはめて手でソケットを回します。回らなくなるところまで締めたらレンチをかけてしっかり締めます。テスタロッサエンジンの規定トルクがわかないですね、、、
ですがNGKのサイトにプラグの一般的な締め付けトルクが記載されていたのでそれに従って締めます。トルクはナット部分の径ではなく、締め込むネジ部分の径で記載されているのでナット径18mmではなくネジ径12mmのガスケットタイプで見ることに注意です。締め付けトルクは15~20Nm。
以下のページでイリジウムプラグのスペックを見つつ、型番からネジ径を調べます。このプラグ二輪車用って書いてあるやん・・・これでいいのか?
https://www.ngk-sparkplugs.jp/ngk/sparkplugs/products/ix/
そしてこの締め付けトルクについて記載されているページからネジ径ごとの締め付けトルクを見ます。
https://www.ngk-sparkplugs.jp/ngk/sparkplugs/basic/install/
ちなみにトルクレンチを使わない場合は手でキュッと締めた後、レンチでさらに締め込む回転角度で測ることもできます。ガスケットタイプは新品を締める時はガスケットが潰れるので角度が大きく、2回目以降は角度が小さいので間違いないように注意が必要です。
あとはプラグコードを戻すだけですが、接続部分が奥深くなのでちゃんとプラグの端子にカプラーがハマる感覚を確かめながらしっかりとコードを取り付けていきます。
これでようやくプラグ1本の点検が終了。作業をしていたのが平日の深夜だったので今日はいったん1本だけ見て終了。残りを見るのがちょっと怖くなりましたが、また別の日に他のプラグもチェックしていくことにします。