テスタロッサ:コールドスタート時のアイドリングがちょっとキツそう。ネオクラシックフェラーリのエンジンコンディションについて考えてみる。

桜の季節が終わりかけてるにも関わらず、寒い日が続いていますね。僕の家にいる愛車たちは気が付けばクラシックカーと呼ばれるクルマの方が多くなってしまいました。しまいましたというか僕が好きで選んでるんですが。笑 そんな愛すべきクラシックカーな2台はガレージから出発するまでにエンジンを温める暖気が必要なのですが、特に冬はエンジンが温まるまで時間がかかり暖気している時間も長くなります。

今回はテスたろー(うちのフェラーリテスタロッサ)について、コールドスタート(エンジンが冷えている冷間時のエンジンスタート)からエンジンのコンディションについて考えていきたいと思います。

コールドスタートはエンジンの状態がわかりやすいタイミング。なのでいつもドアを開けて耳をすましながらエンジンをかける。

最近の車はエンジンの静音性が高く、さらに高級車だと室内への遮音性も高いのでエンジンをかけてもあんまり音がわからないこともあります。なので僕は冷間時(コールドスタート)のときはドアを開けたままエンジンをかける癖があります。ドアを開けていると始動時のセルモーターの音やエンジンがかかる時の音が耳に入りやすくなるからです。

元々は単純にエンジンがかかる瞬間の音を聞きたいだけだったんですけどね。笑

旧車に限ったことではないのですが、エンジンをかけるときはセルモーターが回ってエンジンがかかるまでのかかり具合を気にします。セルモーター自体が元気がなければバッテリーが弱ってるので充電しますし(音でわかる)、セルモーターは元気に回っているのにエンジンのかかり始めが遅かったり勢いが悪かったりすると、

「あ、なんかエンジンの調子悪い」

と思うわけです。これまでの愛車遍歴で、バッテリーが弱っている以外でエンジンのかかりが悪かったことはないのですが、やはりエンジンをかけなかった期間があまりに長かったりすると、セルモーターが回り始めてからエンジンがかかるまでの時間が若干長かったりしますね。

さらにコールドスタートでは、エンジンをかけたばかりは(触媒が温まるまでは)アイドリングがやや高めに制御されるものですが、特にその間にエンジンの回転数が安定しているかどうかを見つつ、音が苦しそうだったりいつもと違いがないか耳をすませます。エンジンが温まると気付きづらい嫌な予兆も、このコールドスタートのタイミングでは感じ取りやすいと思うからです。

フェラーリテスタロッサ

冷えている状態のエンジンはオイルも固く、金属が熱膨張していない状態なので抵抗が多くてうまく回りづらい環境です。設計精度の高いエンジンは温まって油温水温が安定した状態で寸法がぴったりになるよう設計されていますからね。

この始動直後にバラツキがあるときはなんかコンディションがイマイチだなーと考えます。ちなみに普通クルマはコールドスタート時に燃料噴射量を多めにしたりアイドリング回転数を高めにするようECUが働いて、温まってくるとエンジン回転数が通常のアイドリング回転数に落ち着きます。ケイマンやパナメーラは触媒が温まったらすぐ回転数が落ちるので、始動してそれほど経たないうちにアイドリングが静かになります(ポルシェは始動直後が結構うるさい)。一方で旧車勢というか、ローバーミニやテスタロッサは触媒があったまるぐらいではなく、水温計が動いてからジワジワと定常アイドリングに移っていく感じがしますね。

34歳のテスタロッサはスタートが苦しそう。冷間時のアイドリングはたまに絞るようにエンジンの回転が落ちることもある。

ということで僕のテスたろ(うちのテスタロッサ)はどうなんでしょう。

エンジンをかけると1秒ぐらいスターターが回った後にエンジンが目を覚まします。他のクルマより若干時間がかかるといえばかかる印象ですが、V12の重たいエンジンを回しているのでこんなもんかもしれません。やはり大排気で気筒数が多いほどスタートは重い感じがます。そして音はアメリカンV8か?と思うようなドロドロドロというかズズズズというかひとつひとつが重たく深い音がします。おそらくこれは”そういうもの”ではなく、ベストコンディションとは言えない状態なのかもしれません。

そしてこれは納車時にも説明を受けたことなんですが、冷間始動時のアイドリングの方が若干回転数が低く、温まってくると回転数が上がるとのこと。普通逆ですね。笑 Kジェトロニックの特性で正しい動き?それともちょっとおかしい?今はわかってません、、、

フェラーリテスタロッサ

でも確かに水温計が上がってくるぐらいまでは950回転でアイドリングし、温まってくると1100回転ぐらいになります。まだ片手に数えるぐらいの回数しか乗っていないのですが、最近は落ち着いてきたらアイドリングが1000回転ぐらいですね。変わったこととすれば外気温とプラグのコンディションですが、それでアイドリングが変わったのでしょうか?それとも普段のご機嫌のブレの範疇?これももう少し付き合ってみてテスタロッサのことを知らないとわからない感じ。

温まった後の回転数はテスタロッサでは一般的なアイドリングの範囲です。取説にもアイドリングは1000rpm±100とあります。結構許容幅が大きいですが、アイドリングが900回転ぐらいだと信号で止まる時にクラッチ切ったタイミングなんかでストールしやすいかもしれません。

この冷間時のアイドリングではギュウウウゥゥゥと絞るような苦しそうな音がすることもあり、それに合わせてか時折回転数が下がってエンジンが止まってしまうかもと心配になるときも。ただYouTubeで他のテスタロッサの動画を見ていると、ギュウ音自体は他のテスタロッサでもするようですね。アイドリングで回転数が下がる問題は、Kジェトロのコールドスタート用の調整をいじくる必要があるのかもしれないですし、プラグを含めた燃焼室の問題かもしれません。これは今後じっくり突き止めていきたいと思います。

ただエンジンが温まってくると、回転数が上下に波打つハンチングはほとんど起こらず回転数は安定しています。これは走り出してからも同じなのでコールドスタート以外は特に問題になるようなことはなさそう。

ここただ危険なのはエンジンが温まっていく途中でキッツイ刺激臭がする・・・。これはマジで死の匂いがするかも。

一方で危険な感じがするのは、エンジンが動き始めてちょっと経ったら突然に鼻をツンとつくような臭いがしたこと。というかそんな優しいモンではないのです。うちのガレージはシャッターで密閉できる室内空間ですがアイドリング用の換気機能はないので、エンジンをかける時はもちろんシャッターを開けます。

ただ住宅街でこういったクルマのエンジンをかけるには非常に気を遣いますし、しかも暖気しないといけないので地響きのような音はなるべく抑えたいところ。なのでエンジンをかけたら最低限換気ができる隙間を残してシャッターを半閉めにして暖気をするのですが、刺激臭がしてくると

「うっ、これは即脱出しないと死ぬ!!」

と思うぐらい体に悪そうなツンとした臭いでダッシュでガレージから出たほど。

フェラーリテスタロッサ

ググってみると一般論としては”触媒が劣化して機能しなくなっている”とか”ガソリンが古い”なんてことを書いてあるサイトもありました。たしかにここ数年?あまり走っていなかったらしいうちのテスタロッサ。ガソリンが古い可能性はありますが、給油満タンで納車してくれたので新しいガソリンで混ざったはずですし、納車整備などでちょこちょこ走ったようなのでこれはあまり考えづらいかな。。

触媒の劣化は怪しいです。新車当時からの純正マフラーなのでかなり古いのは事実。

でもコールドスタートでエンジンをかけ始めは特に何の臭いもせず、しかし1分ぐらいすると急にキツい臭いがして、またちょっと温まってくると臭いが落ち着くんですよね。ということは触媒が温まるとちゃんと空気清浄の仕事をし始めるのかもしれません。。

触媒が大丈夫なら”燃調が濃いのかも”と書いてあるサイトもあります。黒煙を吹くことはないのでそういう状況なのかはわかりませんが、いずれにせよツンとする臭いはガソリン関連(HC)っぽいので調整して貰えばいいのかも。この辺りは勉強不足なのでちょっとわからないです・・・。古い車なので冷間時はやばい臭いがするもんだ!と言われるかもしれませんがちょっと臭いがキツすぎるので、これは心配。ただし温まった状態ではマフラー近くでクンクンしても(体に悪いけど)大丈夫ではあるので、車検はこれで通るんでしょうね。

エンジンが温まってくると落ち着いてくる。マフラーから水蒸気が出てくるのはしっかりとガソリンが燃焼して良い状態らしい。

同じ5リッター近くの排気量をもつテスタロッサとパナメーラSでも、排気のクリーン具合は全然違いますね。めぇ(うちのパナメーラ)の場合はリヤラゲッジルームに嫁が荷物を積み込んでいるときにエンジンかけてもなんとも言われないですから・・・。

その後もうちょっと温まって水温計が動いてくると、臭いはグッと抑えられ排気は(真冬なので特に)水蒸気を多く吐き出すようになります。テスタロッサはエンジンの右と左のバンクで別々の独立制御状態なので、左右が全く異なるコンディションになることがザラなこともあり、排気も左右それぞれ状況を見るようにしています。どちらも排気に手をかざして排気の勢いや水蒸気の出具合、その臭いなんかをチェックしましたが、若干右の方が水蒸気が多い気がするものの概ね左右同じです。

フェラーリテスタロッサのV12エンジン

水蒸気が出るのはエンジンが良い状態なんて言われるので問題はなく、水蒸気で湿った手からは変な臭いもあまりしないのでこの時点ではガソリンはしっかり燃えてると思っていいですね。最初に嫌な臭いがするのは燃焼不良か、あるいは燃料供給ラインで溜まったガソリンが最初だけ多量にエンジンルームに入っているとか、コールドスタート時だけの問題かもしれません。

とりあえず状態チェックとしてもう少しできるのがプラグの焼け確認です。エンジン内部の状況はこれまで書いてきたような”エンジンをかけてみた時の動作具合”から色々推測をしますが、もちろんエンジン内部を分解して見るのが一番よくわかります。しかしエンジンを分解するにはめちゃめちゃ時間もコストもかかるので状態確認程度ではできません。そこで一番のヒントというかエンジン内部のインジケーターになるのがスパークプラグ。これは燃焼室内に直接刺さっていて、しかもメンテの都合上工具ひとつで外せるため作業ハードルが低いためエンジンの状態を測るのによく使われます。

前置きが長くなりましたが、次回はプラグチェックをしていきます。