ローバーミニ:改めて、DIYでATオイルフィルターを交換してみる。~ゴムパッキン交換とフィルター取り付け編~

前回まではATオイルフィルターケースの取り外しと分解、そして掃除までを行なってきました。今回はフィルター周りのオイル漏れ発生の主な原因となるゴムパッキンの交換取り付けと、新しいフィルターの取り付けを行なって作業を完了させたいと思います。

前回までの記事はこちら。

ローバーミニ:改めて、DIYでATオイルフィルターを交換してみる。~フィルターケース取り外しと掃除編~
前回オイル交換の作業方法について書いてきましたが、今回はオイル交換作業の途中で行うオイルフィルターの交換作業について書いていきた...つづく

フィルターケースとオイルフィルターヘッドの接続部分のゴムパッキンを交換する。この部品がフィルター周りでオイル漏れが発生する主な原因。

改めて言うと、ATのオイルフィルターケースはコップのフチを壁に思いっきり押し付けて中身が漏れないようにしているのと同じ仕組みです。そりゃあちょっと緩むともうオイルが漏れそうな感じがしますよね。笑

そしてコップのフチ部分をしっかり密閉するために細いゴムパッキンを使っているのですが、これは最初に書いたとおりオイルフィルターを購入すると1つ付属してきます。つまり毎回必ず交換してねってことです。そして適切に部品を組み付けられてなかったり、パッキンが劣化したりするとこの部分からオイルが漏れることが多く、フィルター交換においては一番のポイントだと言えます。

まず古いゴムパッキンから外しますが、下の画像のようにオイルフィルターヘッドを覗き込むと外周に沿って黒いゴムが入っているのが見えます。影になっていて見づらいですが指差しているところですね。

ローバーミニのATオイルフィルターケース組み立て

これはズレないようにフィルターヘッド側の溝にしっかりとハマっているので、キリのような尖ったものでブスッと刺して引っ張り抜きます。捨てるものなので強く刺してしまって大丈夫です。手だとゴムをつまめないぐらい溝が狭いので、この方法が一番楽に外せます。下の画像のように引っ張り出してしまいます。

ローバーミニのATオイルフィルターケース組み立て

それと下の画像のようにオイルフィルターの端についていたゴムパッキンがフィルターヘッド側に残っている場合がありますが、新しいオイルフィルターの両端にはゴムパッキンが付いているはずなので、古いものはとって捨ててしまいます。

ローバーミニのATオイルフィルターケース組み立て

次に新しいゴムパッキンをフィルターヘッドに取り付けます。ゴムパッキンはフィルターヘッドのフチに当てておいて、その上からフィルターケースをねじ込めば良いと考えてしまいそうですが、これだとゴムパッキンが浮いたりフィルターケースの鋭利なフチで切れたりしてオイルが漏れます。僕は初めてオイルフィルター交換をした時にこれでゴムパッキンがちぎれてオイル漏れを起こしました・・・。

なのでゴムパッキンはケースをかぶせる前にフィルターヘッドの溝に手でしっかりと奥まではめ込みます。

ローバーミニのATオイルフィルターケース組み立て

フィルターヘッドの溝は思ったより深いので、ここも指で均一に押し込むのは難しいです。さっきの尖ったキリで押すとゴムに傷が入ってしまうので、マイナスドライバーなどでゴムパッキンを1周均一に押し込んでいくのが良いと思います。ここでゴムパッキンが波打っていたりすると後でオイルが漏れやすくなるのでゴムの面が平らになるように意識してください。

ローバーミニのATオイルフィルターケース組み立て

溝の奥までゴムパッキンが入っているのでわかりづらいですが、上の画像が新しいゴムパッキンをしっかりとセットできた状態。ゴムはこれぐらいまで溝の奥に入ります。これでようやくオイルフィルターケースを戻します。

ようやくオイルフィルターケースの取り付け。先ほどつけたゴムパッキンに、なるべく偏りがないようにフィルターケースの位置を決める。

さきほどオイルフィルターまで組み立てておいたケースを、まず下のように中心のボルトとねじ穴を合わせて差し込みます。

ローバーミニのATオイルフィルターケース組み立て

次にケースのフチが先ほどのゴムパッキンに当たるように位置を調整しながら、ボルトを軽く手で締めていきます。フィルターケースのフチはゴムパッキンの入っている溝に収まるのですが、溝の方がフィルターケースのフチより大きくて多少がたつきがあると思います。僕はなるべくですが、この時フィルターケースの位置がセンターになるように手で微調整します。理由はゴムパッキンに均一に当たるほどオイル漏れしづらいと考えており、適当に締めるとがたつきがある分ケースの位置が偏ってパッキンの端っこに力が偏る気がしています。。

ローバーミニのATオイルフィルターケース組み立て

上の画像はフィルターケースが当たる位置を微調整しているところです。あとはフィルターケースをフィルターヘッドに押し付けながら行けるところまで手でボルトを締めてしまいます。これでフィルターケースの位置が決まって動かなくなったら、ソケットレンチに持ち替えて締めていきましょう。

ローバーミニのATオイルフィルターケース組み立て

このボルトの締め付けトルクは19Nmと弱め。僕の持っているトルクレンチだとこれぐらいの弱いトルクは測定できないので、いつも手の感覚に頼って締めています。規定トルク以上に締めようと思うとボルトが結構回るのですが、やりすぎると溝に入っているゴムパッキンが切れてしまうかフィルターケースが力で変形して使えなくなるので締め過ぎはかなり注意した方がいいです。

これでフィルターケースの取り付けは完了。最後にパーツクリーナーを使ってフィルターケースを外したときにオイルが垂れてしまった箇所を綺麗に掃除しておきます。ここが綺麗になっていないと、もしこの後フィルターケースからオイル漏れがあった時に交換時のオイル汚れか漏れによる汚れかわかりづらい状態になります。それとオイルをドバッとこぼしてしまった場合はアンダーガードにオイルが溜まっていることもあります。それによらずオイル交換やフィルター交換をした際にはアンダーガードの上面をなるべくでいいので掃除しておきましょう。

ローバーミニのATオイルフィルターケース組み立て

これでATオイルフィルターの交換作業は完了です。あとはオイルを注ぐだけなので、残りの手順はオイル交換の記事を見てください。丁寧に長く書いたのですごく大変そうに感じるかもしれませんが、ちょっと慣れてしまえばフィルター交換はオイル交換作業+30分もかかりません。MTの人はもっとハードルが低いです。

オイルフィルターを交換したら、念のため次回の走行後にオイルフィルターからオイル漏れがないかチェックする方がベター。

ATの場合はオイルフィルターケースを締め込むトルクが手の感覚だと難しく、オイル漏れの発生しやすい箇所だとも言えます。なのでオイル交換してから初回の走行後、オイルが漏れていないかはチェックしておいた方がベターです。多少滲んできてしまっているようなら増し締めを行います。

まずアンダーガードのスリット(上の画像のようにフロントナンバープレートの下のアンダーカバー前面)から覗いて、ミッションの側面やアンダーガードの前方部分にオイル汚れができているようならオイルフィルターからの漏れを疑います。グリルを外して、オイルフィルターケースとフィルターヘッドの接続部分からオイルが漏れていないか確認します(特に見づらい地面側を指で触ってオイルがベットリつくか見る)。さらにフィルターケースの先端もオイル漏れがないか確認。もしフィルターヘッド側が漏れていたらフィルターケースのボルトを増し締めしておけばだいたい治ります。それでもオイル漏れが続くようなら、フィルターヘッド内のゴムパッキンが切れてしまったか、フィルターケースそのものが歪んでしまっている可能性を疑ってください。

ちなみにフィルターヘッドはミッションケースから生えているというか接続されているのですが、この接続面のガスケットが劣化してオイルが漏れることもあります。以前この修理もしたので、もしこれが発生した場合は以下の記事をご参照のこと。

ローバーミニ:次はオイルフィルター周りのオイル漏れだ!これで終われイタチごっこ。~症状と分解編~

ローバーミニ:次はオイルフィルター周りのオイル漏れだ!これで終われイタチごっこ。~洗浄とガスケット剥がし編~

ローバーミニ:次はオイルフィルター周りのオイル漏れだ!これで終われイタチごっこ。~フィルター交換と取り付け編~

ちなみに上記3つ目の記事だと、オイルフィルターヘッドを分解した状態でフィルターケースのゴムパッキンをはめ込んでいる画像があり、見やすいです。ゴムパッキンの作業で迷ったらこちらも見てみてください。