今回はロッカーカバーとエンジンブロックの間で、オイルが漏れないように密閉する役割を果たすガスケットの交換をしていきたいと思います。使うのはゴム製です。
さてちょっと間が空いてしまいまいたが、OHVエンジンのタペットクリアランスを調整したので最後にロッカーカバーを戻してタペット回りのメンテナンスは終了です。ロッカーカバーを外した状態のまま戻すだけならフタをして2本ボルトを締めるだけですが、そこそこの期間経ったのでロッカーカバーガスケットも交換しておきたいと思います。過去の記事を見てみると前回の交換から3年半ぐらい経ってますね。
前回のタペット調整までの記事はこちら。
今回ロッカーカバー周りのパッキン類を交換するのに購入した部品は3つです。Tバーボルトは趣味なので交換しなくても実害がありません。
- ロッカーカバーガスケット:国産品ゴム製(1,295円)
- ロッカーカバーボルトゴムパッキン:ゴム製(2個で460円)
- ロッカーカバーTバーボルト:金属製(2個で1,080円)
- ガスケット接着剤:コニシボンドG17(160円)
前回はコルク製のガスケットからゴム製に交換しました。そのときはコルクがロッカーカバーのフチにガッツリこびりついて除去する必要がありましたが、今回外したゴムは見た感じ特に割れやヒビといった劣化もなく、ロッカーカバーに挟まれていた部分がちょっと凹んでいる程度。交換する必要はなかったかもしれませんがゴム系の消耗品は予防修理が基本なのでタペット調整ついでに交換しておくことにします。
ロッカーカバーからガスケットをベリっと剥がしてもゴムは全然破れる気配もないですし、なによりコルクの時と違って剥がれないのをマイナスドライバーで引き剥がす作業がないのが楽ですね。もしかしたら剥がれやすかったのは接着剤の接着力の問題かもしれませんが(前回はコニシボンドG17で接着したけどオイル漏れはなし)。
ガスケットにコルクを使って剥がれなくなってしまったときは過去の記事をご参照。
ローバーミニ:ロッカーカバーガスケットを交換する。今回はゴム製。~取り外しと素材編~
ローバーミニ:ロッカーカバーガスケットを交換する。今回はゴム製。~掃除と取り付け編~
このページのもくじ。
ロッカーカバーの掃除と新しいガスケットの組み付けは室内で行ったほうが丁寧に作業できる。
作業は家の中でするので、タペット周りには埃が入らないように大きなタオルなどをかけておきました。それとロッカーカバーを持ち込む前にペーパーでよくオイルを拭いておきます。
今回交換するガスケットもゴム製です。ガスケットはコルクが良いという人もいればゴムが良いという人もいるようですが、オイルが漏れなきゃいいので好みかなと思っています。僕はコルクとゴムを使ってみた結果、次回ガスケット交換する時にきれいに剥がれて楽チンという意味でゴムガスケット派です。心配していた熱による劣化もあまり感じられませんでした。
新しいガスケットは折り目というか曲がった跡がついているようなら雑誌などを上に載せてなるべく平らになるまで置いておきます。
気にならないぐらい平らになったらロッカーカバーに仮置き。ロッカーカバーの内周には内壁が生えていて、ガスケットがタペットなど可動部品がある内側に入ってこないような壁になっています。こういう旧車の部品は何でもぴったりサイズが合うような品質で生産されているとは限りません。よって組み立て前にはいったん仮組みっぽいことはしておいた方がベターです。ガスケットも接着剤塗ってから部品がぴったり合わなかったりすると慌てますから。
今回の部品はぴったり。4箇所ある内壁のヘリに沿うようにガスケットがハマります。それとさらに横から見てロッカーカバーのフチとガスケットが浮いてしまう部分がないか1周見てみます。ロッカーカバーはアルミ製で柔らかいため変形しやすく、特にコルクのガスケットをガシガシとドライバーで剥がした後は若干変形してしまっていることがあります。僕の場合は問題ありませんでしたが、平らなテーブルなどにロッカーカバーをかぶせる向きで置いて、ガスケットを貼り付ける面が隙間なくテーブルの面に設置しているか確認します。変形して浮いているようであればハンマーで叩くかタオル越しにペンチで挟んで微修正していきます。金属ハンマーで不必要に叩くと金属が伸びるのでプラハンを持っていなければペンチの方が安全かもしれません。
ロッカーカバーとガスケットは接着剤を使って固定しておく。ガスケットとエンジンブロックは接着しない。
ロッカーカバーとガスケットがぴったり合うことを確認できたら、その2つを接着剤で固定します。ゴムなので僕が使用しているのはコニシボンドのG17です。液体ガスケットは使ってません。
接着剤を塗る前にロッカーカバーの接着面を脱脂しておきます。僕はいつも化粧水用のスプレーボトルにシリコンオフ(脱脂剤)を入れておき、脱脂したい面に吹き付けて綺麗なペーパーや布で拭きます。
そしたらロッカーカバーのフチに接着剤を塗るのですが、フチの面は窪みが1周入っているので、それに沿ってボンドを盛るように塗っていきます。密閉製を高めたいので薄く塗り伸ばしはせず、盛っておいたボンドがガスケット面と接地する際に潰れて密着するようなイメージです。
それとG17の箱にも書いてあるのですが、ロッカーカバーの接着面だけでなく、ガスケットの接着面にも接着剤を塗って数分乾かして粘度を上げてから2つを接着します。ガスケットの方がサイズがでかいので、ロッカーカバーのフチからはみ出る部分は接着剤を塗らないように注意です(ちょっとはみ出しちゃいました)。
接着時は裏返しのロッカーカバーにガスケットをそっと乗せるように合わせたら無闇に指で圧着したりせず、平らなテーブルにガスケットを下にしてそっと置いたら雑誌を1冊ぐらいかぶせておきます。これでガスケットが平らに接着されるのと、重みで良い感じに盛った接着剤が潰れて隙間がなくなります。
あとは乾くまで放置しておきます。これでエンジンにカバーを戻す準備は完了です。
ロッカーカバーの固定ボルトをオシャレなTバーにしてみる。それとゴムパッキンは劣化しているので交換だ。
ロッカーカバー回りにおいてゴムパッキン部品は2種類あって、ガスケットともうひとつはロッカーカバーを固定するボルトについているゴムパッキン。これもかなり劣化していて(前回ガスケット交換時にこれは交換しなかった)、今回新しいものに交換します。まぁロッカーカバーの天井についているゴムパッキンなのでガスケットのようにオイル漏れにシビアな感じはしません。劣化してもここからオイルが漏れることはありませんでした。
もちろん密閉するという目的もありますが、このゴムはロッカーカバーをエンジンブロックに押し付ける圧力をコントロールする役割もあるかと思います。締め付けが緩いとロッカーカバーガスケットの部分からオイルが漏れますし、キツく締めすぎるとロッカーカバーが変形して戻らなくなります。このボルトとカバーの間にゴムのパッキンが入っていることでそれをある程度緩衝してくれるんじゃないでしょうか。
上の画像で見ると古いパッキンはぺしゃんこです。千切れるようなことはないですが、熱で硬くなってますし端は潰れています。新しいパッキンと比較するとそもそも形が全然違いますね。
注意することがあるとすれば、ボルト周りの組み合わせ順。順番はボルトにまず径の小さな厚手ワッシャーというかスペーサーを入れ、次に皿状の大きなワッシャーを入れ、パッキンを入れます。皿状のワッシャーはお皿で言う表面がパッキンの方向を向くように、そしてパッキンは突起がある向きがロッカーカバーを向くように差し込みます。
そして今回、ほんとなんとなくなんですがロッカーカバーのボルトを通常の六角ボルトからTバーボルトに交換しました。Tバーは手でグッと締められるようになるもので、工具なしですぐ開け閉めできるようになります。ただ実際はトルクレンチが入らないのでトルク管理もできず、頻繁にロッカーカバーを開け閉めしたってガスケットがダメになっていくだけなので何も良いことはありません。ただオシャレ、ただ良い雰囲気がするというそれだけです。
思えばつゆだく(うちのローバーミニ)は内外装には随分手が入っていますが、エンジンルームについてはしっかりメンテナンスしてコンディションは自信があるものの、いわゆる改造部品は全く入っていません。性能が上がるものも見た目がオシャレになるものも一切導入していません。
なので今回のロッカーカバーのTバーボルトは、初めての(ただ見た目だけの)改造ということになりますね。笑
次回は最後のロッカーカバー取り付けと試走編、これでようやくタペット調整とロッカカバー周りの消耗品交換は終了です。