なんとこれまで全くオーバーヒートしたことない我が家のインジェクションのローバーミニがクーラントを噴いてしまいました。今回はオーバーヒートの原因を分析していきます。
これまでの所有期間や走行距離のわりに、困ったトラブルはかなり少なかったつゆだく(うちのローバーミニ)。以前長距離通勤でも使っていましたが、その間に走行不能になったのはクーラント漏れぐらいですね。その時も運良く家にたどり着く直前だったようで、道端での立ち往生はせずに済みました。それ以外にはハブベアリング破損があったものの、これも自走で帰宅。
しかし今回なんとオーバーヒートを起こしてしまい、3度目の走行不能系トラブルが出てしまいました。。
このページのもくじ。
まさかのオーバーヒート。しかも家まで着いてから気づくという、いつからヒートしてたのかわからない状況。
夜とはいえ夏の暑い中、高速からの一般道で帰って来たのですが家に着いたらフロントからグツグツという沸騰音が。。「これはまさか」と思ってボンネットを開けたら目に入ったのは飛び散ったクーラント跡と噴き出る水蒸気、そしてこれまでつゆだくではなかったエンジンルームの熱。やっちまったという感じですね。。
めちゃくちゃ運の悪いことにたまたま運転は嫁、僕は助手席でイヤホンつけて電話してたんですよね。もしかしたら僕がステアリングを握っていたら水温計に気づいたかもしれないし、イヤホンをしてなかったら信号で止まった時にグツグツ音に気づいたかもしれません。
まぁ後悔しても仕方ないのですが、問題はいつからオーバーヒートしたまま帰って来たのかわからないということ。ただ水蒸気がまだ吹き出してるのでクーラントゼロになるまでずっと走って来たわけではない気がするのと、高速を降りてからも夜で道は空いていたので、ある程度は空冷で走ってこれたのかもしれません。いずれにせよ良くないことではあるのですが、ひとまずエンジンルーム内を目視した感じ何かが熱変形してるわけでもなさそうです。
夜だったのでとにかくエンジンを冷ましつつ一晩置いておくしかありません。
ローバーミニとはいえ、インジェクションミニはこれまで通勤に使っていてもオーバーヒートしなかったのに。その原因とは。
何が原因でオーバーヒートしたのか考えてみます。オーバーヒート、つまり冷却が追いつかなくなる原因は色々ありますが、事象は大きく5つに分けられると思います。
- クーラント(冷却水)漏れなどによって液量が減りすぎ、循環が悪くなった
- サビなどでラジエーター内が詰まり、クーラントが循環しなくなった
- サーモスタットが作動しなくなり、クーラントが循環しなくなった
- クーラントを冷やすためのファン(扇風機)が作動しなくなり、クーラントの冷却力が低下した
- そもそも熱の発生量が冷却能力のキャパシティを超えた
上記のうち4はもう仕様の問題です。笑
ローバーミニは設計が古いので昔の車のようにオーバーヒートしやすいと言われ、一般的に夏場は気を遣って乗るべきと言われます。走っているうちは走行風が入ってくるのですが、危険なのは夏の渋滞のように風が入ってこない状況。さらに飛ばした直後だったり、エアコンを回した状態だったりするとさらに熱を持ちやすくオーバーヒートしやすい状態になります。
今回は家族4人フル乗車でエアコンつけて、高速でメーター覗いたら120km/h出してるのが見えたので嫁の運転のせいだと思ったのですが、どうやらそうではなく故障と思われます。これまで真夏に通勤で渋滞巻き込まれたりしましたけど、一度もオーバーヒート気味になったことはありませんでしたし。
今回の原因調査は暖気をしながら消去法で探っていく。答えは冷却ファンの動作不良っぽい。
ということで翌日エンジンが冷えた状態から故障を疑って調査します。
まずはラジエーターキャップを開けて中を確認。もちろん噴いた分だけクーラントは減っているので中の網部分が見えてしまっています。ただしサビなどの詰まりはない状態ですね。もちろんローバーミニ乗りの嗜みとして日々こまめにラジエーター内のクーラント残量もチェックしており、量が減っていくことは全くなかったので最近までは漏れなしです。ということは急にどこかが決壊して大量のクーラントが漏れ出たのでしょうか・・・
状況を確認するにはエンジンをかけた方が良さそうなので、とりあえず水道水をラジエーターに満タンまで入れて暖気します。ここでエンジン近くで耳を済ませてみますがヤバイ音はしません。ということはたぶんエンジン内部はダメージ無いのではないかと推察(オーバーヒートもひどいと熱で金属部品が曲がったりするらしい)。
そして次第に水温計が上がっていきますが、適温でピタリと針は停止。この水温計は適温付近での多少の温度変化は無視して”適温”を指差すらしいので、適温で止まったからといって安心できません。そのまま暖気していきます。
車体下をのぞき込んでもクーラント漏れはなさそうです。ちなみにクーラントは熱くなるとラジエーター内部気圧が高まり漏れやすくなるので、漏れチェックをするときは圧力が逃げないようにラジエーターキャップを閉めた状態で暖気して確認します。水はオイルと違って漏れるとボタボタ垂れるのでわかりやすいはず。つまり1のクーラント漏れは除外できそうですね。
タオルでラジエーターキャップをつかんで開けると(本当はクーラントが熱いうちは開けると危険なのでNG)、水道水で透明だったラジエーター内にも、補充前に残っていた緑のクーラントが回ってきています。おそらく循環できているということだと思いますが、なんかバシャバシャと循環している感じじゃないかも・・・循環していればサーモスタットも大丈夫なはず。つまり2、3の原因でもなさそうですね。
で、暖気を続けていたのですが、次に回るはずのファンが回ってきません。純正だとラジエーター下部の水温が約93℃を超えた場合にファンが回り始めるそうですが、反応ないですね。水温を測りながら確認するのがベストですが、食品用以外の水温計が手元にないのでとりあえずエアコンをつけて負荷をあげてみます。真夏の昼間+暖気(渋滞と同じ)+エアコン負荷で問題なければ基本的に大丈夫なはず。
ところがファンが回る前にグツグツとクーラントが沸騰してきてしまいました!上の画像は泡立ちながら水位が上がってきたので沸騰する瞬間です!ということは、
「4.クーラントを冷やすためのファン(扇風機)が作動しなくなり、クーラントの冷却力が低下した」
というのが今回の原因のようですね。噴き出してしまった後は慌てて拭いても火傷するだけなのでエンジンを切って落ち着くまで待ちます。噴き出すと一気にクーラントも減ります。噴き出す手前で止めるつもりだったのですが、沸騰が始まると一瞬で噴き出すところまで行ってしまうようです。失敗。
ちなみに以前はサーモスイッチのコネクターが外れているという謎の凡ミスにより電動ファンが回らないという寒い事件もありました・・・
ローバーミニ:オイル漏れも直ったところでオイル交換。あれ、ファンが回らない。~前編~
ローバーミニ:オイル漏れも直ったところでオイル交換。あれ、ファンが回らない。~後編~
次回は冷却ファンが回らない原因を探っていきたいと思います。