先日フロントの足回りの作業をするにあたってジャッキアップをする前、ガレージの床にオイル漏れがあることに気付きました・・・。ポタポタっという感じではなく、ちょっと水溜りみたいになっています。
これぐらい漏れていると要修理なレベルですね。再度エンジンを回して油圧がかかると、またこのペースでさらに漏れ続けると思われるので基本的に走行しない方がいいです(道路も汚れますし)。
とりあえずリジットラックに乗せてフロント足回りの作業をしていたのですが、数日間乗せっぱなしにしておくと下の画像のようにエンジン後ろあたりに水溜りができるようになりました。おそらくエンジンを掛けなければオイルがさらに漏れる感じはなく、前輪を上げたことでアンダーパネルに溜まってしまっていたオイルが流れ落ちてきた模様。ガレージが汚れるから何か敷いておけばよかった・・・
まずはどこからオイルが漏れているのか特定しないといけないですね。
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ジャッキアップだとオイル漏れの原因箇所を見づらい。アンダーカバーが邪魔をしてオイルの滴る位置がわかりづらい。
DIYではクルマをリフトに乗せて車体裏をゆっくりと見て回るということは難しいです。なのでまずはジャッキアップ、そして必ずリジットラック(ウマ)に乗せ、寝そべって車体裏側を覗き込むことになります。
ここで邪魔になるのがアンダーガード。アンダーパネル、アンダーカバー、エンジンガードとも呼ばれるかもしれません。ミッションの下に厚めの金属板がセットされていて、これがあることで最低地上高の低いローバーミニのミッションを守ってくれています。轍が深い道でサスペンションが沈むことがあると、このアンダーガードがガリっといきます。
でもオイル漏れの原因特定においては邪魔になる存在です。エンジンルームから滴ったオイルはアンダーカバー上に溜まりやすく、垂れた量が多いと平たく広いアンダーカバー上で薄く広がってしまうので、どこから滴っているのかわかりづらくなります。
またアンダーカバーに溜まったオイルはカバーの端のどこからか地面に垂れます。パッと見てエンジン左側の地面にオイルが落ちているからといって、エンジン左側のオイル漏れとは限らないということですね。
まずアンダーカバーのどこにオイルが溜まっているか見る。それでわからなそうならアンダーカバーを外して調査。
今回パッと見で原因がわからなかったのでアンダーカバーを取り外します。取り外さないとミッション裏などは見づらいからです。ちなみにアンダーカバー前部にオイルが溜まっているようならエンジン前(つまり車体前方向)のオイルフィルター周りの可能性があるので、グリルを外すとチェックができます。今回はエンジン前方向はオイルが付着していないので可能性としては除外です。
(過去のオイルフィルター周りのオイル漏れ修理はこちら)
ローバーミニ:次はオイルフィルター周りのオイル漏れだ!これで終われイタチごっこ。~症状と分解編~
仕方がないのでアンダーカバーを外していきます。純正のアンダーカバーは4本のボルトとナットで固定されていて、下の画像で見づらいのですが確かナットサイズは1/2インチ。アンダーカバーはサブフレームの裏に固定されているのですが、リジットラックをかける時にアンダーカバーの上にかけちゃうとボルトを抜いてもカバーが外せなくなるので、リジットラックをかける位置は注意が必要です。
まず後ろから緩めていきます。厄介なのがボルトの締める先がねじ穴ではなくてナットなので、一緒にグルグル回ってしまうんですよね。さらに厄介なのがロワーアームのシャフトが邪魔で上のボルトの頭にメガネレンチが入りません。なのでスパナが必要です。持っていたモンキーレンチも厚さのあったのでスペースに入らず、都合が良い工具がなかったのでペンチで掴みました。
上側がボルト、下側がナットになっているのですが、ナットを外し切ってしまうと後でアンダーカバーがガタンと落ちてしまうので、外れるギリギリぐらいでナットを残しておくのがよいですね。
続いてフロント側。ここは奥深くにあるのでエクステンションで長さを延長して外します。ここも作業しづらいことにボルトの受けがナットなので、ボルトとナットが供回りし始めたら工具を持っていない方の手を突っ込んで、サブフレーム裏側のボルトの頭を抑えて回します。
オイル漏れ箇所を探していきながら、エンジン周りをクリーニングしていく。エンジン周りが綺麗だと漏れた時に箇所がわかりやすい。
オイル漏れ箇所の特定をしづらくする要因が他にもあります。それは蓄積した汚れ。なるべくエンジンルームやミッションボックス、アンダーパネルは綺麗な状態にしておくと、いざトラブルが発生した時に、特にオイル漏れは漏れた箇所が見つけやすくなります。全般に汚れてしまっていると、漏れた時に今回の汚れなのか何なのか見づらいんですよね(あと車検の時に検査官の印象が良い、つまり検査の目が厳しくなりづらいという噂も)。
まずは外したアンダーカバーの掃除から。底面は汚れていますがフロント側の側面は汚れていないですね。
基本的にはパーツクリーナー(ブレーキパーツクリーナー)を拭いて汚れを浮かせ、厚手のペーパーで拭き取る作業をしています。こびりつきがひどいとこれでは落ちませんが、定期的(こういったオイル漏れ修理をしたりといったタイミング)にクリーニングをすることで、こびりつく前にある程度の汚れを落とすことができます。
続いてATリンケージカバーを外します。ここはオイル交換をする際、ドレンボルトにソケットをはめる際に邪魔になるので毎回外しているカバーです。
毎回外しているので、これまでずーっと継続して多少のオイルが垂れていることは認識しています。でも量が少ないのと、ドカっと増えないので黙認していました。じわじわ増えていきている気もしますが、ここが今回の原因かどうかはなんとも言えないですね。
で、ミッションをフロント側から覗き込んでみます。やはりミッション前方はきれいなのでオイルフィルター周りではないですね。ただドレンボルト側を中心にミッション底側(地面と並行の面)はオイルで濡れています。どこから垂れたのかは定かではありませんが、面を伝って広がっちゃっていますね。
ドレンボルトの付け根から滴っている気がします。ドレンボルト以外の周りがまったくオイルで濡れていなかったらドレンボルトが原因くさいのですが、ちょっとなんとも言えないですね・・・
いったん車体右側側面にあるドレンボルトと、ATリンケージ周りが濃厚な容疑者です。ここまで確認したら底面とATリンケージ周りの側面はクリーニングしました。クリーニングはブレーキパーツクリーナーをざっと吹いて、厚手の綺麗なペーパーもしくはタオルで拭いてきれいにします。汚れが落ちなければ2-3度は繰り返して落ちるところまで掃除します。
次にエンジン左側。茶色いのはガスケットの接着剤なのでオイルではないです。非常に紛らわしい色をしていますが問題なし。
左側は無罪放免ですね。特に汚れてもいないようですが一応クリーニングはしておきます。
僕は極力車体下に潜らないが、ミッションの後ろ側は車の下に潜らないと見れない。
続いてミッションの後ろ側。極力車体の下に潜らない僕ですが、ここは頭を突っ込まざるを得ないですね。あとはスマホでフラッシュをつけて撮影したものを確認する方法もありますが、ざっとスマホで概要をチェックして、最後には頭を突っ込んで詳細確認をしています。
リジットラックだと空間が狭いので全体を映して撮影はできませんが、下の画像はシフトボックスの真下です。エギゾーストパイプを見たかったのではなく、リンケージ(太いパイプの奥にある棒)の構造をしっておきたかったというところ。
MTだとシフトの付け根から直接ミッションボックス後ろ側にリンケージがブスッと接続されており、そのミッションボックスの付け根がオイル漏れ発生ポイントだったりするようです。ただしATはワイヤーが下の画像のようにエギゾーストを避けて伸びてきていて・・・
先ほどの車体右側のドレンボルトの上に接続されているわけですね。ATのシフトをいじるとワイヤーを伝ってミッションに伝達される仕組みになっているわけです。
こうして一通りぐるっとミッションボックスを確認してきたのですが、実は以前もらい事故の修理でショップに作業してもらった際、このリンケージ部分からのオイル漏れを指摘されていました。諸々の作業完了後に言われたのでおそらくそれほど重症ではないということだったのでしょうが(すぐ修理した方がいい内容なら引き渡し前に言われるはず)、今回のオイル漏れでは最も怪しいと思っていたポイントです。
上の画像は先ほどクリーナーを使ってしっかり掃除したのできれいな状態。とりあえず容疑者の1人であるドレンボルトは増し締めをしておきます。そして容疑者その2であるリンケージ部分にきれいな厚手のペーパーを詰め込んでおき、もしここから漏れるようなら原因の箇所にオイルがつくはずなので特定できるはずです。これで数日放置します。
残念ながら結果としてペーパーがオイルで濡れることはなく、またその後タイヤを履かせて走行もした(高速含めて走った)のですがオイル漏れが再現することはありませんでした。もしかしたら高負荷で走行しないと漏れてこないのかもしれないですし、ドレンボルトが原因で増し締めしたことで治ったのかも。なかなかピシッと原因特定して根本治療ができないこともありますが、DIYなので少しずつ状況改善していき、様子を見ては問題があれば対応するの繰り返しです。ショップ任せだと何度もショップに連れて行かなければならないこともありますが、ちょくちょく作業できるのはDIYのいいところですね。
まぁいずれにせよ症状が出なくなったら、クリーニングもできたしヨシとします。ATリンケージのオイルシールはそのうち交換しなきゃいけないですね。