フロントのアッパーアームとスプリングをつなぐハイローキットとの接続部分、このナックルジョイントをカバーしているナックルジョイントブーツが破れてしまったのでDIYで交換する作業手順を書いていきます。
さてー。先日見つかったフロント周りの修理が必要な箇所のうち、一番大変なやつに取り組みたいと思います。それがフロントハイローキットのナックルジョイントブーツ。つまりちょっとしたゴム部品の破れです。
ちょっとしたゴム部品の破れであるにもかかわらず、ハイローキットにあるナックルジョイントブーツの交換作業はめちゃくちゃ面倒です。この部品を交換するまでに周辺部品の分解作業がかなり手間がかかるからです。
まず破れてしまっているナックルジョイントブーツの状態についておさらいから。
裾がベリっと一周破れてしまっていますね。ゴムなので消耗品に該当するのですが、さすがに1.5年程度で破けるとは酷い品質です・・・。こんなふうに破れてしまうと、タイヤが巻き上げた砂がグリスに入ってしまってナックルジョイントが傷まみれになったり、グリスが乾燥してしまうことでやはりナックルジョイントが痛みます。
このページのもくじ。
■高くても国産ゴム部品を使え。いいからJapanを信じて国産品を使え。
この交換部品自体は高い物ではないのですが、なんせフロントは交換作業が面倒です。以前にも書きましたが、交換作業がめちゃくちゃめんどくさいところにあるゴム部品は、交換頻度を下げるためにその品質に妥協をしてはなりません。つまり高くても国産部品を買って使えということです。
自分でDIY作業すると”めんどくさい”という感情がメインかもしれませんが、基本的にショップにメンテナンスを依頼している大多数の人からすると、結果としてメンテナンス頻度が高くてコストが高くつきます(そして旧車に疲れて手放してしまう)。こんなのほぼ工賃ですからね。それでも結構作業が大変なので、工賃が高くつくのはショップとしてもやむを得ないところ。だとすればその頻度を落とすことが結果的に安く維持するコツなのかもしれません。
ま、それはさておき僕の場合は基本的にDIY作業なので分解していきましょう。めんどくせーと言いつつ、つゆだく(ローバーミニ)を腰据えて弄る理由ができてわくわくします。笑 まず改めてよく状況を見てみます。
最近ハードに走っていたことによってバンプラバー(ショックアブソーバーの底突き防止ゴム)が当たった跡がありますね。アッパーアームの土台箇所に上から生えている丸いコーンが当たった跡が丸く残ります。これはつまり、
- 車高が低すぎる(直進時の段差超えでサスが深くストロークしすぎる)
- ロール耐性が弱すぎる(高速でコーナーに入った際に片側が沈みすぎる)
これまでは底突きしなかったので後者ですね。走り込むときはもう少しアブソーバーを強くした方が良さそうです。ちなみに僕のショックアブソーバーは14段階減衰力調整式のSPAXアブソーバーです。これを高めることで初期入力(コーナーや段差で受けるタイヤの沈みの初期応力)を否すことができますが、ゴツゴツした感じで乗り心地は下がります。
ただコーナーを曲がり続けている中で最終的にコーナー外側のサスペンションがどれぐらい沈むかは、ショックアブソーバーの調整よりはスプリングの硬さによります。今は柔らかいスプリングを履いているので、この辺りは硬いものに交換するか悩ましいところ。でも普段の乗り心地はめちゃくちゃ良くなったので、家族で乗るにはいい感じなんですよね。
■ナックルジョイントを取り外すための隙間を作る。まずは目に見える箇所の取り外しから。
ひとまずハイローキットの下端、ナックルジョイントが引っ張り出せるようにする必要があります。なので分解して隙間を作っていきましょう。詳しい作業は過去記事をご参照のこと。
ローバーミニ:フロントサスペンションをスプリングに交換する。~リバウンドバッファを外してハイロー分解編~
まずはショックアブソーバーとリバウンドバッファを外していきます。
ショックアブソーバーはともかく、リバウンドバッファはそのままでは外れません。フロントハブというか足回りがその重さでリバウンドバッファを潰しているので、いったんハブを持ち上げて隙間を作ってから外します。(ウマをかけている前提で)ジャッキでハブを持ち上げます。
ブレーキディスク周辺の金属カバーは柔らかいので持ち上げたらひん曲がりますよ!なのでフロントハブの下端ボルトあたりにジャッキをかけます。持ち上げるとリバウンドバッファに隙間ができるので、プラスドライバーで外しておきます。これによってアッパーアームがより低い角度まで下がるようになります。
その後さらにショックアブソーバーも外します。これを外すとアッパーアームの可動域が広がります。下端から外していきますが、この後の作業で邪魔なので、僕は上端も外してよけておきました。
■ハイローキットはサスペンションのコイルスプリングのつっかえ棒。最大限短くするけど・・・。
ショックアブソーバーの下端ボルトまで抜いたのがこの状態。随分ハイローキットとアッパーアームのジョイント接続部に隙間ができましたが、全くナックルジョイントの接続部が抜ける気配はありません。もっと隙間を広げる必要があります。
とりあえずハイローキットというのはコイルスプリングまでの突っ張り棒みたいな物なので、最大限短く調整します。これでさらに隙間を作ろうという寸法です。
ハイローキットというのはそのボルトを閉めていくとサスペンションスプリングとの突っ張り棒が短くなっていき、そのテンションが開放されていきます。固定用のナットを緩めると、その軸自体を回転させることができて長さ調整が効きます。詳しくは過去記事をご参照のこと。
指差しているのが固定用のナット。これを緩めるのですが、元の長さを把握するためにマッキーで印を入れておきます。これを何回転させて弛めたのかを記録しておけば、また元の車高に調整するときに迷いません(車高調整はいちいちタイヤを履かせて地面に下ろし、その沈み具合を見るので手間がかかる)。元の回転数だけ戻して固定すればいいだけです。
ただしこれだけではナックルジョイントは外れませんでした・・・後半に続きます。