ステアリングにガタ付きがあることがわかったので、今回はDIYでフロントタイロッドエンドを新品に交換する作業手順を書いていきます。デルファイ製の新品に交換することでボールジョイント部のガタ付きを解消することが目的です。
前回はタイロッドエンドとハブの接続部分をタイロッドエンドプーラーで取り外し、固着したタイロッドとタイロッドエンド接続部分にラスペネ(固着を取り外すための浸透液)を吹いたところまで書きました。
今回は交換作業を完遂したいと思います。前回の記事はこちら。
このページのもくじ。
■タイロッドエンドは緩める前に元の位置にマーキングしておく。
ラスペネを吹いたら5分ぐらい待ってからリトライ。下の画像のようにタイロッドエンド側を大きなモンキーレンチ(大きめのパイプレンチの方が力が入る)、固定用ナットをスパナで掴んで両手で回します。
上の画像は緩まった後に撮ったのでタイロッドエンドがハブ側と外れていますが、ハブにボルトを差し込みナットで軽く止めておいた状態で作業をする方がいいです。なぜかというと2つのレンチを両手で持って力を入れようとすると、タイロッドエンドをハブから外しているとブラブラして力が入りづらいからです。
ボールジョイント部をハブに仮止めした状態でタイロッドエンドをモンキーレンチで押さえ、ナット側を回して緩めるような形が良いと思います。このあたりネット上で情報集めようとすると、みなさんサラッと固着もなく外す努力もなく外れているので、およよ・・・と思っておりました。笑
それと元々のタイロッドエンド固定位置がわからなくなってしまわないように、最初に白ペンなどでナットとタイロッドの現在位置をマーキングしておくのが一般的です。いったん緩んだら、ナットの位置は元のマーキング位置から変わらないようにしてタイロッドエンド側だけを回して外します。
念のため外れるまでのねじ山数(タイロッドエンドを回した数)を記録しておきます。今回は右が11.5回転。左が10.5回転です。
同じタイロッドエンドを再度取り付けるなら必須です。ですが僕のように交換で他社製品に替える場合は、参考程度にしかなりません。理由は後ほど。
■外したタイロッドエンドは手でジョイントを容易に動かせるので交換時期。
外したタイロッドエンドを手でグリグリ動かしてみます。かなり固くて「これで動作するのか!?大丈夫なのか!?」と思うぐらいが正常です。それほど力を込めずに動けば緩くなってきていて(右タイロッドエンドはこれ)、軽く動いちゃうぐらいだとガタが大きい(左タイロッドエンドはこれ)ぐらいの感覚かと思います。
両方とも交換時期なのは確かですね。
あとブーツも確認しておきます。回転部分ではないですが破れやすいポイントです。今回は特に破れなし。僕がオーナーになってから一度も換えていないのでVALTAIN製は信頼できそう。
それとこのタイロッド(棒)を掴んで奥手前方向に揺すってみると、やっぱりわずかにガタがあるんですよねー。小さくカタカタ言うぐらいにはあるので、タイロッドエンドだけじゃなくタイロッドそのものも交換が必要かもしれません。ステアリングからハブまでに経由する部品たちのガタつきの合計がステアリングガタとして現れます。
なのでタイロッドエンド交換だけで気にならなくなればいったん部品交換はここまでとしますが、まだ気になるならステアリングラックそのものを交換することにします。
あ、このときタイロッドエンド固定用のナットは回さないように注意です。
■別メーカーのタイロッドエンドに交換するときは、ねじ込み部分の長さが変わるので要注意。
今回新しく使用するのはDELPHI(デルファイ)製のタイロッドエンド。良いか悪いかはわかりませんがメジャーな製品なのと価格も安価です。Amazonでも片側¥2,150で手に入るみたいです。
ハブに固定するためのナットもセットでついているので、ナットもついでに新しいものに交換しておきます。製品を取り出したのが下の画像ですが、タイロッドエンドブーツ(ゴム製のカバー)の上下両方に浮き防止のロックワイヤーがかかっていますし、なんかまぁ良さそうな雰囲気です。
これを取り付けるのですが、最初にチェックしておくべきことがあります。それは元々取り付けていたタイロッドエンドとの長さの違い。ハブと接続するボルトの中心同士で合わせると、タイロッド側の固定部分の長さが2~3mmぐらい長いですね。
これはつまり同じトー角を維持するために、タイロッドに残っている固定用のナットの位置が2~3mm奥に行く必要を意味します。今回は目検ですが3回転ナットを奥に回してから、その位置に向けてタイロッドエンドを差し込みました。つまり右前輪のタイロッドエンドは元の10.5回転+3回転です。
あ、タイロッドエンドを差し込む前にいつも通り、固着防止のスレッドコンパウンドを塗っておきます。
ラスペネとスレッドコンパウンドを持っていれば次回メンテナンス時に固着で悩まされることはありません。
タイロッドエンドを定めた位置までねじ込んだら、タイロッドエンドを回さないようにして、固定用ナットを回して共締めで位置を固定します。
それとタイロッドエンドのボルトをハブに差し込んで、新しいナットを締め込んだらタイロッドエンドの交換自体は終了です。ここの締め付けトルクは3.0kg-m(30Nm)でトルクレンチを使って締めます。
左右とも交換したらハブを掴んで揺すった感じのガタはやや減ったかなという印象。なのであとはタイヤを下ろして運転してみないとわかんないですね。ちなみにまだフロント足回りだと、ナックルジョイントブーツとテンションロッドブッシュの交換が残っているので、試走はもうちょっとお預けです・・・