前回の続きで、左側のアッパーアームを組み上げます。
このページのもくじ。
■シャフトが貫通したらフタをする。その前に・・・
先ほどシャフトの両側を金属円盤で挟んで固定すると記載しました。先ほどシャフトを差し込んだサブフレームの大きな穴は、この金属円盤とぴったりの径になっていて、シャフトを貫通させた後に左から金属円盤をぴったり押し込むと、これが軸受けになります。言葉で書くとわかりづらいですが・・・
部品についてはアッパーアームの部品を分解清掃して並べた画像を以前の記事で掲載しているので、それでどの部品のことを指しているか確認できます。
これでアッパーアームの回転軸がブレることなく、スムーズに回転するようになるのです。「ようやくここまで来たか!」とテンションが上がって、すぐにこの車体前方方向を軸受けプレートで固定したい衝動にかられます。脳内ではB’zの衝動が流れ始めます。
でも僕がここで学んだこと。これめちゃ重要です。以前分解時の記事で”左前のアッパーアームシャフトを固定する両端のボルトのうち、車体後方側(上の画像でいうと右側)のボルトはボディと干渉してナットが外れるスペースがない”と記載しました。冷静に考えると、この時点で若干シャフトを車体前方側に抜き気味にして、車体後方側のナットを軽く留めてしまえば、このスペースの問題はないのです・・・ああ愚かなり。なぜ分解時に無駄なパワープレイまでしたのか・・・
そう、上の画像の通り車体後方側はボディにナットがぶつかってしまうのですが、車体前方側がまだ固定されていなければ、少し車体前方側にシャフトをずらせばナットなんていくつも入るのです。笑
僕はB’zを口ずさみつつ、勢いよく車体前方側を組み上げてからこのことに気づいたので・・・全て分解してやり直しました。。
■取り付け時の鬼門。手のほとんど入らないスペースで小さなボルトに苦戦する。
さて車体後方側のナットが入れられたら軽く締めておき、車体前方側の菱形軸受けプレートを取り付けます。これで大きな丸穴をフタをすることで、金属円盤とシャフトが抜けないように固定されます。
とりあえず固着防止でスレッドコンパウンドを塗っておきました。このプレートは両側が破損していたので、今回丁寧に取り付けて変な負荷がかからないようにしておかねば・・・
車体前方側からこのプレートをシャフトに通したら、まずプレートをサブフレームに固定するボルト(菱形の端にある2本)から固定していきます。なんせエンジンルーム側に手が入るスペースがなさすぎて、プレート奥側の固定箇所が取り付け時に一番苦労しました。何度ボルトを落としたかわかりませんが、指先でそっとボルトをつまみ、反対の手でナットをつまみ、狭い隙間に手を突っ込んでなんとかねじ山が噛むまでボルトを回すわけです。めちゃ狭い。。
余裕なさすぎて画像はプレート奥のボルトが固定できたところからですが、その後手前のボルトを固定します。こんな感じでソケットで両バサミにして固定するわけですが、車体前方側はメガネレンチでなければスペース的にボルトの頭を掴めないかもしれません(ソケットだと工具に高さがあるため)。トルクは明確にわかっていないのですが、破断するレベルで力がかかるのでしっかり固定しておきます。ちなみにアッパーアーム軸受の菱形プレートのボルトは7/16インチです。
■疲れてきた・・・ようやく最後シャフトの両端ボルトを締める。
この金属プレートさえ固定できればゴールが見えてきました。下の画像は車体前方側からカメラを突っ込んで撮影したところ。
菱形の両端にあるボルトが固定され、シャフトが抜けないようになりました。あとはシャフトの太いボルトを固定するのみです。
ちなみに横から見るとこんな感じで金属プレートがサブフレームにぴったり固定される構造になります。金属プレートの穴はもとのサブフレームの穴より径が小さいので、シャフトのネジ部分は通っても、金属円盤とシャフトそのものは引っかかって抜けてこない構造になっています。
さらにロックワッシャーとナットを取り付けて締め込みます。アッパーアームのシャフト両端の取付ナットは3/4インチで7.3kg-mですね。両側締めたら完成なので、アッパーアームを手で持ち上げてスムーズに上下するか確認しておきましょう。バッチリスムーズに可動しました。
そして肝心のスプリングが入るかどうか確認。この方向では入らないですが、スプリングを斜めにすると入りました。
ちなみにリバウンドバッファーは外している前提です。でないと上下方向のスペースが狭いので・・・
■スプリングとハイローキットをセットする。
スプリングが無事入ることを確認して(ここで入らなかったらどうするねん)いよいよ本来の目的であるスプリングをセットします。先に手順をザッと説明しておくと、事前にショックアブソーバーの上端を固定してぶら下がった状態にしておきます。スプリングを適当にサブフレームに押し込んでおき、一番縮めておいたハイローキット(ストラットとナックルジョイント)をセットしたら、ショックアブソーバーの下端を固定しスプリングとハイローが落ちないようにします。
サクッと書きましたが初めて作業した僕は結構大変でした。笑
まずショックアブソーバー。これは手で最大まで伸ばしておいて上端をサブフレームに固定するだけ。ナットサイズ等は取り外し作業を参照。
次にスプリングですが、念のためスプリングの上下接地面にウレアグリスを塗っておきます。ギィギィと軋み音がすると嫌だなという気休めの対策です。スプリングはあとで位置調整をするので、とりあえずラバーコーンがあったスペースに突っ込んで片手で持っておきます。
そしたら反対の手でハイローストラットとナックルと持ち、スプリングにしっかり位置を合わせながらラバーコーンが収まっていた位置まで持ち上げて天井に押し付けます。押し付けないと落ちてくるしズレるからです。スプリングはサブフレームの天井まで手を突っ込んで納まりの良い位置に調整します。
そのまま片手でナックルを持ち、天井に押し付けながらアッパーアームのナックルジョイントを入れる穴にセット。あとはスプリングとハイローがずれないようにアッパーアームを上方向に押し上げて保持しておきます。
ここで(たしか)ショックアブソーバーの下端とアッパーアームを接続するはず。ハイローキットによって異なるかもしれませんが、最も短くしておくとショックアブソーバーと接続してもハイローの長さが足らずにスプリングがガタガタで隙間だらけかもしれません。そうするとせっかく決めた位置がずれるので、ショックアブソーバーの下端と高さが合うようにハイローの長さを長くします。高さが合ったらそのままショックアブソーバーの固定ボルトを通してしまえば、スプリングがずれることはないはず。
ここまできたらようやく手を離してOK。ストラットとアッパーアーム接続部分のナックルゴムカバーが、しっかりとカップに固定されているか確認しておいてください。
画像が少なくて説明がわかりづらい?いやそんな両手使って必死なのに撮ってる余裕ないですから。笑 反対側の右アッパーアーム作業の方が画像が多いので後ほど記載します。。
先に同じところまで右側のアッパーアームの説明をしておこうと思います。