ローバーミニ:ステディロッドブッシュを交換してみる。~分解編~

定番のメンテナンスですが、ステディロッドブッシュを交換していきます。ちなみに僕のつゆだく(ローバーミニ )は97年モデルのAT車ですので、そのほかの年式やミッション違いはご参考までに。ローバーミニのブッシュ(ゴムの消耗品)の中では

  • ステディロッドブッシュ
  • テンションロッドブッシュ
  • ロワアームブッシュ

あたりが交換頻度の高めな箇所でしょうか。

今回のステディロッドブッシュは明確に乗り味に影響をして、特につゆだく(うちのローバーミニ )のようなATの場合は変速の際に”ガツン”とくるシフトショックの主な原因になりますね。そもそもステディロッドとは何かというと、エンジン&ミッションのひと塊がサブフレーム上に固定されていますが、それを補助する為にボディフレームとエンジンブロックを接続して固定する棒のこと。この突っ張り棒の衝撃を吸収する為にゴムブッシュが入っていますが、これが劣化するとエンジンブロックを固定できずに大きな振動が発生します。

■シフトショックがやや大きくなってきたので交換。といっても交換時期は過ぎているが・・・

前回ステディロッドブッシュを交換したのはいつだったかなぁ・・・というレベルで換えていませんでした。たしか通勤で使っていた頃だったと思います。

シフトショックが大きいかというとそこまで気になってはいなくて、でも急にショックが大きくなるわけではなく、じわじわと衝撃が大きくなってくるので、普段乗っていて「そろそろ交換時期かな」とは気付きづらいのかもしれません。個体差があるかもしれませんが、僕の場合は加速時よりも減速時のシフトダウンで発生するシフトショックの方が気になりますね。

ちなみにこの振動はオイルにも影響を受けるので、変速がスムーズでない場合は①オイルの劣化②ステディロッドブッシュの順で疑っています。今回はオイル交換したばかりなのでブッシュですね。

事前に購入しておくブッシュは2個で1セットのステディロッドブッシュ。ウレタンなどもありますが僕は普通黒いゴムで強化品ものにしました(それほど硬くないもの)。本来衝撃を吸収するためのゴムブッシュを固い強化品にすると、その分ロッドや接続部に強い衝撃がかかるので破損にも繋がる可能性があると聞いたためです。もちろん強化品にするとブッシュは長持ちしますし、ガッチリ固定することになるので走行性能が高めることもできます。

■まず作業スペースの確保。狭いスペースとの戦いでイライラすることなかれ。

なかれとか言っていますが僕はイラつきました。笑

ひとまずエアクリを外します。これは見えているネジ3本をプラスドライバーでサクッと外して、周囲のクリップ4つを外せばフタが取れます。エアクリボックス内にゴミなどが入っていないか軽くチェックしてフィルターも出しておきます。

そしたらエアクリーナーの土台をそっと持ち上げます。下の画像はそっと持ち上げたところで、上に見えているのがエアクリボックスの土台です。

奥に見える黄色、赤の配線、そして緑のコネクターがつながっているので、これらを全て外せばエアクリボックスの土台を取り外せます。でも配線を引っ張らないように気をつけながら、そっと向かって右側にずらしておくだけでステディロッドの作業は可能です。

エンジンルームを引いて見ると、これでできた作業スペースがこちら。いやー激狭ですがこれで作業を進めていきます。この後ステディロッド以外で作業スペース確保のためにブローバイセパレーター、通称エントツだけはスペース確保のために外します。

人によっては他にも周辺部品をいくつか外すことで作業スペースを確保する場合がありますので、僕も「工具が入らないぜッッ!!」となった段階で他の部品を外してスペースを作るかもしれません。。

■まずアクセス可能なボルトは外していく。

アクセス可能なボルトから外していきますが、全体の流れは以下のようになります。パズルのようですが順序通り分解していかないと工具が届かないボルト類があるためです。

①ステディロッドのエンジンブロック側取り外し
②エントツの取り外し
③ステディロッドのボディ側取り外し

まずはステディロッドのエンジン側固定箇所から。エンジンとステーを固定している(一番手前側の)ボルトから外しますが、、ここはスペース的にメガネレンチを使用しました。このボルトは1/2インチサイズですが、ステディロッド周りは全てこの1/2インチサイズです。

スペースが狭いとはいえ、しっかりとレンチを噛ませてゆっくり力を込めます。エンジンの熱で固着を起こしやすい箇所なので力が必要で、ボルトを舐めないように気をつけます。あまりボルト回転させる角度が取れないので、コツコツ気長に回して外します。最後にボルトなどを落下させやすいので、気をつけてください。とはいえ落とすと思うので、マグネット付きの棒があるとどこに落ちてもなんとか拾えます。

次にステディロッドを直接エンジンに固定しているロングボルトを外します。これも固いので、まずはメガネレンチで力をかけて緩め、緩んだらエクステンションと首振りアダプターをつけた1/2インチソケットを差し込んでクルクルと緩めます(もちろんメガネレンチでコツコツと外し切ってもOK)。

ただしこのブレーキマスター周りにはブレーキオイルの金属パイプが通っているので、これに力がかからないようよく気をつけたほうが良さそうです。

■次はエントツを外してステディロッドのボディ側にアクセスできるようにする。

これでエンジンブロックへの固定で使用されていた金属ステーが取り外せます。先にこれを取り外したのは、次にエントツを固定していたナットにアクセスするためです。

ひとまずエントツの上端からつながっているゴム製のチューブを抜きます。固着しているようなら少し捻るように回すと取れやすいですね。そうするとエントツの付け根に2本のナットが見えるので、これらをエクステンションと首振りアダプターで外します。ここは内部から圧力がかかるわけではないのでキツく締まっていません。工具で緩め切ったらマグネットで部品を救出する感じですね。

そしたらそっとエントツを取り出します。そしてこのエントツが外れた穴が有名なのですが、ここにナットなどの物を落とすとエンジン内部に直接入ってしまい、取り出すのにエンジン分解が必要になります。

恐ろしいブラックホールですね・・・なのでここにはすぐに布などを詰めて物や汚れが入らないようにしておきます。

■ここまでくるとステディロッドのボディ側付け根を取り外し可能。なぜ共締めにしやがった。

エントツを外したのには理由があって、ステディロッドの残ったボディ側はボルトとナットが共締めになっているため、見えない裏側のナットをレンチで固定しなければ外れないのです。そのためにはエントツを外してエンジンルームの奥まで手を突っ込む必要があります。

「なんでそんな設計にしやがった!!!」

と言いたくなりますね。いや、思わず言いました。

裏側はメガネレンチの1/2インチでガッチリ固定します。画像では奥まで手を突っ込んでメガネレンチで裏側のナットを固定したところ。そして上からエクステンションと1/2インチソケットでボルトを回します。このボルトを抜くとようやくステディロッドが取り出せますね。

ボルトを抜いた後、ステディロッドはボディ側の固定いた枚で挟まれて抜けづらいですが、左右に振りながら引っ張り出します。これで一息。とりあえずはそれぞれの部品をパーツクリーナーできれいにしておきましょう。