まだまだ続くフロント足回りの分解。今回はロワアームブッシュの交換です。
これまでの記事はこちら。
■アッパーアーム分解は大変だから先にロワアームブッシュを確認しておく。
さーて、わかっていたことですがアッパーアームの分解となるとかなり大変ですね。それは各ボルトが外しづらいからです・・・手探り状態で進めていくことになりますね。
なのでその前にもうちょっと気軽なロワアームの付け根についているブッシュ確認を済ませておこうと思います。ここもテンションロッドブッシュと同じように消耗が激しい消耗品です。でもつゆだく(うちのローバーミニ )はここだけ強化ブッシュが入っていて、数年前にチェックしたのですが劣化していなかったため交換をしませんでした。
とはいえ今回も確認は必要なので分解します。まずは今回ロワアームを外した際にハブが落下してしまわないように、アッパーアームとボールジョイントを軽くナットで留めておくことが必要です。
このロワアームシャフトは上の画像を見ての通りロワアームを通す直線部分と、ドライブシャフトを避ける湾曲した部分でできています(上の画像は車体左側)。本来直線であるべき軸をわざわざ湾曲させるのですから、強度的にはだいぶ不安な構造をしていますね。笑
ロワアームは一つのナットを外してシャフトを抜くだけで取り外すことができます。外すナットはロワアームに対して車体後方側にあります(上の画像は車体右側)。メガネレンチでサクッと外してしまいますが、その後シャフトを引き抜くにはロワアームに力がかかっていると抜けないので、ハブを膝で持ち上げるなどが必要です。シャフトは車体前方方向に向かって引き抜けます。
そしたらロワアームのシャフト貫通部分にはまっているブッシュを確認します。本来は黒いゴムブッシュが入っていて潰れてしまっているはずですが、僕が使っている透明な強化品はいまだに健在のようで、特に潰れも割れもないようなので今回も交換は見送ることにしました。
せっかく分解したのでロワアームの付け根があった場所をパーツクリーナーで掃除しておきます。シャフトも同様に掃除をして、グリスアップをしたうえで戻します。使ったのはウレアグリスで、ロワアームと接触する部分だけグリスアップしておきます。
さて、ロワーアームで気をつけるべき点があるとすれば取付け時でしょうか。
シャフト上で先ほど外したナットと反対側の端(上の画像でいうと一番下)は大きな円になっており、サブフレームの穴にはまって固定されます。ロワアームシャフトはドライブシャフトを避けるように曲がっているので、シャフト自体が適切な角度から回転しないように切りがき?がついています。なので取り付ける際にはサブフレームの穴に、この円と切りがき部分がしっかりはまっていることを確認してください。
上の画像がロワアームシャフトのボルトとは反対側。ちなみに車体左側です。サブフレームには大きな穴が空いており、ここにしっかりとシャフトを押し込みます。そのとき切りがき部分が正しい角度になっていないと、はめ込み穴にきっちり入らないので注意です。
目でも確認し、手でもしっかり押し込まれているか確認したうえでナットを締めます。ここの締めつけトルクは4.5kg/Nです。
こんな感じで最後にはみ出てしまったグリスは拭き取ったら終了。わかりづらいですが、ここのブッシュはロワアームからブッシュ自体がはみ出る構造になっています。このはみ出た部分が劣化するとロワアームが前後にガタついてしまうんですね。加速時と減速時の両方で相当な負荷(前後方向)がブッシュにかかるはずなので、劣化が早いのも理解できます。
左右ともに同様の確認を行い、どちらもブッシュに問題はなかったので掃除とグリスアップをして戻しました。