ローバーミニ:満を持してリヤラジアスアームを分解する。~③グリスチューブを金属製に交換する編~

ローバーミニのリヤラジアスアームをDIYで下ろしていく中で、前回はラジアスアームを全て下ろすところまで行きました。今回は本題であるグリスチューブを対策品の金属製に交換します。それとベアリングも新しいものに交換ですね。金属グリスチューブの圧入にちょっと苦労します。

前回までの記事はこちら。

ローバーミニ:満を持してリヤラジアスアームを分解する。~②シャフトの固定を外してラジアスアームを下ろす編~
ローバーミニのリヤラジアスアームをDIYで下ろしていきます。前回はドラムブレーキを外すところまで行きましたが、今回は本番。ラジア...つづく

ひとまず下ろしたラジアスアームのコンディションを確認。

さてようやく下ろしたラジアスアームのアセンブリ。僕の手元につゆだく(ローバーミニ)が来てから下ろしたことはないですが、シャフト両端のゴムリングは切れたりしていない模様。もちろん硬くて劣化はしてますけど状態は良いってことですね。

ローバーミニのリヤラジアスアーム分解

シャフト両端はナットとロックワッシャーを外すと固定が外れ、下ろすとこんな感じで金属製の厚手のワッシャというかシャフトの蓋、そしてそれを包むようにゴムリングが入っています。両端が基本的に同じ構成で、これを一通り外すとシャフトを抜くことができます。フロントのアッパーアームシャフトも概ね同じような構造です。

ローバーミニのリヤラジアスアーム分解

こちらはドラムブレーキの裏、ショックアブソーバーの固定シャフトです。別に影響があるわけではないんですが、路面からはねる水に晒される場所なのでちょっと錆びてますね。ナットを締める際にスムーズではないというぐらいですが、ネジを切り直してもいいかも。と思って手持ちのタップセットを使ったんですけど、やっぱりインチ規格には合わないっぽいですね。

ローバーミニのリヤラジアスアーム分解

これが分離したサイドブレーキのレバー。これを車体前方向にワイヤーで引っ張るとブレーキシューが広がってサイドブレーキがかかります。全般に汚いですが、サビや引っ掛かりなど構造上の不具合はないようなのでOK。

ローバーミニのリヤラジアスアーム分解

で、最後がサスペンションのハイローシャフトのエンドボールが入るカップ。実はこれ、以前にハイローキットを交換した時にはまったく外れなかったので交換したことないんですよね。フロントは過去にアッパーアームをバラしているので、そのときにカップも交換しました。といってもかなり苦労して、ペンチでひたすら小さくちぎって行ってようやく取れたって感じです。

その時の記事はこちら。

ローバーミニ:さぁて重い腰を上げて溜まっていた夏休みの宿題をやるか。つゆだくのフロントナックルジョイントブーツをシリコン製に交換する。~②取付編~
今回はそんな夏休みの宿題としてDIYでローバーミニのフロントナックルジョイントブーツを耐久度の高いシリコン製に交換したいと思いま...つづく

この樹脂のカップが金属のボールを受け止めて、それにサスペンションの全圧力がかかるので、摩耗で底部分が削れ切っていることも多いみたいですね。でも今回は結構きれいなもの。とはいえまた定期的に状態を見るのはシンドイので新しいものに交換予定です。交換するのはアームを下ろしたタイミングじゃないと難しいでしょうね。

ローバーミニのリヤラジアスアーム分解

それとサブフレーム側のシャフト固定穴を確認。なんかフツーにサブフレームの壁面に穴が開いてるだけ。サブフレームはガッチリできているとはいえ通常面にそのまま穴だけとは強度的に強くはなさそう。

そしてその周りにはグリスが・・・。でもシャフトの反対側端からグリスを突っ込んでいくとこの奥側の壁面にグリスがニュッて出てくるのでこんなふうに汚れます。構造上正常なので仕方ないですが、ラジアスアームがついている状態でここのグリス拭き取りづらいし、グリス汚れが溜まってくんですよね・・・。

シャフトのベアリングを外す。今回はベアリングプーラーを使う。

一般的に苦労すると言われているベアリングの取り外し。スライドハンマーを使って叩き抜くとか、反対側から棒で突いて叩き出すとかあるようですが、おとなしく購入しておいたベアリングプーラーを使います。プーラーはなんかこういう固いものを引き抜くシーンで重宝するのでひとつ持っておいていいかなと思って購入しました。まぁ安物なんですけどね。

ラジアスアームシャフトベアリングの取り外し

プーラーは安いのもあってかなんかやたらシンプルな構造ですが、ひとまず問題なく使えるようです。ベアリング内径に合わせた金具を選んで差し込み、その中心にボルトを締め込んでいくと内部で金具が広がってベアリングを引っ掛けて固定する仕組みです。それを別のボルトを締めていくことで引き上げると、こんな感じでメインのボルトを引き上げるとベアリングが無事抜けてきました。よかったよかった。

ラジアスアームシャフトベアリングの取り外し

リアのラジアスアームは両端のうち、車体の奥側がニードルベアリング、手前側が金属製のリング(ベアリングじゃなくてグリスが通る溝だけ入った金属製ブッシュ)になっています。フロントと同じように両側ベアリングにしておけばいいものをなんで?

ラジアスアームシャフトベアリングの取り外し

ちなみにブッシュの方は新品交換するとシャフトよりキツめに作られているっぽくて、リーマーでぴったりなサイズに加工する必要があるとのこと。ちょっとそれはキツイのと、元々のブッシュも状態は良いようなのでそのままにします。でもベアリング側は抜かないと中のグリスチューブを取り出せないので取り外し。

ただ抜き出したベアリングはバラけてしまいました。再使用不可能ですね。ベアリングは新品交換するつもりだったのでOKです。

本題のグリスチューブを摘出する。わかってたけど両側ともガッツリ破れてグリスが漏れまくってる・・・。

そしてベアリングを外した中を覗くとグリスチューブが見えます。グリスチューブは通常の樹脂製なら簡単に取り外せます。ピックやマイナスドライバーで端っこを浮かせて隙間を作り・・・

ラジアスアームグリスチューブの摘出

ペンチで掴んで引っこ抜きました。グリスチューブがズルズルっと出てきます。

ラジアスアームグリスチューブの摘出

それで抜き出したのがこちら。わかってましたけどパックリ裂けてますね。樹脂なので劣化と共に、グリスの圧力に耐えられなくなって裂けます。いわゆるローバーミニの持病ですので、対策部品に交換してある車両も多いはず。

なんでそんな設計にしたのかというのはありますが、このチューブがシャフトを包んでシャフトの両端(ベアリングとブッシュの摩擦部)にグリスを運んでるんですね。

ラジアスアームグリスチューブの摘出

グリスチューブはそのままポイ。

で、こんなふうに破れるとラジアスアーム内は空洞なので、ラジアスアーム内にひたすらグリスが詰め込まれていきます。僕もやっちまってます。ラジアスアーム内に指を入れて触ってみるとわかるんですが、残念ながら漏れたグリスはパンパンに詰まってる模様。でもシャフト穴から取り出せるのは角度的に限られてますね。

ラジアスアームグリスチューブの摘出

もう両手がベッタベタなんでほとんど画像がありませんが、小さめのメガネレンチを使って両側から掻き出せるだけ掻き出しました。15分ぐらい掻き出し続けてたぶん100g以上は取れてますけど(大きなペーパーに擦り付けていったけど結構な量だった)、それでもアームの方に入っていく奥は全然取り出せず。なのでまだたくさん残ってるんだろうなぁ、腰下でそれだけの重量が残ってるのはもったいないなぁ・・・。本当に出せるだけ出そうとすると、アーム先端側からどうにかエアーで押し出したりするんですかね?それでちゃんと出るのかは分かんないけど。

思ってたより困る金属製グリスチューブの圧入。なんでこんなキツめに圧入にする設計なのかわかんない。

とはいえこれ以上掻き出す方法がないので諦めて対策部品の金属製グリスチューブを入れます。これは樹脂製じゃなくて金属製にすることでグリスの圧力で破損することはないってことですね。これ鋼管を切って片側を広げているだけですが、まぁまぁの金額がします。笑

入れる方向はベアリング側、つまりラジアスアームの車体内側方向から入れることになります。この広がっている方がベアリングの隙間のグリスも全部受け切るんでしょうが、元の樹脂チューブと同じように同径じゃダメだったのかしら・・・。というのも穴に対してこの広がった部分がかなり大きく、軽く叩き込むぐらいの圧入じゃ全く入っていかないですね。入れるのも大変ですが、一度入れたらもう抜き出すのは無理なんじゃないかな・・・?

メタルグリスチューブ

ショップではどのように入れてるのかわからないですが、油圧プレスでゆっくりまっすぐ押し込まないとちゃんと挿入するのはムズそう。悩んだ結果シャフトの両端を締め込んで、両端の大型ワッシャーでチューブを押し込みながらナットで締込みを進める方法を取りました。なんかで叩き込むとチューブ自体が歪みそうだったんでこの方法を取ったんですが、なんとか入っていきました。

金属グリススリーブの圧入

とりあえずこの方法でシャフト穴の入口面ぐらいまでは押し込んでいます。で、ここからはどうしようかなと思ったんですが、このグリスチューブは入口の面ではなくもっと奥まで入れる必要があります。じゃないと反対側の金属ブッシュに届いておらず、指で内側を触って確認するとアームの空洞の方にまだまだ隙間があります。

ちょうど良い径のソケットがあったので、それを使って叩き込んでいきます。これまっすぐ入っていかないとシャフトが通らなくなるので、たまにシャフトを差し込んで確認します。

金属シャフトスリーブの圧入

何度か叩いてみると少しずつ奥に入っていってるみたいなので良さそうです。

金属グリスチューブの圧入

で、これぐらいになったら確認します。反対側の金属ブッシュにスリーブが当たるところまで来ているか触って確認して、まだ隙間があるようなら叩いていきます。これはベアリングで叩き込んではダメそうで、たぶんベアリングが破損するかニードルの動きが悪くなったりすると思います。ということは必ずスリーブを奥まで入れ切ってからベアリングを入れないと失敗しそう。

金属グリススリーブの圧入

たしか上の画像よりもうちょっと奥に入れて、反対側のブッシュとスリーブの隙間がなくなるまで叩き込みました。でもこれで見てみると、ブッシュ側とスリーブには段差がほぼなく、たぶんプーラーを引っ掛けるのは無理そう。で、このスリーブも抜きようがない気がします。

となるともう今後金属ブッシュ側って交換しようがないんじゃ・・・。大丈夫??

ベアリングを圧入する。フロント用とはベアリングサイズが違うのと、ベアリングには向きがあるので注意。

で、最後にベアリングを叩き入れたらシャフト周りの交換は完了なんですが、新しいベアリングを買ってない。というか元々フロントアッパーアームシャフトの交換部品として持っていたベアリングを使おうと思ってたんですけど、これ実物を見て気づいたんですが長さが違いますね。リヤラジアスアームのシャフトベアリングの方が長いというか幅があって、フロントの短いものをそのまま使うのはリスクがありそう。仕方ない、追加で注文するか・・・。

ローバーミニのラジアスアームシャフトベアリング

ということで日を置いてやってきたのがこちら。結局シャフトベアリング単体で売っているのがパッと見つからず、仕方がないので補修キットのアセンブリで購入しました。買ったんだからシャフト類も新しいものに交換しましょう。

このベアリングは向きがあって、この側面が平らなのが挿入していく外側。

ローバーミニのラジアスアームシャフトベアリング

で、上の画像のように側面が丸いのが差し込む方。こちら側からシャフト穴に圧入していきます。

ローバーミニのラジアスアームシャフトベアリング

こんなふうに大きめのレンチを当ててコツコツと少しずつ叩いていくとグリスチューブと違って簡単に入っていきました。入り切るまで叩きます。

ローバーミニのラジアスアームシャフトベアリング

入れたら一応ベアリングがスムーズに動くか確認します。そしてシャフトを入れてスムーズに回転することも確認しておきました。問題なし。

ローバーミニのラジアスアームシャフト

古いシャフトがこちらなんですけど、グリスが入っていかなかったからかもしれないですが、一定のアタリは出ちゃってますね。触ってみるとほぼ平滑で削れている感じはないので再利用しても問題はなさそうですが・・・。リヤは特にフロントよりも回転する角度が小さいので、そんな摩耗が進まないのかもしれません。

ということでグリスチューブとベアリングまで交換完了。本来の目的はここなので半分まで作業が来たようにも感じますけど、ここまで来たら一通りリヤ足回りを綺麗にするのと、サブフレームのブッシュまで交換しようと思うのでまだ道のりは長し。

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