最近エンジンが温まった状態で信号待ちしていると、アイドリング状態でやたらとエンジンからカシャカシャと音がしてるように感じ始めました。気温が大きく変わればエンジンの音が変わることはザラにありますが、こんな感じの機械音は最初しなかったように思うので良くないですね。
このカシャカシャ音はなんとなく聞き覚えがあって、きっとタペットが緩んでいるんじゃないかなと思います。うちはつゆだく(ローバーミニ)もOHVエンジンなので、タペット調整を年に1~2回はしてあげています。それもあってエンジンのカチャカチャ、特にタペットの音はなんとなくアタリがつきます。基本的には初夏と秋、気温がグッと変わっていくタイミングで次の季節に合うようにタペット調整してあげるのが良いです。
まあ走行距離が短いとはいえ新車からだいぶ年数も経っていますし、走行距離が短いぶんあまり乗られていなかったであろうバイクを、僕の手元に来てから高回転まで回しながら乗るようになったので、きっとタペットも緩んできたんだろうと思います。チャチャっと調整しましょう。
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タペット調整はエンジンヘッドカバーを外すだけで作業できる。あとはタイミングマークだけ注意。
ひとまずエンジンのヘッドカバーを外します。使うのは10mmのレンチですがあまりスペースがないのでソケットが入らなければメガネを使います。ボルトはたった2本でカバーを簡単に外すことができ、密閉用のパッキンはガスケットじゃなくてゴム製のものが使われています。あ、もちろんエンジンは冷間状態で作業しますよ。火傷だけじゃなくて、タペットの規定値は冷間時の設定値なので。
緩めたボルトは長さがありますが、タンクの裏側にはへこんだスペースがあるのでガソリンタンクを外さなくとも問題なくボルトを抜くことができます。これでヘッドカバーをそっと外せばタペットにご対面。
単気筒エンジンなのでIN/OUTの前後方向2箇所を調整。その前にピストンの位置を合わせます。具体的には車体の左側からチェーンを眺めると、そのギヤに○マークがあるんですが、それが一番頂上になる位置がタペット調整を行うべき位置です。
タペットはサイクルの中でバルブを押してる時と押してない時があり、押してない時のクリアランスを調整します。これがキツすぎると熱膨張した時にバルブをちょっと押して隙間を作ってしまい圧縮抜け、ユルすぎるとバルブをしっかり開き切ることができず吸排気の効率が下がります。単純に音がうるさいから調整しているわけではないんです。
ということで押してない時にするため、○マークを頂上に合わせるんですが、ヘッド側から手で動かすのはしんどいので、またがってゆっくりキックペダルを踏み下ろして位置を調整しました。でも完全に直上には来ないんですよね。ギヤひと山ぐらいズレる。これってチェーンかける時にひと山ズレてるってことなのかしら?こういうもん?
シックネスゲージは必須。うちはつゆだく用に既に持っていたのでそれを使う。
でもタペットは両側手でカタカタと動くので、これで調整可能なはず。
続いてタペット調整に入りますが、まずエイプのタペット規定値は0.05mm±0.03mmとのこと(うちには取説がなく、他の人の整備をググった)。車のエンジンと違ってかなり薄いですね。シックネスゲージの該当厚みはフィルムのようにペラッペラです。指を切らないように、ゲージを折らないように注意。
とすると元々のタペットはかなりゆるそう(測り忘れたけど)。これは音の原因はタペットと見てよく、要調整でしたね。
タペットのナットを緩めます。サイズは8mmかな、9mm使っちゃいましたけど。少し緩めたらシックネスゲージを差し込んで軸部分を指で締めてシックネスゲージに当てます。専用工具がないので、ここから固定ナットを絞めると軸も一緒に回転してさらに締まっていってしまうのですが、何度かやっていい感じにします。笑 ちゃんとナットを締められた状態で、0.05mmのシックネスゲージが若干抵抗を感じながら引き抜けるぐらいにしました。プラグコードが邪魔なので一度抜いて、INもOUTも調整完了。
上の画像はフロント側ですね。
上の画像はリヤ側。タペットは繊細なのでナットの締め過ぎに注意です。
走ってみると明らかにエンジンは静かにスムーズに回るように。カシャカシャ音もほとんどなくなった。
これでヘッドカバーを戻します。ゴムパッキンにしっかり噛んでいることを確認してボルトを締めます(ゴムがちゃんとハマってなくて潰してしまうと密閉できない)。慣れていれば10-20分で調整完了する作業ですね。これから音が気になったらメンテナンスするようにします。
さて、試走というか普通に通勤で走った感じだと、エンジンの音は確実にスムーズになりました。最近回転が高くなるとちょっとガサツで「負担をかけてるなぁ」という感じがしていたんですが、それもだいぶ良くなりました。
ただパワーが変わったかというとわかりやすく体感できるほどではなかったので、まぁそんなもんかなという感じ。ということでタペット調整でした。これから気温の変わり目(というか変わったところで)タペット調整するようにしていきたいと思います。