テスタロッサ:行きたくない・・・。クラシックフェラーリをユーザー車検に連れていく。~③色々問題が起きる検査工程編~

さてようやく車検に連れて行きましょう。つゆだく(ローバーミニ)の場合は現地で万一検査に引っかかった場合に自分で調整する前提でいるので、フロアージャッキからホイールを外せるトルクレンチまで、ひととおりの工具を持って行きます。テスタロッサの場合は引っかかってしまったら基本的にどこかに持ち込んで調整をしてもらうつもりでいますが、心もとないので最低限の工具などを持って行くことにします。

事前の点検は済ませているのですが、当日何が起きるかはわかりません。前回の点検の記事はこちら。

テスタロッサ:行きたくない・・・。クラシックフェラーリをユーザー車検に連れていく。~②事前点検と対策編~
さて車検に連れていく前に必要な事前点検をします。通常ディーラーやちゃんとしたショップに車検に出すということは、法定点検に該当する...つづく

最低限の工具は持っていく。まぁ事前点検もしたうえで検査引っかかったら途方に暮れると思うので、お守り程度かもしれないが。

テスタロッサはありがたいことにこれまで8mm、10mm、13mm、17mmのレンチがあれば大概のことができてしまいました。つゆだくに積んでいる一通りの工具キットに加え、ミリ規格のレンチ一式を持って行くことにします。あと一応テスタロッサの車載工具として、センターロックホイールを外すためのクソでかい六角レンチと、バカ重いハンマーも連れて行きます。ただこれを使うつもりは一切ないんですけどね・・・。

テスタロッサの車載工具

それと前回書いたフューエルワンは2本。直前の燃料ポンプ修理で今ガソリンがカラカラなので、行きがけにスタンドで50リッター入れたらフューエルワンを2本投入しておきます。それと新品のスパークプラグ12本。これも排ガス検査に引っかかるようだったら、まだ替えなくてもいいかなと思っていたスパークプラグも思い切って新品にする想定。

あと車内暑いからうちわ。笑


よし、前日までに準備万端にしておいたので、何度か確認しましたが忘れ物はないはず。

それでいつもなら車検場の予約は1日4枠のうち朝一の枠をとるんですが、直前予約になってしまったので今回は午前中が取れず午後イチの予約となってます。まだまだ暑いこの時期に真っ昼間の予約というのはシンドイですが、1日3回まで試験を受けられる都合上、なるべく早い時間に予約できた方が引っかかった時に修理をする時間的猶予が生まれます。

封印に入る前のゴールデンウィーク以来、テスタロッサをガレージから出します。とりあえずガソリンがギリギリなのでいつものガソリンスタンドに向かうんですが、このとき既にエンジンルームからなんかちょっと嫌な音が・・・とはいえ今さらどうしようもないので車検場に向かうことに(ガソリン給油したら音は消えたので、燃料ラインが空気を噛んでたのかも?)。

平日の昼に差し掛かっているというのに、車検場に向かう高速のルートは通勤ラッシュのように渋滞していて、結局下道で向かった方が若干早いとのこと。本当は燃焼室のカーボンを焼いて行くために高速を回転数高めで流して行くつもりだったのですが、仕方がないので下道をチンタラ行きます。

検査ラインに入る前に出鼻をくじかれ、入ったことない検査コースへ。嫌な予感と汗が・・・。

ちょっと早めに余裕を持って出たつもりなんですが、車検場に着いたのは丁度いい時間で、自賠責の更新と書類を書き込んだらちょうど窓口が午後の部を開始する時間でした。午前中は予約がいっぱいと書かれていたので混んでるのかと思っていたのですが、午後はスカスカで検査ラインにもすぐ入れそうな状況。なのでいつものコースに並んで待つのですが、ラインに入る前に係のお兄さんに声をかけられ、

「ちょっとこの検査ラインだと、ブレーキテストあたりでテスターが下当たっちゃうかもしれないんで、別のラインに行ってもらっていいですか」

とのこと。

「最低地上高は結構ちゃんと確保できてるので、大丈夫だと思うんですけど・・・」

と言ってみたのですが、最低地上高検査に引っかかるのではなく、おそらくフロントオーバーハングが長いので車輪を乗せるテスターあたりで当たっちゃうんじゃないかということが心配みたいです。まあなんというか、こういう車なんでトラブルは避けたいんでしょうね。それでいつもと若干設備の違う検査コースに並びなおすことになったんですが、嫌な予感がしますね。いつも行く検査場だと「ユーザー車検は何番コースに並んでね」みたいな優しい案内があるのですが、そこから外れ全く違うコースに行くとなると、手順がいつもどおりなのかすらわかりません。

テスタロッサのオドメーター

基本的に車検場はプロの仕事場だと思っていて、僕も節約のためにユーザー車検で使わせてもらっていますが、それで本業のプロたちの邪魔になってはいけないと気をつけています。基本的には事前に法定点検などを行ったうえで車検場に持ってきているので、ディーラーとかショップの人たちの検査は落ちることはないはずです。それを特に点検もせずイチかバチかでユーザー車検に持ってきて、無意味に落ちて再検査になったり、そもそも検査ラインで無駄に時間かかるようなことになると、プロの仕事を邪魔してると思うんですよね。なので、そういうことのないようにちゃんと合格する前提で最低限のチェックしてきて、検査場でどうすべきかもう事前に頭に入れてから来るべきだと思うんです。

だからこそ想定外のコースに回された時点で嫌な汗をかき始めました。なんかトラックとか業務用車しか並んでないやん。笑

予想していなかったブレーキランプが点灯しない!事前に点検した時はついてたのに・・・。

設備も一つ前の世代のようでちょっとアナログ。操作方法がいつもと若干異なるんですが、なんせテスタのアイドリングがうるさくて係員さんの指示が聞こえない。笑 

そして事前に点検して来たはずなのにまさかの基礎事項で検査に引っかかることに。それがブレーキランプが点灯しないというもの。家では嫁にブレーキを踏んでもらい確かに点灯していることを確認したんですが、今思い返せば「踏んで」「えっ??」「踏んでくれ!」というやり取りがあり、実はたまに点灯しないケースがあったということなんだと思います。点かない時は左右両方ともつかないようなのでバルブ劣化やテールライト側の接触不良ではなく、たぶんブレーキペダル側のセンサーに接触不良が起きてると思われます。まさかこんな最初の検査で引っかかるとは・・・とかなり落胆。まだ検査ラインに入るところですが、修理どうするかなということばかり考えてしまいます。ここからが検査の本当に不安なポイントなのに。

テスタロッサと八ヶ岳ドライブ

ただ排ガス、サイドスリップ、ヘッドライトの検査が全て1発で通ってホッとしました・・・。

とはいえどうしようもないので、一通りの検査ラインを通したら駐車場に戻り、いったん冷たいものを自販で買って落ち着きます。とりあえず使うつもりもなかったセンターロックホイールを外すくっそ重い道具をブレーキペダルに乗せて、車の後ろに回ってみるとブレーキランプがついてます。まじか。

全体の電圧不足でつかなくなる時があるんじゃないかと、ヘッドライトやハザードつけてブレーキランプを見たり、いろんな条件で試してみたんですがまあまあ点きます。たまに点かなくなることがあるのであれば修理をしなきゃいけないんですが、ともかく現時点で再現をしないので原因の突き止めようがなく、家に帰ってから一通りのメンテナンスをするとして今回は検査ラインにもういっかい並んで、運良く接触不良が起きないことを祈るしかないですね。

薮からヘビが出てくるのはわかっているが、なんの蛇が出てくるかはわからない。旧車・改造車にありがちななにかしらのいちゃもん。

それとテールランプ以外の検査項目は通ったんですが、やっぱり今回も「いちゃもん」を付けられることになります。前回代行車検をお願いした時にはセンターロックホイールは純正じゃなくて構造変更の社外品なんじゃないかとああだこうだ言われたらしいのですが、今回はそれではなく、フォグライトのレンズがついてること。フォグライトがあるなら点灯検査が必要だとあーだこーだ言われることに。でも日本正規輸入車はフォグライトのレンズまではついているものの、中にバルブがついておらず、本来フォグライトスイッチがあるオーバーヘッドコンソールのパネルもスイッチはありません。

なんか僕の経験上、検査ライン上にいる人は色々と重箱の隅をつつくようなこと言ってくるんですが、

「じゃあ別のラインに並び直して諸元表の確認を受けて」

と言われて並び直す個別検査のラインの人はすごく物分りが良くて、最初から検査OKにしてくれれば良いのにと思うほど。今回は諸元表を調べても古い輸入車なのでフォグライトの有無がわからなかったので、「レンズ内のバルブが殺されるでしょう」、「車内のフォグランプがあるはずのスイッチにダミースイッチが入っているでしょう」、と説明して「あーまーそーですね」という理解を得ることに。ついでにテールランプも点灯することを確認してもらいました。あー終わった。

フェラーリテスタロッサと夕焼け

あと車検場って検査機器を使った検査以外は、わりと検査員の人の主観で判断されるので(旧車や改造車)、ユーザー車検だと特に丁寧な態度をとることも重要だと思います。僕は大きい声で「お願いします!」と「ありがとうございました!」を言ってるのと、諸元表確認とか入ったときも「お手数かけてしまってすいませんね」とか言います。それでいいのかって話はありますが、計器で検査する以外のところは、ほんとその人の判断次第なんで。笑

想定通りに苦労したテスタロッサのユーザー車検。苦労した分、その節約金額を噛み締めるしかない!ハッハッハ!!!

ということで結構嫌な汗をかいてしまった真夏のテスタロッサ車検ですが、なんとか自力で通して帰ってくることができました。帰りは疲れ切ってるので信号などない高速で帰ります。飛ばしてスカッとしたくなる気持ちも湧いてきますが、なんか疲れたのかチンタラと低速で帰りました。途中覆面に周りをうろちょろされたので、チンタラ走って正解だったということです。

最近よく思うようになったんですが、嫌なことが起きた日、うまくいかない日というのは別の何かで気持ちを晴らそうとしてもだいたい余計に運が悪いことが起きたり、余計に嫌な思いをしたりします。なのですごく当たり障りなく過ごしたり、さっさと帰って家から出ないというのが一番いいと思うようになりました。元来クソネガティブな僕に合っている処世術でもあり、しかしこれ以上リスクを冒さない安全な方策でもあると思います。もちろん家に籠るならヤケ酒。笑

さてさて、こうして大変な思いをするのは分かっていたので、お金を払ってでもプロにお願いしたかったテスタロッサの車検ですが、苦労して自力で通したからにはその恩恵を噛み締めることにしましょう。今回車検にかかった費用はこちら。

  • 自賠責:17,650円
  • 重量税:50,400円
  • 車検手数料:1,800円
  • 印紙代:500円

合計70,350円!!!

クラシックフェラーリは車検に100万だと!?ハッハッハ!!!とデカい声で笑ってやることにします。

帰ってきたとき「すごい汗だし、めちゃ疲れてるけどどうしたの?」と嫁に言われましたが、その代償として普段のコツコツした節約なんざ吹き飛ぶような金額を節約をしたと考えて、気持ちよくシャワーを浴びましょう。

やれやれ、車検の日はクソ夏の日差しだったけど、もうすぐ秋。てすたろーもシーズンインか(白目)。とりあえずすぐマフラー純正から純正じゃないやつに戻して、オイル交換しなきゃな。あ、鼻血が・・・。