テスタロッサ:行きたくない・・・。クラシックフェラーリをユーザー車検に連れていく。~②事前点検と対策編~

さて車検に連れていく前に必要な事前点検をします。通常ディーラーやちゃんとしたショップに車検に出すということは、法定点検に該当する確認を受けて車検を通すということなので、自分で持っていく場合も事前にチェックします。当てずっぽうに持っていっても現地で検査に引っかかると苦労するので、事前に必要な調整や修理はしておいた方が結果的に良いということですね。

前回までの記事はこちら。

テスタロッサ:行きたくない・・・。クラシックフェラーリをユーザー車検に連れていく。~①引っ掛かるポイント編~
色々あって今回てすたろー(わが家のテスタロッサ)を自分でユーザー車検に持ち込むことになりました。というのも別の記事で書きますが、...つづく

テスタでもミニでも車検の項目は一緒。なので事前点検項目も基本的には一緒。

事前に確認しておく項目はこんな感じ。僕もいつも過去の記事から、つゆだく(ローバーミニ)の検査項目をチェックリストとして使いつつ点検を進めています。てすたろーにおいては、

テスタロッサの懐中電灯

■外装の準備

  • フロントグラスにステッカーなどが貼られていれば剥がす(貼ってないけど)

■内装の準備

  • スペアタイヤを乗せる(パンク修理キットも載ってるけどいちお)

■事前調整

  • トー角を確認して、わずかなトーインに調整
  • ヘッドライト光軸の確認と調整

■事前点検

  • ヘッドライト周り、テールライト周り、ナンバー灯、ウィンカーの点灯を確認
  • クラクションがなるか確認
  • シートベルト警告灯の点灯を確認(エアバッグはない)
  • ワイパーゴムに切れや割れがないか確認
  • ウォッシャー液がちゃんと両側出てウィンドウに当たるか確認
  • 発煙筒の有効期限が切れていないか確認(テスタは懐中電灯なので、電池切れを確認)
  • 各所にオイル漏れがないか確認、またひと通りオイル汚れはきれいに掃除
  • ドライブシャフトのインナーとアウターブーツに切れや割れがないか確認
  • ステアリングラックエンドブーツに切れや割れがないか確認
  • タイヤが消耗してスリップサインが出ていないか確認
  • 排気系パイプ一式にぶつけによる損傷がないか確認
  • サイドブレーキが効いているか確認

という感じです。ワイパーとかウォッシャー液なんて、まじで車検直前つまり2年に1回しか作動させないので、よもやワイパーすら動かないんじゃないかと不安になります。笑 ちなみにテスタのウォッシャーノズルはワイパーそのものについています。おもろ。

テスタロッサのワイパー

点検項目の後半はジャッキアップして潜らないとデカいテスタでは点検できません。僕の場合は今回から(車検に行く前に)純正マフラーに戻す作業があるので、いずれにせよジャッキアップして下に潜る必要があり、その時にまとめて点検をしてしまいます。この時点でDIYとしては結構ハードル高いと思います。笑 同じ点検作業でもつゆだく(ローバーミニ)より大変です。

ローバーミニ:あかん!よく見たら車検がもうすぐ切れてしまう!!ローバーミニの車検準備とは。
今回はユーザー車検を問題なく通すための事前準備事項を書いていきたいと思います。特にローバーミニの場合は無改造で乗っているつもりで...つづく

リトラクタブルは光軸そのものがパカパカと共に動くのでズレやすく、検査に落ちやすい。

あと案外気をつけなきゃいけないのがライトの光量。ピカピカにしている車であればヘッドライトのレンズが曇って白いということはないと思いますが、電装系の経年劣化により通電抵抗が大きくなっていて暗い(電球だと明るさは電圧に比例するので結構変わる)と落ちることが結構あるようですね。

自宅で明るさを測ることは難しいですが、僕はアーシングにより通電対策をなるべくやっており、結構わかりやすく明るくなったので大丈夫だと思います。

光軸についてはハイビーム単体での点灯テストなので家だと結構きついです。ガレージのシャッターに照らされたハイビームのうち、なんとなく中心かな・・・と思う高さとヘッドライトの高さを測ってはみましたが、やはりカットラインが出ていないものの測定は曖昧すぎてなんとも言えないですね。ローバーミニと違って車高をいじることはないので、

「前回から変わっていないはず」

と思って挑むしかなさそうです。

排ガスは常日頃のクルマの燃焼コンディションによるので、状態を良くすることを考えた方が健全。飛び道具として添加剤も放り込む。

それと懸念事項2つ目の排ガス。これは専用の機器が必要になるので自宅では測りようがないです。そして落ちたときにパッと対策がしづらいというのもあります。ただ一方で事前対策というか、クルマのコンディションに大きく影響するところなので普段からメンテナンスすべきポイントでもありますね。ここで長々書きはしないですが、要は排ガスはなるべくきれいにガソリンが燃えていればいいわけです(そして触媒が仕事してること)。エンジンがうまく燃焼するにはザックリと

  • 吸気(エアクリがきれいであること、適正なアイドリング吸気量であること)
  • 燃料噴射(燃料ラインがスムーズに流れて燃圧がとれてること、空燃比がとれてること)
  • 点火(電圧が取れていること、スパークプラグが消耗してないこと)

の3つを状態よくしておけばOKなはず。

テスタロッサはキャブではなくインジェクションですが、空燃比もダイヤル調整、KEジェトロなのでアイドリング吸気もダイヤル調整です(車検はアイドリング測定)。空燃比は基本的にいじることはないですが、アイドリング吸気はシーズンごとにいじるのでしっかり調整しておきます。自宅でできることは、明らかに黒煙や白煙を吐くことがないように調整するまでですね。

もし現地で引っ掛かったら、燃料比率をちょっと薄くしてみてリトライでしょうか・・・。あんまりリーンにすると高回転でミスファイヤするとブローなので、変に薄くしたくはないですが(色々とメンテナンス方法が書いてある当時の取説でも、この燃調は自分でイジってくれるなと書いてある)。

テスタロッサ:Kジェトロニックの吸気量調整スクリューを回して、アイドリング調整をしてみる。これでクラッチを切った時のストールをなくす。
以前に信号などで停車する際、クラッチを切るとエンジンがストールするという症状が発生しました。その時は出かけた先のカフェの駐車場で...つづく

とはいえ純正マフラーのテスタロッサでもガレージの中で暖気すると「死の危険を感じるほど、ツンとくるように生ガス臭い」わけですよ。エンジンかけたら温まるまでガレージからすぐ逃げ出すほど(子供は乗り込む時鼻をつまんで息を止めて走ってきて乗る。笑)。だから調整って言っても臭いなどで判断するのは難しいですね。煙が出ずに、排気に手を当ててきれいに水蒸気が出ていればいいかなという判断ぐらい。

「あ、これでも車検通るんだな」

って逆に思います。笑 車検は新車発売当初の環境規制に基づいて判断されるので、環境に悪いとはいえ当時の水準が維持できていればOKということですね(旧車だとそれも大変なんですが)。

僕も点火系は前回の車検から色々とチェックをしているので、これは問題ないかと思います。スパークプラグはまぁ新品にするほどじゃないかなという感じで、焼け具合は問題なさそうなので新品交換していませんが、デスビはバラして接点の酸化した部分を掃除していますし、アーシングでマイナス側の逃しを補強しています。要はプラグコードまでの電圧が確保されていて、プラグコンディションが良くて、マイナスアースが最低限確保されてれば点火系は大丈夫です(点火タイミングは自分で調整しようがない)。

フューエルワンとスパークプラグ

あとやっておきたいのが、燃料添加剤(僕だとワコーズのフューエルワン)を若干濃いめにぶっ込んでおくことです。フューエルワンは「燃料20~60Lに1本を目安に燃料タンクに注入して下さい」と指定濃度に結構幅がありますが、今回は50L(テスタの燃料タンクの半分)に対し2本という濃口で入れて車検に挑みました。燃焼室のクリーニングのために使うものですが、燃焼補助剤でもあるのできれいに燃えやすくなるはずです。車検じゃなくても定期的に使っておくと安心、というか僕は中古車買ったらまず入れます。


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それと検査の前にエンジンを回して燃焼室のカーボンを燃やしとくというのもあるらしいですが、車検場は空ぶかしNGなので(やってる人よく見ますけど)、行きすがらの道を高回転目に走っていく感じですかね。笑

ブーツ類は破れがあると交換に苦労する。車検切れ直前で判明しても間に合わないので早いうちにチェックしておいた方が安全。

あと車体裏周りだとドライブシャフトブーツの点検、劣化しやすいゴム部品ですが破れがあると車検に通らず、しかも交換に苦労するという厄介な部品です。マフラーを交換する際にリヤをジャッキアップして潜るので、その時にライトを当てながら確認します。リヤのミッション付け根側と、ホイール付け根側。見えない天井側はリヤホイールを手で回すか。触診で確認しときます。

テスタロッサ:ジャッキアップをしなければDIYは進まない!リヤガラスを割らないようジリジリ上げ下げする鬼門。
今回はテスタロッサのジャッキアップについて書いていきたいと思います。まず家でテスタロッサをジャッキアップする人間がどれほどいるの...つづく

FF車・AWDだとステアリングも駆動も担って結構きつい角度まで曲がりながら回転することもあり、ドラシャは劣化しやすいのですが、後輪駆動車、しかもスポーツカーだとストロークも短くて操舵もされないのでそんな簡単には破れなそう。

テスタロッサのラックエンドブーツ

フロントの方はリヤを下ろした後にジャッキでフロントを軽く持ち上げてチェックしておきます。テスタはは前輪は駆動しないので車軸なし(ドライブシャフトブーツもないということ)。ステアリングのラックエンドブーツは確認しておきました。ホイールセンターより前方にタイロッドがあるんですね。そして最大に切ってるのにタイヤの角度が浅い・・・。これは狭い住宅地で曲がらなくて困るわけだ・・・。笑

とりあえず事前にできることはやったので車検に連れて行きましょう。

テスタロッサ:行きたくない・・・。クラシックフェラーリをユーザー車検に連れていく。~③色々問題が起きる検査工程編~
さてようやく車検に連れて行きましょう。つゆだく(ローバーミニ)の場合は現地で万一検査に引っかかった場合に自分で調整する前提でいる...つづく