エイプ:5段コアの強力なオイルクーラーをDIYで取り付けてみる。~④クラッチケースカバーとコアの取り付け編~

前回は新しいニップルも届いてクラッチケースカバーに取り付けました。液体ガスケットが乾いたので、今回は新しいガスケットを使ってカバーを取り付け、車体フレームにオイルクーラーコアも取り付けていきます。作業をあれやこれやと書いているとちょっと連載が長くなって来ましたね・・・。

前回の記事はこちら。

エイプ:5段コアの強力なオイルクーラーをDIYで取り付けてみる。~③本体の組み立てとニップル再取り付け編~
今回は折ってしまったニップルが届くのを待ちつつ、キタコ製のオイルクーラー本体を組み立てておきます。あとはニップルが届いたら液体ガ...つづく

クラッチケースカバーを戻す。ガスケットは新品交換で、今回液体ガスケットのサポートはナシ。

新しいガスケットを組み込んでいきます。エイプのクラッチ側ガスケットは、その外周にある細いオイル流路やオイルフィルターの取り付け口を塞ぐようになっていて、各流路の密閉にも一役を買っています。なのでその辺りはズレのないよう慎重に合わせていきます。

エイプガスケットつけ

上の指で2箇所指しているところはケースカバーを戻す時にパーツのつけ忘れがないように注意が必要です。真ん中のクランク軸?には先端にキャップのようなものがつきます。これは固定されていなくて簡単に抜けるものなので、ケースを戻す際にはこれが落ちてないことを確認する必要があります。

もうひとつ右側端にある小さな筒状のカラーは、ガスケットの収まる外周に2箇所あります。上の画像だと見えないけど対角線上にもう一個入っているので、これも落とさないように注意。このカラーによってガスケットの位置がぴったり決まります。

クランクケースカバー取り付け

で、カバーを戻します。開いたからにはキックペダルのオイルシールも交換してしまった方が良かったですね。ガスケットキットには入っていなかったので今回はそのまま。差し込む際には無理に力を入れてゴムを傷つけないように注意します。

そうそう、今回は古いガスケットが綺麗に削げて面が出ていることもあって液体ガスケットは塗ってません。塗る必要がないなら塗らない方が「クランクケース内側にはみ出るリスク」や「次回剥がしづらい問題」を回避しやすくていいかと思ってます。

クランクケースカバー取り付け

液体ガスケットが乾いたニップルはこんな感じ。もちろん簡単に取れるものではないんですけど、そもそも弱いアルミでできているので、乗り降りの時など誤って足で蹴ってしまわないように注意しないといけないかも。蹴ったら一発で折れそう。

エンジンミッションなど、熱が加わるところのボルトは熱かじり対策でスレッドコンパウンドを塗っておく。

そしたらロングボルトで固定していきます。ボルトは固定箇所によって長さがバラバラなので、以前の記事に書いたように、ケースのどの箇所に刺さっていたものかわかるように並べておいておきました。まぁ長さを間違えるとネジ穴と高さが合わないので、多分間違えることはないんじゃないかなと思います。

クランクケースカバー取り付け

エンジン周りで熱がかかるところ。外す時も「パキッ」っという感じで緩んで固着している感があったので、細くて折れそうなロングボルトですし、熱かじり対策でねじ山にスレッドコンパウンドを薄く指で塗っておきました。

クランクケースカバー取り付け

外周に沿ってボルトを差し込んでいきます。ボルトのつけ忘れがないか要確認。そしたら星を描くように、対角線順に仮締めしていきます。柔らかいアルミケースなのでこういうの特に大事です。

クランクケースカバー取り付け

締付トルク12Nでもう1周して本締め。うちはDIYでもトルクレンチが上の画像の小さいものと、ホイールボルトまで作業できる中くらいのやつが2本あります。2本ないと一通りのトルクをカバーできないですね。

クランクケースカバー取り付け

あとは最初の記事で書いたのと逆の手順で右側ステップ類やキックスターター、クラッチワイヤーなどを戻していきます。クラッチワイヤーは長さの再調整をする必要があり、最初はピンと張ったぐらいで調整したつもりですが、ちょっと張りすぎだったようです(クラッチレバーの超手前で切れる)。後々テスト走行したあとにもう少し緩めてレバーを握っていく真ん中ぐらいでクラッチが切れるように調整し直しました。

それと上の画像はステップを固定するための大きなボルトですが、ねじ山が酸化していてちょっと捩じ込むにも固い感じだったので、せっかく購入したダイスでねじ山を綺麗に切り直しておきました。うーん、ダイスってこういうシーンで便利だな・・・。

ようやくオイルクーラー本体の取り付け。結局何日かまたいで、長い作業だったな・・・。

事前に組み立てておいたオイルクーラーをフレームに取り付けます。

キタコオイルクーラー取り付け

ニップルを取り付ける時にフィンを一部潰しちゃってるなぁ・・・。あとで直しておきます。手でぎゅっと握っただけでもフィンが潰れちゃうので要注意ですね。

ちなみに上の画像でニップルが左右で違う方向を向いているのは、前回記載したボルトの横穴とニップルの穴を合わせるように角度調整しているから。

キタコオイルクーラー取り付け

上の画像でボルトの頭に穴が空いていますが、この方向にボルト内部の横穴が空いています。なので合わせているわけです。大変ビミョーな方向にニップルが向いていますが・・・。笑

キタコオイルクーラー取り付け

はいつきました。取り付ける位置はフロントタイヤとエンジンの間にあるフレームで、高さはエギゾーストパイプとフロントブレーキのワイヤーに当たらないような、いい感じの間に調整します。U字ボルトは無限に締め込めてしまうので、やりすぎないようにします。

キタコオイルクーラー取り付け

横から見たところ。まぁいろんな方向に結構ギリギリですね。フロントブレーキワイヤーの取り回しと、フロントカウルが短くなれば熱いエギゾーストから離れてもうちょい上につくんですけど、まぁいいか。しかしオイルを冷やすアイテムなのに一番熱いエギゾーストに隣接してるし、フロントタイヤが跳ねた小石を全部喰らう位置だな。。

そしてようやく完成を迎えたときに気づく。この落ちているバネはなんだ・・・?

ようやくあとちょっとで完成!!ご苦労さま自分!!

と思ったところで腰を伸ばしつつ気づくわけです・・・。このガレージの床に転がっている小さなバネはなんだ、と・・・。これがハガレンだったら戦いの最中にエドのオートメイルが動かなくなりますし、ルパンだったら不二子ちゃん追いかけて走ってる途中のメルセデスが空中分解するわけです。つまり妥協せず取り付けるべき場所を特定すべきってこと。

エイプの謎のバネ

ここで目を閉じてこれまでの作業を脳内で振り返ります。バネなんか出会ったか?出会ってないだろう。でもなんか人差し指が覚えているバネの感触・・・。

そう、クラッチケースカバーの中、オイルポンプの少し上、クランク軸の先端にポロリと落ちやすい謎のキャップのようなパーツがついてましたが、その軸に組み込まれてたバネじゃないの!?たしかプニプニと押して「へぇーなんかわからんけどバネ入ってるんだー」と思った記憶があります。

やり直すか・・・。それはもう明日にしよう・・・。

エイプの謎のバネ

ということでまたステップやらキックスターターやらクラッチワイヤーやら外して、カバーを取り外します。めんどくせぇ・・・。でもオイルを注ぐ前でよかったとポジティブに捉えましょう。笑

自分でここのパーツは落とさないように注意とか言ってたくせに、まさかバネがいたとは。上の画像のようにバネを取り付けます。これで再び組み立て。2回目なので30分くらいで組み直せました。やれやれ。

さて改めて、オイルホースを設置する。長さは現物合わせで、エギゾーストをしっかり避ける。

ということで最後にオイルホースを設置。付属のホースには長さに余裕があるので、ニップルの方向に合わせて若干遠回りですが下のような取り回しにしました。長さを決めたらカッターでホースを切っています。

エイプ キタコオイルクーラーホース

オイルクーラー右側のホースは、コアから直接カバーにホースを伸ばすとエギゾーストに干渉しやすいので迂回しています。これならフレームにホースを束ねることで確実に固定できます(バイクはガンガン揺れるので、タイラップで固定しないと走行中にホースがエギゾーストに当たると思う)。

エイプ キタコオイルクーラーホース

影で見づらいですが、エギゾーストパイプの下を潜って、指さしているところでフレームにタイラップでホースを固定しています。なかなかいいんじゃない?これでようやくオイルクーラーの取り付け作業は完了!

次回はオイルを入れてようやく完成、テスト走行です!

エイプ:5段コアの強力なオイルクーラーをDIYで取り付けてみる。~⑤ウルトラG2オイルとテスト走行編~
クラッチケースカバー内のちょっとしたバネを入れ忘れて2度目の組み直しをしましたが、ようやく全てが組み終わりました。今回はオイルを...つづく