エイプ:5段コアの強力なオイルクーラーをDIYで取り付けてみる。~②ニップル用にケースにタップを立てる編~

さて、オイルクーラーを追加で取り付けるために、新たなオイル流路を加工して作ろうとしているところです。今回はクラッチケースカバーに穴あけとネジ切りの加工を施していきます。オイルクーラーのと取り付けはほぼこれが主要な作業なので心してやっていきましょう。

前回までの記事はこちら。

エイプ:5段コアの強力なオイルクーラーをDIYで取り付けてみる。~①オイルクーラーと必要工具の購入編~
さて、強化オイルポンプの取り付けはゴム製Oリングを注文して待つことになったので、続いてオイルクーラーの取り付け作業に移っていきた...つづく

こういう細かい加工作業は集中しやすいようにデスクに持ち帰ってやるようにしている。ガレージに工作デスクが置ければ良いのだけど・・・。

ここからは別日に落ち着いて家のデスクで作業しています。

エイプのクラッチケースカバーの穴あけ加工

まず2mmとか3mmとか、とりあえず細めのサイズで下穴を開けます。開ける穴は2箇所で、上の画像で人差し指と親指が差しているらへんです。まず深く掘る難しい方からいきましょう、親指の方です。地面と平行方向のドリル入れなのでわかりづらいですが、面に垂直に入れます。この下穴を真っ直ぐ開けられるかが、今後の穴の方向を決めます。

エイプのクラッチケースカバーの穴あけ加工

ただしこちらはメクラネジが入っている箇所なので、位置は間違うことがないです。なるべく中心に穴を開けます。5mmぐらいで貫通するんですが、わりと簡単に開きました。

エイプのクラッチケースカバーの穴あけ加工

下穴が空いたらさらに6.8mmに切り替えて広げていきます。メクラネジはこのサイズで抜いていくと自然と取れるので無視します(ただし中心に穴を開けていること)。

エイプのクラッチケースカバーの穴あけ加工

キタコの取説指定は20mmの深さ。というのも壁の厚みは5mm程度なんですが、その奥は狭いオイル流路になっていて、これをニップルが差し込める6.8mmの幅に拡張していくことになります。その拡張の深さまで含めると20mmということですね。

エイプのクラッチケースカバーの穴あけ加工

上の画像の通り、差し込む予定のニップルはネジ部とその先の管で20mm程度です。ドリルの先端は尖っている分があるので、もうちょい深めに掘っておきます。

エイプのクラッチケースカバーの穴あけ加工

わかりづらいんですけど、このカバーは内側が2層になっていて、外壁側の狭い空間はエンジン本体につながっていくオイル流路になっています。昨日拡張したオリフィス穴に繋がっているのもこの狭い空間。そしてオイルポンプがあるぐらいまで管が作られていているんです。

オイルクーラーはこのオリフィス穴とオイルポンプ穴の間の狭い空間に割って入る流路です。

エイプのクラッチケースカバーの穴あけ加工

とりあえず穴を開けながら、ちょっと進めては中を見て確認しつつ慎重に進めました。ひとつ前の画像で見えた横穴、そしてその奥にオイルポンプにつながる管がありますが、その太さも拡張しています。ちょうど穴の真ん中に入っているのでいい感じです。

下穴を開けたらタップでねじ山を切る。ニップルからのオイル漏れに影響するので慎重に。

穴が空いたら、タップを入れます。ちょっと小さめに穴を開けておいて、そこにネジ山を切るタップというものをねじ込んでいくことで狙ったサイズのネジ穴になります。今回はM8径で、ねじ山のピッチ1.25が指定です。タップとダイスは前から欲しいと思っていたので汎用的なサイズのセット品を購入。これで錆びたり酸化気味の、入っていきづらいネジ山も綺麗に切り直すことができますね。

エイプのクラッチケースカバーの穴あけ加工

ということでハンドタップをセットして、ゆっくり垂直にねじ込んでいきます。感触が固いなと感じたらゆっくり逆回転で外して切屑を出し、もう一回ねじ込んでいくというのを繰り返していきます。ここでの指定は10mmの深さですが、タップのスタート部は規定幅より狭くて穴に入りやすいようになっているので、10mmより深くネジを切らないといいところまでニップルがねじ込めません。

エイプのクラッチケースカバーの穴あけ加工

はい!ネジ山まで切ったところ!断面映えですね!

アルミでとても柔らかい金属なのでタップ切るのは苦労もしませんでした。中には多少バリがありますが、何度かタップを差して抜いてをして取れなかったものは今後も取れないと思うので無視します。掃除は最後にまとめてやりましょう。

エイプのクラッチケースカバーの穴あけ加工

こちらのニップルは奥までねじ込むと、この横穴を塞ぐことになります。元々の流路ではこの横穴と奥につながる穴でオイルが流れていたのですが、横穴を塞いでニップルと奥の穴を流路にするっていうことですね。

つづいてもう一つの穴。こちらは2重の壁の奥を傷つけないように気をつけて作業する必要がある。

そして塞いだ横穴の先にもうひとつのニップルを取り付けます。ということで続いてもう一箇所の穴を開けましょう。手順は一緒ですが、こちらはニップルの先に管がついておらず、つまり薄い外壁だけに穴を開けて、その先の内壁には穴を開けてはならないということです。

エイプのクラッチケースカバーの穴あけ加工

穴を開ける場所はカバー断面の端っこから20mmぐらいという指定。縦方向の位置はなんとなく説明書の絵を参考に決めました。しかしこれが微妙な結果に・・・。絵を信じず断面を見て、下の画像のもっと下方向(1つ目の穴に近い方)に開ければ良かったです。

下の画像を見るとわかる通り、穴を開けた2/3ぐらいの面積が壁面を掘り下げているわけです。1/3はオイルが流れる予定の空間に穴が空いているのでオイル流路はしっかり確保できているのですが、んーまぁ余分に壁面を削ったなという感じ。

エイプのクラッチケースカバーの穴あけ加工

その穴の開き方が下の画像(クラッチケースカバーの断面方向から)見るとよくわかります。それと同時にちょっとタップを切る時も切りづらいんですよね。あまり深く穴を開けてしまうと内側の壁面を貫通してしまって流路としての意味合いがなくなってしまうので、無理をして開けるわけにもいかず、でもタップを切るには深さが浅い(タップが奥まで入らない)って感じです。

エイプのクラッチケースカバーの穴あけ加工

まぁとりあえず最低限タップを切ることができたので、取り付ける予定のニップルを仮組みするとしっかりとねじ山は噛んでいます。でも奥までねじ込みきれない。これはケースの切削屑を掃除してから、ホン取り付けの時に力でねじ込むことにしましょう。アルミなのである程度締めれば入っていくはず。

その考えが悪夢の始まりだった・・・。ニップルがバキ折れる。

金属の切削屑は厄介です。切屑とはいえ鋭利で固さがあるので何かを傷付けるには十分な危険性があり、それがエンジンの中をオイルと一緒に流れると思うと恐ろしい話ですよね。

なのでフーってしてキレイになったから、ではなく再度液体で流し落とします。僕は乾燥の早いパーツクリーナーで上から下に向かって全面を、そして穴の中も丁寧に流しました。

エイプのクラッチケースカバーの穴あけ加工

キレイに洗浄できたらニップルを取り付けます。ニップルはオイルクーラーキットについてきた物を使います。1本は固定するネジ部の先に筒がついていて、もうひとつは筒がついていません。今し方開けた方の穴は短い筒がついていない方を使います。

とりあえず本固定の前にネジ穴を広げるべくレンチを使ってゆっくり強くねじ込んでいきます。そして・・・。

エイプのクラッチケースカバーの穴あけ加工

メキョっと折れました・・・。穴を開けてタップを切るところまで順調だったのに・・・。これはお勉強代です。即座にキタコのニップルだけAmazonで再注文しました。これね、素晴らしいことにアルミ製で超軽量にできていて、しかもニップルなので中空ということで、超折れやすいんですよ・・・。笑

ニップルがないので今日の作業はここまでとなります。Amazon Primeの送料で注文した次の日に届くAmazon様に感謝。あー勉強になりましたとさ。笑

エイプ:ボアアップの熱ダレ対策。DIYで強化オイルポンプを組み込む。~④強化オイルポンプ取り付け編~
さて、ニップルを再注文したので明日まではクラッチカバーを取り付けてオイルを注ぐことができないということに。その間にできる作業を進...つづく