DIYでクラシックフェラーリのフューエルフィルターを交換してみるということで、前回はなぜフィルター交換が必要かということと、新品フィルターの調達について書いてきました。今回は交換作業に入っていきたいと思います。前回までの記事はこちら。
まず最初に!!とっても大事なバッテリーキル!!!
テスタロッサはバッテリーのキルダイヤルがついているので、これでバッテリーの通電を大元からカットします。今回必ずガソリンが溢れる作業なので、バッテリーを切らないで作業すると万一火花が起きたり、配線にかかってショートした時に確実に燃えます。
基本的に作業方法はどの旧車でも同じようなものです。新しい車だと完全にバッテリーを落とすと色々な設定が消えたりするので、そのあたりは考慮が必要と思います。
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エアーフィルターとフューエルフィルターの固定バンドを外して作業スペースを確保する。
テスタロッサというかイタリア車のエンジンルームは左右で対象の構造になっているので、フューエルフィルターは2つあります。まずは面倒な左側から作業していきましょう。何が面倒かというと、作業するにあたって邪魔な場所にエアーフィルターがあるからです。このエアフィルターは何用ですかね?もちろんエンジンの吸気に使うエアフィルターとは別です。外気取り込み用な気がしますが、だとするとこのオイルとガス臭に満ちたエンジンルームから室内に吸気するってどうなの?と思いたくはなりますね。笑
フュエルフィルターのバンドから緩めようとしたのですが、やっぱりエアフィルターが邪魔なのでまずこのエアーフィルターを外します。黒いエアフィルターの円筒も、その下のフューエルフィルターも、どちらも10mmのボルトでバンド留め(ホースバンドではなく、もっとガッチリした固定具)されているだけなので、ボルトを外してしまえばとりはずせるはず。
エアフィルターのバンドはフレームに直接ナットひとつで固定されています。触ったら最初からナットが緩かった・・・。
これでエアフィルターは避けておいて、フューエルフィルターのバンドを外します。こちらは10mmのボルトナットで共締めなので、上下両側から10mmのソケットで緩めます。ボルトナットは落とさないように。
これで動くようにはなりますが、固定用バンドが太くて硬いのでバンドを広げて外すというのは無理です。バンドを緩めた状態で前後から抜くしかなさそうですね。となると前後をin/outの燃料ホースで繋がれているフューエルフィルターは、片方のホース接続を外せばようやくフィルターをバントから抜くことができるということです。狭いですがガソリンを受け止めるトレイを用意してホースの接続を外していきましょう。
ここが難所。固いフューエルフィルターと燃料ホースの接続箇所を緩める。
本題のフューエルフィルターと燃料ホースの接続を分離します。テスタロッサの燃料ホースは噴射のために加圧されるので金属メッシュホースなので金属パイプではなく、動かすことができます。でもホース自体に長さの余裕はないので、実際はバンド固定されていた場所に手を突っ込んで作業することになります。
あと一応、作業するまえに一度ガソリンタンクキャップを外して揮発による内圧を抜いておきます。
先ほどの画像で分かる通りオスとメス両方が六角ナットになっているので、下の画像のようにレンチ2本を使って緩めます。
長さのある六角ナット(つまりホース側ナット)がホースに対してナットが自由回転するので、まずはここを外します。フューエルフィルターにはガソリンが入る側と出る側が設計上決まっているので、基本的に間違えないようにフィルターのin/outで径が異なります。ちょっとどっちがどっちか記憶が曖昧になってしまったんですが、車体後ろ側(in)が19mmと17mmのナットで共締めです。
今回19mmのレンチがなかったので、片方はモンキーを使っています(これぐらい径が大きければ、モンキーでもナットを舐めないと思う)。ここがかなり硬くて、しかも緩むときは一瞬で緩んでガクンとなるので工具をボディなどにぶつけないように注意が必要です。
さらに緩むとすぐにサラサラをガソリンが漏れてきます。オイル交換に使っている浅くて大きめのトレイを用意していたんですが、フィルターの下に差し込むスペースがなかったので大量の紙を突っ込んでおきました。でもある程度サイズのあるタオルとかの方が良かったかも。結構出てくるので紙だと吸いきれない感じです。
緩んだ接続部分はあと手で簡単に回せました。急いで外すと、短いホースが外れたことで遊びができて、フューエルフィルターをある程度動かすことができるようになります。
とりあえず上を向けてこれ以上ガソリンが漏れ出てこないようにしますが、まだバンドに半固定されているので、バンドよりも車体前方向にフィルターを抜いて・・・
そして上を向けます。これでいったんは漏れが止まるので一息。笑
このときある程度の高さまでホースを引っ張り出すことができ、これでトレイにフィルター内のガソリンを流し出します。全部は流し出せないですが、それでも結構な量のガソリンが貯まります。このガソリンが出てくるのは仕方がなく、最終的にフィルターの用量分はガソリンを出すことになるわけです(そう思うと結構な量なのがわかる)。
とにかくガソリン臭いですね。小さい頃からガソリンスタンドの匂いが好きな僕でも、しっかり換気しながらやらないとクラクラしそうです。。
続いてフィルターのout側も接続を外す。間違わないようにフィルターのin/outで固定ナットの径が異なる。
このトレイに乗った状態で反対側(out側)の接続も外します。構造は同じでロングナットの部分が自由回転するので、こことその隣の六角が共締めになっているので外します。こちら側は17mmと17mmです。
こちらも硬いですが、なんとか外れたらフィルターを完全に分離できました。これでようやく落ち着けます。。テスタロッサの燃料フィルターは燃料ラインの中でも一番高い位置にあり、つまりフィルター内のガソリンさえ流し出せば、それ以上ホースからガソリンが流れ出てくることはありません。
ホースは一応紙に包んでおいて、先端がだらりと下に垂れないようにしながらおいておきます。
ようやくこれで車体からフィルターを分離できました。ボディに力かけないよう若干苦しい体制で力の入れる作業をして思ったよりしんどかったんですよね。。でもまだこのフィルターからアダプターを外す作業が残っています。続きは次回。