ローバーミニ:エアコンの効かない夏はツラい!DIYでクーラーガスを全入れ替えしてみる。~②クーラーガスの規格と真空引き編~

前回に引き続きのDIYでクルマのクーラーガス交換です。前回はそもそもエアコンの冷風が弱まっているのはクーラーガス不足なのかどうかを現状から確認することと、真空引きで本格的にクーラーガスを入れ替えるにはどんな道具が必要でいくらかかるのかを書いてきました。今回はクーラーガスの規格と実際に真空引きまでやって行きたいと思います。

前回の記事はこちら。

ローバーミニ:エアコンの効かない夏はツラい!DIYでクーラーガスを全入れ替えしてみる。~①ガス残量確認と使う道具編~
いやー真夏ですね。今年は全くと言っていいほど都内は雨がなく、先日久しぶりに一度土砂降りがあっただけ。とにかく暑くて今夏これまで外...つづく

クーラーガスチャージのDIYで一番気をつけること。それがガスの種類が合ってるかどうか。

クーラガスというのは環境規制の都合で世代によって幾つか種類があり、ざっくり言うと

  • R12(フロンガス、~1990年ぐらいまでの車)
  • HFC-134a(一般的に134aと検索すれば出る、1990~2013年ぐらいまでの車)
  • HFC-1234yf(現在これ、2013年~の車)

の3種類があるので、自分のクルマにはどれが適合しているのか間違えなく確認する必要があります。特に旧車乗りの皆さまはR12なのか134aなのか要確認で、さらに新車時R12でもリビルドで134a適合にコンバートされている個体もあります。

特に何が問題なのかというと、R12用のエアコンシステムに134aを入れると成分の違いによってゴムパッキンが劣化しガス漏れを起こします。車種によっては説明書やエンジンルームに適合ガスが書いてあるかもしれません。つゆだく(ローバーミニ)はいずれも記載なし!もちろん生産期間が異常に長いので、何年式かによっても仕様が異なると思います。

説明書に記載がなくて、軽くググった感じでもわからなくて、どうしようかなぁと思ったのですが一般的に(純正状態でパッキンだけコンバートされてなければ)R12と134aでコネクターの形状が異なるとのこと!なのでこれで見分けをつけようと思います。

ローバーミニのエアコンガスチャージ

エンジンルームを開けてH/Lのキャップを外すと134aっぽい!どうやらこのキャップを外したアダプター部分の外周にねじ山がなく、カップの内側にだけネジが切られているものは134a対応のアダプターらしいです。まぁさすがに1997年販売の新車でフロンガスってことはないと思ってましたが、これで確信が持てました。

(あとからミニの取説めくったら、ちっちゃくコメントで97年以降ミニはエアコン標準装備で134aガスって書いてありました・・・)

作業開始!まずはホースを接続して、圧力測定用のマニーホールドゲージを接続する。それと一応元々のガス圧を測っておこうかな。

まずマニーホールドゲージを接続します。一貫して、赤は高圧Hで熱い、青は低圧Lで冷たい、黄色は外部との接続用ということを頭に入れます。僕の買ったメジャーな製品では、取説こそ全然説明が少ないですが、ネット上に使い方がたくさん載ってます。まずゲージのキャップを取ってホースをねじ込んで接続。案外緩みやすいので強くねじ込む必要はないですがキッチリ固定します。接続部から空気が出入りすると台無し。

クーラーガスチャージ用マニーホールドゲージ

そしたらゲージは付いているフックをボンネット裏に落ちないようにかけるといいですね。横に寝かさない方が液状ガスが誤って流れづらいので安心です。そして赤と青のダイヤルバルブがしっかりクローズになっている状態にします。

クーラーガスチャージ用マニーホールドゲージ

次に車体に接続。この製品は134aでは付属のアダプターが必要なので接続します。ここも緩まないように。そしたらクーラー循環ホースのHとLに接続します。画像のように手前に外周カバーを引っ張りながらグッと勢いよく差し込んでカバーを離すとロックされます。軽く引いて抜けないことと、シューとかガス漏れ音がしないことを確認してもう片方も接続します。HとLはアダプターの径が違うので間違うことはないはず。

ローバーミニのエアコンガスチャージ
ローバーミニのエアコンガスチャージ

これでゲージの針が動いたはずです。接続された以降はダイヤルバルブをオープンにするとクーラーガスがブシュー!!と出るので注意が必要です。

ローバーミニのクーラーガス補充

エアコンというかクーラーは、コンプレッサーを挟んだ前後で圧力差があり、冷媒を加圧して冷やし気化して外気より低音を作り出します。なので高圧と低圧でゲージがあるわけです。すると本来、車種ごとの設計上、クーラガスの量(g数)もしくはエアコン稼働時の高低圧の規定値があって、それを目指してガス補充量を決めます。でも探したけどその記載はない。。なので、一旦参考までにガス不足の現在値を測って記録しておきます。ゲージ接続状態で、エアコンオンにしてエンジンをかけます。水温も上がった安定状態のアイドリングでの気圧を記録しておきます。

ローバーミニのクーラーガス補充

低圧(青)4.0kg/cm2、高圧(赤)18.5kg/cm2ですね。少なくともこれより入ってる必要があり、あとはサイドグラス見ながらって感じですかね。。

まず古いガスを抜く。勿体無いけど、一度真空にしなければ完璧な状態で補充されない。

スッゲー安く済ますには、このマニーホールドゲージのメーターが1つ、Lのみに直接新しい缶を接続して補充するキットがあります。ただこれだとクーラー配管内に空気があればそれは追い出せないので、最大必要なところまでガスチャージできるかはわかりません。それで十分な可能性もありますが、やってないのでわかんないです。

しかし店などでちゃんとやってもらうと一度真空にします。真空状態からガスチャージするのでいっぱい入るし、空気は混入していないことになります。

それともうひとつ。真空にすることで配管の気密性を確認することができます。結局ガス漏れを起こしてるのに補充しても漏れていくだけで、毎年夏につけるとクーラーが効かないとか、最近急にぬるくなった場合はガス漏れなのでパッキン交換が必要です。修理が必要かが判別できます。

エンジンは止めた状態にして、マニーホールドゲージの外部接続ホース(黄色)を真空ポンプに接続します。この黄色のホースで中の古いガスを吸い出して真空にし、その後新しいガスを流し込むことになります。

クーラーガスチャージ用の真空引きオイルコンプレッサー

真空ポンプはオイルレスを買おうと思ったのに忘れてて、セットで安かったオイル式ポンプを買ってしまいました。。まぁいいや。ただオイル式ポンプはオイル入れずに回すと壊れます。なのでオイル状態を確認せずスタートしないよう、まじで気をつけてなきゃいけないです。今回の製品はオイルが250cc付いているので、これを使います。

外箱には本題じゃないところで取り扱い注意の日本語記載がありますが…

クーラーガスチャージ用の真空引きオイルコンプレッサー

取説は英語のみ。おーのー半端な日本語対応。本体にオイルのマークがついたバルブが2つあるのですが、どっちから注いだらいいかよくわかんないんですよねー。取説に図も、英語の明記もないですが、なんとなく赤い方っぽい。回してキャップを外したら注ぎ込みます。

クーラーガスチャージ用の真空引きオイルポンプ

付属のオイルの内蓋は、僕の嫌いな乳酸菌飲料型(飲み物は好き)のアルミフィルム。汚く穴開けて注ぐと変な方に流れてこぼしそう。

クーラーガスチャージ用の真空引きポンプ

側面にオイル規定量がみれる窓があるので、眺めながら注ぎ込みます。全然水位が上がってこねーな、と思ったら最後の方にグッと水位が上がって、250mlのオイルは丸々飲み込まれました。なるほどね。

ローバーミニのクーラーガス補充

コンセントに接続して真空ポンプのスイッチを入れてから、マニーホールドゲージのL側、青いダイヤルを少しずつ開きます。Hは圧力が残っている可能性があるので低圧側から少しずつ抜いていく感じです。それでも勢いよく緩めるとまだ液状のガスが流れ込んでしまうので、ゆっくりと開いていって慣らします。クーラーガスは高圧で液体、大気圧で気体なので、気体状で少しずつ抜かないと真空ポンプを壊します。僕はゲージ中央の小窓から見えるように、ちょっと液体で吸っちゃいました・・・。

ローバーミニのクーラーガス補充

青が抜けてきたら赤も少しずつ開いて真空になるのを待ちます。5分ぐらい待ってると両ゲージの針がマイナスで最大値になるので、そしたら赤青共にクローズして密閉してからコンプレッサーのスイッチを切ります。

ローバーミニのクーラーガス補充

この状態で15分待ってみて、針が動いてなければ真空状態で密閉されているということ。つまりガス漏れはない正常な状態です。つゆだくは針が動いてないことを確認できたので完璧!

ローバーミニのクーラーガス補充

ここで漏れることが確認された場合は修理が必要です。ガスチャージしても長持ちしません。エアコン修理は金がかかる。。ちなみに修理に乗って持って行く際、ガスが空の状態でクーラー回すとコンプレッサーが破損するので絶対にダメですよ。

次回はクーラーガス補充編です。

ローバーミニ:エアコンの効かない夏はツラい!DIYでクーラーガスを全入れ替えしてみる。~③クーラーガスチャージ編~
前回に引き続きのDIYでクルマのクーラーガス交換です。前回は真空引きで元々のクーラーガスを抜いて新しいクーラーガスが吸われやすい...つづく