前回に引き続きのDIYでクルマのクーラーガス交換です。前回は真空引きで元々のクーラーガスを抜いて新しいクーラーガスが吸われやすい状態にしたのと、加えて真空状態にしたことでガス漏れがないことの確認ができたことまで書いてきました。今回は新しいガスをチャージして完成にしたいと思います。クーラーガスの補充作業で一番時間がかかるのはここですかね。
前回の記事はこちら。
このページのもくじ。
ようやく新しいガスを入れる。あれ、15分待っても思ったよりなかなか入っていかないぞ。。真夏でも缶を水で温めるのが良さそう。
機密性確認ができたら、真空状態のままコンプレッサーとの接続を外します。真空ポンプはこれでおしまい。
代わりにエアコンガスとの接続アダプターをセットします。ひとまず134aのガス缶は3缶持ってきました。どれぐらい必要なのか分かりませんが、1缶あたり200gで軽自動車だと2缶ぐらい?なんてネットで見かけます。
缶とホースの接続アダプターはパッと見使い方がわかりづらいですが、この製品の場合は
- 缶に固定するレバー
- 缶に接続部分を密着させて漏れなくするためのメインネジ
- 缶に穴を開けるためのネジ
をこの順で固定していきます。まずホースに繋いだらそれぞれを緩めます。缶に穴を開ける針も引っ込んでいることを確認。
そしたら缶に押し付けながらレバーを倒してアダプターと缶を固定します。もうちょっといい構造あるだろ、と思いますが缶の折り返しにしっかりレバーが噛んでいるか見ておきます。画像よりもっとアダプターを缶に密着させて固定できます。。
そしたら缶ごと回してメインネジを閉めていき、缶に接続部を密着させます。ここはゴムパッキンを缶に押し付けてるだけなので、キツく締め込む必要はないです。
最後にトップのワインオープナー的な物を回してねじ込みます。意外と力が不要で穴が開くので、回らなくなったら貫通しているので元の位置まで緩めます。僕みたいにまだ缶に穴が開いてないと思って強くねじ込もうとすると取っ手がもげます・・・。それとこれ緩めないとガスが出てきません。僕は緩めなくてアレっ?てなりました。
次に黄色いホース内部に残っている大気を除きます。ゲージの黄色いホース付け根にあるキャップを外すとニップルが出てくるので、この中心の針を押すとガス缶からのガスが噴き出します。
ちょっと出すことでホース内の空気を押し出すというわけですね。気をつけなきゃいけないのが液化ガスが勢いよく出るので、自分にかかると危険。布を当てて工具でちょこっと押すのがベターです。ほんのちょっとで十分で、布に黄色い色がついたらガスだということがわかります。
これで準備完了。ここからは高圧H側の赤いバルブは一切開きません。エアコン稼働中に高圧を開くとバスガス爆発になるらしいです。もっかい閉まってることを確認。
さらに液体で流し込まれないように、缶は常に立てておいてください。横にしたりすると液体が流れ込んでしまいます。
それで少しずつ低圧側のバルブを開いて行ってガスを流し込みます。まだガスが入っていってないので1本目はエンジン停止で行うこと。でないとエアコンコンプレッサーを壊します。
これでゲージの針が登っていくのを見ながらしばし待ちます。クーラーガス缶って、持ってみるとわかるんですが中身満タンに液体なんですよ。これが気化しながらチャージされていくので、入っていってるほど気化熱でキンキンに缶が冷えます。これは冬に作業すると進まなそう。。
なかなか1本目が空にならない。。仕方ないのでエンジン回そう。
15分待ちました。缶は冷たくはなく、でも軽くゆするとまだまだ液体が残ってます。ゆすると気化が進んでまた冷えるので、つまり入っていってるということ。
なのでひたすら手で温まるよう握りながら缶を揺すり続けます。。夏だから冷えるのは涼しくてありがたいですが、真夏でももうちょい温めないと気化効率が悪いですね。。(股に挟んだら最高に涼しい気持ちになれますが、この状態で缶をゆすると近所に通報されるので危険です)
結果水道水のバケツにドボン。横にならないように注意しながらこの状態でゆするのが1番効率がいいですね。冬だとぬるま湯を補充し続ける必要がありそう。。
1缶目がある程度空に近づいたのですが、まだ完全には入り切っていません。ゲージを見ると上のようにガスを流し込んでいる低圧側(青)だけやたら圧が高いので入って行きづらいということですよね。
仕方がないのでエンジンをかけてクーラーをつけます。すると流し込んでいる低圧側のゲージが下がっていくのでガスがみるみる吸われていくようになります。やれやれ。
缶をゆすって液体感がなくなったことと、さらに揺すっていても缶が常温から冷えない状態になったら空っぽです。まず低圧ダイヤルを閉めて車体側を密閉します。エアコンついてる状態で圧力を見ると、元々ガスを抜く前より低く、サイトグラスも超泡が流れてます。1缶じゃ全然足らないということですね、そりゃそうか。
そしたら必ずエンジンを止めてガス缶交換。先ほど黄色ホース内の空気を抜いたニップルから缶に残った僅かなガスを抜きます。そしたら缶にアダプターをつけたのと逆の手順で缶を外します。綺麗に缶に穴開いてますね。
新しい缶を先ほど同様に接続します。缶に穴開ける前に再度各接続部の緩みを確認。缶をゆすってると緩む可能性がありそうです。それと新しい缶でも、黄色いホース内の空気をニップルから抜くのをお忘れなく。低圧バルブを開けたら再度エンジンをかけてエアコンをつけっぱなしにします。窓開けてエアコンをかけると、室内が冷えずにコンプレッサーが回り続けます。
2缶、400gのガスを流し込み完了。でもサイトグラスは全然ビールのように泡だらけ・・・。やっぱり3缶目が必要なようだ。
うーん、軽自動車で2缶ぐらいらしいのでミニもそんぐらいかなと思っていたのですが、設計が古くてコンパクトじゃないからか、2缶足らないよう。サイトグラスを覗いてみても、ガス交換する前と同じぐらい薄黄色く濁った泡だらけの液体が流れています(僕の好きなHazy IPAのクラフトビールが飲みたくなりますね・・・)。エアコンの吹き出し口に手を当てても、冷えてはいますがこれも交換前と同じぐらいな感じ。
足りないものは足りないのでもう1缶チャージして行きます。手順は同じ。
3缶目であってもエンジンを回しながらであればL側の気圧は缶圧より低いので同じように入って行きます。3缶目を入れ始めても全然泡まみれだったので油断していたのですが、3缶目の後半になってサイトグラスを覗くとなんと真っ透明に。
たまに泡が流れるぐらいが適正なのですが、全く流れないのでちょっと入れすぎですね。。でもあと缶の残量がちょっとで、DIYだと残りは大気解放するしかなくなってしまい勿体無いし環境に悪いので、なんとなく入れ切ってしまうことに・・・。適量はおそらく2.5缶ぐらいだったんだと思います。
上の画像が3缶まるまる600g流し込んだ後のアイドリング状態での気圧。低圧(青)3.3kg/cm2、高圧(赤)23.5kg/cm2ですね。炎天下の作業だと高圧側が特に高くなりがちですが、それを加味すると異常値ではないかもしれません。わからん。自己責任で。
本来一般論としてクーラーのコンプレッサーが最も効率よく稼働するのはエンジンの回転数が1,500rpmぐらいらしく、その状態での測定値が正確な値なのかもしれません。でもひとりだとアクセル踏みながらゲージ見れないので、ぼっちの人は動画でゲージ撮影しながらアクセル踏むとかですかね・・・。
上の画像が3缶まるまる600g流し込んだ後のエンジン1,500回転での気圧。低圧(青)3.0kg/cm2、高圧(赤)26.5kg/cm2です。やっぱりちと入れすぎですかね・・・?バルブを緩めて少し抜くのも可能ですが、まぁいったんいいでしょう。
さぁ肝心の!冷え具合はどうだぁ!!!
これでクーラーガスチャージ作業は完了です。初めてで不慣れだったので時間がかかった気がしますが、慣れてしまえば難しくない作業ですね。ただ普通は数年に一度しかやらないのでまた不慣れな状態に戻る気がしますが・・・。笑
チャージが完了したら全バルブをしっかり閉め、ガス缶を外してしまいます。あとは車体に繋いだ高圧と低圧のホースを外すのですが、高圧はエアコンかけながらの作業でかなり熱くなっているので注意が必要です。厚手の布でアダプターを掴んで勢いよく抜いてしまいます。
プシュッと一瞬ホースに残ったガスが出る音がしますが、車体側はそれ以上ガスが抜けない構造になっているので、元通りキャップを閉めたら完成。
さぁ肝心の冷え具合はどうかな!ということで測ってみると・・・
む!ほとんど変わらん!!笑
・・・なんかがっかりですがガスは満タンですし(詰めすぎだからかな?)、漏れもないのでこれで完了です。あと可能性としてあるのは、エバポレーターやコンデンサーなどの問題ですが、ひとまず炎天下でのアイドリングだけではなんとも言えないので乗ってみるしかなさそうです。
このあと嫁が乗った印象としては、走るとやはりしっかりと冷えるとのこと。よかったよかった!これで炎天下の今年の夏もつゆだく(うちのローバーミニ)をファミリーユースできそうです。以上、DIYでクーラーガスチャージでした。