前回に引き続きうちのてすたろー(フェラーリテスタロッサ)の内装レザーメンテナンス。今回は僕が使っているレザーケアグッズと、クリーニング作業について書いていきたいと思います。ちなみに僕はレザーケアはカーケア用品を使わず革専門メーカーの製品を使っています。
前回までの記事はこちら。
このページのもくじ。
僕がクルマ、あるいはそれに関わらず使っているレザーケアの道具はこれだ。
使うのは僕がレザーシューズのメンテナンスに使っているものが中心です。全部が全部じゃありませんが、靴に限らずレザー製品全般に使うことができます。ちなみにクルマ用と謳われているレザーケア製品は使っていません。別にカーケアブランドのレザーメンテナンスケミカルがダメだとは言わないですが、オールインワンであることが多く満足いく状態を目指すなら用途別のケミカルがあった方がいいのと、餅は餅屋なのかなと考えています。
「簡単に、いい感じな程度にケアしたい」
というならカーケアブランドでもいいと思います。多分汚れも落ちやすく、防汚・防水成分も多く入ってるかもしれません。でも表面を掃除するのではなくレザー自体をケアしたいなら、おそらく金がかかってもレザーケアブランドの製品を用意した方が良いというのが僕の考えです。
クリーナーは基本的にレザーへのダメージを最小限にするため水性クリーナー。これはM.MOWBRAY(モウブレイ)製のものを使っています。まずはこれでクリーニングをかけて、どうしても汚れが落ちなかったところだけ局所的に使うのがSAPHIR(サフィール)製の油性クリーナー。結構強力に落ちるのですがレザーへの負担も大きいので最小限で使います。これで靴が当たった跡なんかも落ちますが、灯油的な強力な匂いがするので換気が必要です。ちなみにレザーシューズだと半年か年1ぐらいの頻度で全面にこれを使ってフルデトックスさせてイチからクリームを塗り込みます。
次が今回補修で使うクリーム。レザーの擦れ・剥げにはいわゆる染料を使いますが、色がぴったり合っていることが必要だったり、染め方が強く取り返しがつかないので今回はカラークリームを使います。レザーシューズのメンテナンスでは靴それぞれの革の色のクリームを持っていて、毎回それを指で塗り込んでいます(体温で染み込みやすい)。これで保湿と同時にシワ部分の色が補えたりするのですが、今回テスタロッサにはスレのある部分のみ局所的に使って補色をさせます。これもSAPHIR製、ブラウンとタンカラーのツートンなのでそれぞれの色を使います。
最後にメインの保湿クリーム。レザーケアのクリームというと主に油分を染み込ませて革の柔軟性をキープするのと、表面の保護をしてくれます。今回はテスタロッサのために新しいクリームを調達しました。それがCollonil(コロニル)製の1909シュプリームクリームデラックスです。皮革への浸透力の高いシーダーウッドオイル、ラノリンなどの天然オイルを配合した皮革のための最高級栄養クリームとのこと。そしてカラーは無色です。
僕も(最近やってないけど)趣味でレザークラフトをやっていたので革にはある程度馴染みがありますが、こういったグッズには弟の方が詳しいので相談してこれにしました。ちなみにこういったレザークリームには植物性オイルと動物性オイルがあり、今回は植物性です。植物性だと固くハリがあって形を作っているレザーは型崩れがしづらく、レザー製のバッグなんかも植物性が推奨されます。一方で動物性は革を柔らかくする効果があるので、レザーシューズにミンクオイルなんかを使うのは、靴を柔らかく履きやすくするためらしいですよ。
おまけですが、革靴磨きではカラークリームの後に鏡面磨きのワックスを使っていて、それがSAPHIRのミラーグロス。ピッカピカのツヤッツヤになるのでニヤけた顔が靴に反射して見えます。磨いた後履いて出かけるのが勿体なく感じますね。
さらに関係ない話ですが、僕もこれまで無印良品のエイジングケアシリーズ使ってましたが、この歳になって効果でもアスタリフトシリーズ使うようになりました。。笑 某外資系化粧品メーカーにいた偉い人に聞いたんですが、化粧水とクリームはブランドや価格によっても効果があまり大差ないらしいです。でも美容液はテクノロジーの結晶で各社の実力がモロに出るので、お金かかってもしっかりとしたものを選んだ方が良いらしいですよ。うちは嫁と兼用なので女性用ですが、先行美容液と美容液の2つは今後も使い続けてみようと思います。
さーて、一番大変なクリーニングから始めるか。テスタロッサは2シーターでも相当レザーが使われている面積が広くて大変。。
テスタロッサはデザインこそシンプルですが、天井からドアポケットまで隅々にレザーが使われているため実はかなりメンテナンスが大変です。2シーターですけど広い4シーターのパナメーラと同じぐらい(作業の体制的にも)苦労しました・・・。
クリーニングは布で行っていきます。普通のタオルでも良いですが、靴下があると手にはめてガシガシ進められるので結構作業製が良いです。温泉旅館行くとよく足袋靴下がありますが、僕はあんまり履かないのでそれを靴磨き用に持って帰ってきて溜めてあります。あとうちだと子供がサイズアウトした靴下も溜めて掃除に使ってます。こっちの方が指3本だけに履いて使えるし厚手だし便利!
ということで片っ端からいきましょう。とりあえず人の手が触れずに汚れが少なそうなダッシュボード周りから。ゴシゴシ擦る必要はないのでテーブルを拭くぐらいの強さで丁寧に隅々まで拭いていきます。うちのてすたろーはダッシュボード周りとセンターコンソール周りがブラウンで他はタンのツートン。わかりやすいようにブラウン部分を綺麗にしました。
バズライトイヤーには最後のときまで働かせてしまって申し訳ないですが、ダッシュボード周りだけ綺麗にしたらこんな感じで汚れが取れました。ありがとうバズ!
レザーの方はというと、ブラウンは元々濃い色なのであまり汚れが目立たず「変わったな」という印象はありません。でも表面の汚れと共に油分が落ちたので元々よりマットで乾いた状態になったのは見てわかります。これで「キレイになったので終わり!」というのは最悪で、石鹸で顔洗ってそのまま何もつけずに肌がカラッカラに乾燥するのと同じです。でも革製品を拭くだけ拭いてそのままの人も案外いるのでは・・・?
クリームを塗り込む前に傷の補修をする。傷は逆に濃い色のレザーの方が目立ちやすい。
ここで保湿する前に傷の補修をしていきます。ブラウン部分にはスレ傷や靴など?の当たった傷がいくつかあり、柔らかいレザーに傷がついて目立ちやすくなっているので(レザーは傷がつくと白っぽくなる)ブラウンの色で補修します。
先程のクリームのうち、ブラウンを本当にほんの少し、直接指にとって傷の部分に塗り込んでいきます。まずはメーターハウジングの上端のスレから。ここはどうやらステアリングを回す時に手がぶつかりやすいらしく、わざわざステアリングを手前にオフセットする部品もあるとか。僕自身は気になったことないのですが、確かに結構傷がついていて手にリングつける人はここを痛めつけるのかもしれません。左側はまだクリームを塗っていなくて禿げた部分が結構目立ちます。
クリームは思ったよりよく伸びるのでちょっとずつ塗って擦り込んでいくのがコツですかね。ちょっと目立たなくなりました。それが下の画像です。
ここから若干色ムラがあるのでキレイな乾いた布で乾拭きして馴染ませます。ちょっと乾かしてからクリームを塗るので次の箇所にいきましょう。
次は助手席側のセンターコンソール内壁。角張ったカバンとかぶつけたんですかね、痛々しい。まじエコバッグ以外持ち込むなって思います。笑 これはスレではなくえぐれ傷なのでなるべく目立たなくなったらいいかな、という感じです。他にもセンターコンソール足元周りにもどうしても傷ができていますね。
そして色を刷り込んだ後が下の画像。まぁやらないよりは若干良くなったかなという程度ですが、肉眼で見るともうちょっとマシな感じに変化がありました。これ以上は埋める・染めるのレベルなので、オリジナルレザーを大切にしておきたいという観点からこのぐらいのリペアにとどめます。
それと運転席側のドア下部。ガリっと行ってますね。やっぱりこの辺は靴のカカトでしょうか。気をつけておきたいところです。
リペア後が下。別に引きで移したからというわけではなく、やっぱりブラウンが入るとちょっと目立たなくなりました。ヨシヨシ。
とりあえずブラウンレザー周りはこれにてクリーニングと補修まで終了。ちょっと1日ではやりきれない(やるなら丸一日かかるレベル)ので、実際の作業は数日に分けて時間が作れた時にコツコツと進めています。クリーニングして乾きっぱなしのままでは良くないので、パネル単位でクリーニング→リペア→保湿までを同日にやるようにして作業を分けている感じです。
次回はようやく保湿について書いていきたいと思います。