今回はローバーミニの燃料フィルターをDIYで交換していく最終回。前回は車体裏に潜って燃料フィルターを取り外しました。今回は燃料フィルターの新しい部品の購入と取り付け、そして交換後のインプレッションについて書いていきたいと思います。
前回の記事はこちら。
このページのもくじ。
ローバーミニの燃料フィルターは最終世代でも2種類の規格がある。製造タイミングによって異なるので購入時には注意が必要。
インジェクション車用の燃料フィルターはもちろん事前に購入しているのですが、ここで注意が必要です。1.3リッターインジェクションミニでも生産の年代によって突然燃料フィルターの片式が切り替わっているので購入するものを間違えると燃料パイプとの接続径が合わずに取り付けられないようです。
その確認方法は車体番号で、車体番号BD169573までと後とで部品の製品番号が異なります。車体番号はリヤトランクのフロアマットをめくってバッテリーの手前にあるプレートを見ると書いてあります。
- 車体番号BD169573以前:UNIPART製品GFE7119に適合するフィルターを購入
- 車体番号BD169574以降:UNIPART製品GFE7118に適合するフィルターを購入
つゆだく(うちのローバーミニ)の場合はGFE7119です。7118型のミニの人は取り付けナットの径が異なるのでその辺りは読み替えて見てもらえば作業内容は一緒のはずです。一緒に交換が必要なOリングがついていることは確認してください。
元々、今回新しく購入したMAHLE製のフィルターと同じものがついていたみたいです。
- 1.3i用フューエルフィルターGFE7119適合品:¥2,580
一応IN/OUT両側の取り付けネジ径が一緒かどうか確認しておきます。大丈夫っぽいですね。キャブクーパーみたいにエンジンルームに燃料フィルターが設置されていれば交換も簡単なんですが、インジェクションで圧力もかかるのでキャブと違ってそもそもデカいし金属製です。
燃料フィルターはIN側で入ったガソリンの流速を落とし、濾紙を通してからOUT側から排出される構造。
フィルターの中身がどうなってるのか気になります。古い燃料フィルターの中がどうなっているかは覗き込んでも見えませんでした。
IN側は流速を落とすために、燃料フィルターに入ってすぐのところに壁がある構造ですね。上の画像のように穴のすぐそこに金属の板が見えます。
OUT側から新しいフィルターを覗くとオイルフィルターと同じような蛇腹状の濾紙が見えます。古いフィルターを覗くとガソリンで濡れていることもあってか濾紙が黒くてよく見えませんでした。この濾紙がだんだんと汚れが蓄積して詰まってくること燃料フィルターの通過抵抗が高くなり、でも燃料ポンプの送り出しパワーは変わらないのでインジェクションが吹くガソリン量が減ってしまうということですね。その結果として燃料ポンプにも負担がかかり壊れることがあるらしいです(そして燃料ポンプは交換すると部品が高価)。
前後を間違えないようにステーに取り付けます。ステーの触覚みたいなのが生えている方がOUT側です。この触覚の先端Uの字部分にはOUT側の燃料ホースをセットします。固定ボルトは強く締め込む必要はないので弛まない程度に締めておきます。
忘れちゃいけない燃料フィルターとパイプの接続部分に取り付ける密閉用Oリング。劣化していなくても必ず交換しておきたい。
さて、新しいフィルターを車体に戻す前にもうひとつ。燃料フィルターにはゴムのOリングが2つついてきます。これは先ほど外した燃料パイプのIN/OUT接続部分に入っている漏れ留めのゴムリングで、燃料フィルターを交換するときは一緒に交換します。
作業空間は狭いですがOリング自体はすぐ見つかる場所にあるので差し替えるだけ。
下の画像がIN側の燃料パイプのOリング。指でスポッと抜けます。
下の画像がOUT側の燃料ホースのOリング。前後とも径は一緒です。
下の画像が取り外した古いものなのですが、古いOリングも全然硬くなったりしていなかったので、普通に使っている分にはOリングの劣化による燃料フィルターからのガソリン漏れはほぼないんだと思います(もちろんフィルターを定期的に交換する前提ですけど)。
これで交換するものは全てOK。燃料フィルターをステーごと戻します。取り外しと同じ作業手順です。締め付けトルクはわかりませんが、強度の高い部分ではないのであまり強く締めないようにしました。これで車体裏の作業は完了ですね。やれやれ。
ついでに車体裏のコンディションも見ておきましょう。チェックしておくことは
- 全般に錆の発生がないか(つゆだくはアンダーパネル塗装をしているので全然平気そう)
- ボルト類に緩みがなさそうか
- マフラーパイプをぶつけていることによる大きな破損がないか
- マフラー吊りゴムが劣化して割れてきていないか
- ブレーキホースに破損がないか
- サイドブレーキワイヤーが切れそうになっていないか
といった感じでしょうか。ほとんどは車体裏に潜らなくてもチェックできるのですが、せっかく潜ったのでついでに見ておきました。
サブフレームの裏側まで潜ってみたことはなかったかもしれませんが、結構綺麗な感じがします。冬場の融雪剤を浴びたときは特にですが、普段の洗車から車体裏もよく水で流すようにしているので、そういったところが功を奏しているのかもしれません。
おそるおそるエンジンをかけてみると一発で気持ち良く始動!噂では最高速が上がることもあるらしい・・・?
ここで絶対にエンジンを始動してはダメです!燃料ホースを戻してないのでトランク内にガソリンがばら撒かれてバッテリーが近くにあるのでめちゃ危険です。忘れず燃料ホースを戻します。印がついているので間違えないと思いますが、2本のホースの差し違えも注意。ちゃんとクリップで固定したらバッテリーのマイナスターミナルを接続して準備完了。
十分に換気できていることを確認してからエンジンをかけますが、燃料デリバリーパイプ内のガソリンを抜いてしまったのでスターターモーターが回ってもガソリンがすぐインジェクションまで回らず、エンジンがかからない場合もあるようです。僕の場合は運良くすぐにかかりました。しかも全然安定してアイドリングしたので良い感じです。気持ちの問題だと思いますが前よりアイドリングが静かになった気もします。これはまじで気のせいかもしれませんが。。笑
最後にトレーに溜まった廃ガソリンは紙に吸わせて袋に密閉して捨てました。揮発性の液体なんで早めに片付けて密閉する方がいいです。匂いも充満していきますし、引火リスクもあるので扱いには注意が必要です。
大変でしたが燃料フィルターの交換作業はこれで完了。大変とはいえ次回からはサクッと交換作業を完了させることができそうです。今回の燃料フィルター交換では、噂では最高速が上がることもあるらしい・・・?たしかに燃料の供給量が大きく影響するのはエンジンが高回転のとき(大量にガソリンを欲するから)なので、ちょっと期待しちゃいますね。笑
ということで試走に行ってみると、たしかにトルクがアップした感が!ちょうどガソリン残量が半分以下の状態だったこともあってか、ガソリン流量が増えた恩恵を感じることができました。これはなんとなくかもしれませんが、低速加速中にアクセルを一定以上踏み込むとブオーという音ばかりが大きくなってそれ以上は大した加速が速くならなくなりますが、その懐が深くなった気がします。高回転で伸びていくような感覚までは得られませんでした(元々ノーマルミニなので高回転ではトルクがなくで加速感が弱い)。むしろ街乗りの常用域がよくなった気がするので良しとしましょう。
ということで燃料フィルターの交換でした。次回は3万キロでちゃんと交換します!笑
はじめまして。
先日 ステアリングラックのブッシュ交換作業の検索でこちらのサイトを参考にさせていただき、無事交換することができました。ありがとうございました。
それからいろいろ記事を参考に 次回はガソリンフィルターの交換をしようと思います。
すごくわかりやすくて 丁寧に説明されてみえるので助かっております。
また拝見させていただきますので今後も記事アップをお願いいたします。
それでは 失礼いたしました。