今回はつゆだく(うちのローバーミニ)のテンションロッドを強化型、かつ長さ調整式にDIYで交換をしていきます。これによって剛性を高めることと、キャスター角を寝かせて高速での直進安定性を高めたいと思います。まずはパーツ選定と取り付け前準備でドレスアップから。
これも夏休みの宿題としてやろうと思っていたことのひとつで、先日アップしたフロントアッパーアームのオーバーホールとナックルジョイントブーツ交換作業から、(作業日は何日も跨いでますが)続けての作業です。前回までの記事はこちら。
このページのもくじ。
ローバーミニの細いテンションロッドは見た感じからして強度に不安がある。そして走行中に破断したり外れると超危険。
ローバーミニにおいて僕の中で一番不安なのがテンションロッド。というのもあんな細い鉄の棒が駆動輪であり操舵輪でもある前輪の前後位置を保持していて、加速をしても、ブレーキを踏んでも、ましてや段差を越える時もこの細い棒に大きな力がかかるわけです。
そしてテンションロッドの固定も不安です。ロワーアーム側の固定は小さくて細いボルトとナットがひと組だけで、もはや家のベッドフレームのボルトの方が太いです。径が小さいので締め付けトルクも弱く、なのにサスペンションの上下動に従って取り付け部が可動するという部位。さらにボディサブフレーム側の固定はゴムブッシュを挟んでナットがひとつ。しかもブッシュのゴムに向かって締め付けるナットなのでもちろん締め付けトルクも弱めで、もう緩んでくださいと言ってるんじゃないかというほど。さらに固定するサブフレームもペラっとした金属板に真横から力がかかるので、ひん曲がってくださいませと言わんとする雰囲気。。しかもつゆだく(うちのローバーミニ)はスポーツパックで、オーバースペックな太くて設置面の広いタイヤを履いているのでより大きな力がかかります。
金属とはいえこんな棒に自分の命をかけるのが怖い。もし100km/h以上出ている状態でテンションロッドに何かあって破断したら片輪がいきなり大きく外を向いてホイールハウスに当たってロックし、そのまま路肩に勢いよく突っ込んで死ぬでしょうね。これまで長くつゆだく(うちのローバーミニ)と付き合ってきましたが、テンションロッドのことをそんなふうに信用できないヤツと横目で見て過ごしてきました。笑
ボロクソに書きましたが、僕は心配性なんです。特に旧車なんて当時の感覚で設計されていて、部材の材質も弱く、しかも購入したままの状態だとどれぐらいゴムブッシュが死んでて、金属が疲労してて、ナットが緩んだままなのかまったくわからないわけです。でも1トン以上の物体が100km/hのスピードで走る。怖すぎます。だから極端なことを言えば自分でできる限りの構造を理解し、分解点検し、ナットを締め直した状態でないと不安でアクセルペダルを強く踏めないのです。だから僕は自分でいつでも頻繁にメンテナンスできる状態になっておく方が安心できますし、ちょっとでも嫌な感じ/違和感があるとすごくソーッと走るようになり、帰ってすぐ点検しだします。
さらにボロクソに書いてしまいました・・・。
なのに旧車が好き。ハマってしまった。矛盾してますよね。笑 ちなみにローバーミニで走っていてテンションロッドが破断したみたいな話はネットで見たことも聞いたこともないので普通ないと思うのでご安心を。でも固定ナットが緩んでたことは僕自身ありますし、ちゃんとメンテナンスされているかわからない個体に乗るのは結構危ないと思いますよ。
購入したのはミニスペアーズ製。長さの調整がしやすいのと、シャフトが純正より太くて剛性が高いのが◎。
さて本題。前置きが長いですよね、ごめんなさい。
今回は心配のタネ、テンションロッドの強化です。交換するテンションロッドはアジャスタブルのもの、つまり長さ調整式のものです。このパーツの本来の目的は長さを調整することによってロワーアームの前後位置を調整し、キャスター角をいじるためのもの。でも僕の場合はまずテンションロッドを太く頑丈なものにしたいというのが先にあって、そのついでに調整式にしようという魂胆です。まぁテンションロッドだけ太くしてもサブフレームとロワーアームの固定箇所は強化されないのですが、やれることはやっておきたいというのがあります。
それにずっと前から気づいてはいたのですが、車体左側のテンションロッドが曲がってる気がするんですよね。。思い当たるフシはあります。とある冬に雪ラリーなんかしてしまい、滑って左のホイールを縁石にヒットしたからです・・・。でもそれぐらいでテンションロッドは曲がるということです。
それもあって今回、今さらですが交換することにしました。購入したのは定番のミニスペアーズ製のアジャスタブルテンションロッド。製品の種類が若干違うのか?買う店によって結構価格が異なるためよく選んだ方がいいですね。
- 強化アジャスタブルテンションロッド:2本セットで¥6,980
7000円程度で調整式のテンションロッドに変わるので、純正相当の交換品を購入するよりお得だと思います。テンションロッドはいくつかメーカーによって種類がありますが、僕はシャフトが太いミニスペアーズ製がコスパとしても強化用途でもバランスがいいかなと考えました。
ゴーカートフィーリングを楽しむならステアリングの反応はクイックがいい。でも高速道路中心なら直進安定性重視の方が楽ちん。
ちなみにアジャスタブルテンションロッドを調整することによるアライメントの設定についても書いておきます。アッパーアームの位置は基本的にアッパーアームのサブフレーム取り付けシャフトによってハブと接続する部分の前後位置が固定されてますが、ロワーアーム側のハブ接続部分は多少前後に調整する猶予があります。その前後位置を固定するためにテンションロッドがあるのですが、このテンションロッドを短くすることによってロワーアームが車体前方に出て、結果としてキャスター角が大きくなります。超デフォルメされてて逆にわかりづらいかもしれませんが、下のような感じです。
速いかどうかは別として、ゴーカートフィーリングを楽しむなら潰れたラバーコーンで乗っていた頃は本当に遊園地のゴーカートのように楽しかったですが、狭い環状道路で早い流れを真っ直ぐ走るのと、高速道路をまっすぐ流すことがメインの生活ということもあってファミリーカーとしては直進安定性が高い方が運転が疲れず楽です。遊び疲れて帰ってくる時に嫁の運転であることもそれなりにあるので、今回はキャスターをやや寝かせて直進安定性を高めます。これによってステアリングを切った時の応答性はトレードオフで悪くなるので、ゴーカートフィーリングとしてはちょっとスポイルすることになりますけどね。。
性能は良くても見た目が問題!僕はこの虹色に輝く金属表面処理が美観として大嫌い。
さて、届いたビニール詰めのテンションロッドを開封。説明書きは英語ですね。おー、あいしー、あいしー。
しかしなんせまぁ嫌なのがこの虹色の金属処理。昔からちゃっちい感じでバリがたくさん残ってるような金属製品の表面処理が大体これというイメージがあって、僕個人的にとにかくこれが嫌いです。塗装してしまおうかとも思ったのですが、ラッカー塗装ではどうせ塗装面も長持ちしない気もしたのでちょっと誤魔化すことにしました。
使うのはラッピングシート。贅沢にサテン表面のキャンディゴールドカラーを使っていきます。
ゴールドにしたのは元の金属表面処理の色と相性がいいのと、どうせやるなら目立つ色でオシャレは足元からという路線で行きたかったから。アッパーアームやロワーアームはほぼ見えないですが、テンションロッドはステアリングを切っていると低い目線からチラリと見えることもありちょっと派手な色でもいいかなと思ったんです。僕は服装でも服は落ち着いたカラートーンで靴だけ独立した派手な色にするのも好きなんですよね。
このシートを切り出していい感じに貼っていきます。もちろんこういった金属製品は購入時点で錆などを防止するためか表面が油脂っぽいことが多いので、しっかり脱脂してから貼り付けます。ただしシャフト部分だけにとどめて、長さ調整に工具をかけるようなところは貼ってません。すぐに剥がれて汚くなるだけですからね。
サテンカラーのラッピングフィルムでキャンディゴールドに仕上げる。おしゃれは足元からだからね。
テンションロッドの全長を調整するためにはこのロワーアーム側の接続部分を回して調整します。このシャフト自体にネジ山が切られていて、ロワーアーム側の四角い部分を回転させることで長くも短くもなります。そして付け根にナットがひとつありますが、これを四角い部分側に締め込むことで長さをロックします。
シャフトの中心部分も六角になっていることで工具をかけられるようになっていて、2本のレンチで共締めできるというのが整備製の高いところ。ただし全体として重量が増しているのがちょっと痛いところですかね。
下の画像がラッピングフィルムを貼り終わったところ。上側はラッピングフィルムのみですが、静電気対策も兼ねてさらにアルミテープも巻いています。それが下の段。
いつまできれいに保てるかはわかりませんが、なんか逆に目立つパーツになっちゃいましたね。1ヶ所やると他の足回りパーツも全部綺麗にしたくなります。笑
ひとまずこれで下ごしらえは完成。アルミテープはそれなりに風の通る場所なのでゴムブッシュで電気的に独立している足回りアームから余計な静電気を空中放電してくれることを期待します。次回は車体に取り付けです。