ローバーミニ:インジェクターの調子を見てみる。非分解のパーツなのでクリーニングはできないんだけども・・・。

今回はインジェクションミニの重要な走行パーツであるインジェクター周りを分解して状態確認と、できれば掃除をしておきたいと思います。インジェクター内部のクリーニングは基本的にできないのであまりに状態が悪いようなら専門業者にクリーニングに出す必要があります。

エアフィルターケースを完全に取り外す。裏面に生えている吸気温センサーカプラーとバキュームホースの取り外しには注意が必要。

つゆだく(うちのローバーミニ)はインジェクションミニで、大多数のミニがそうなのですがSPIです。就職時のWeb試験のことじゃなくてシングルポイントインジェクションの略ですね。つまりちっこいパーツのくせにガソリンをエンジンに送り込むめちゃくちゃ重要なミッションを担っているわけですから、一度ぐらいそこまで分解して掃除できるところは掃除してみようと思いました。

まずインジェクターはどこにあるかというと、エアフィルターケースの下にあります。ローバーミニはスロットルボディに対してガソリンを吹く構造なので、

  1. エアーフィルターから空気を吸う
  2. 吸った空気にガソリンを噴霧し、一緒にスロットルを通っていく
  3. 空気とガソリンが混合気になっていきながら、インテークマニーホールドを通って燃焼室へ入る

という流れになってます。つまり早い段階でガソリンを噴霧するので、インジェクター自体もエアフィルターケースのすぐそこにあるわけですね。

とりあえずエアフィルターケースを外します。いつも通りプラスネジ3本。

ローバーミニのエアフィルターケース取り外し

フィルターを交換するだけならいつもこれでパカっとフィルターケースを外すのですが、今回はケースそのものが邪魔なので丸ごと持ち上げます。ただここで注意しなければならないのが、フィルターケースの裏にはコネクターなどがついていて、これを勢いよく引っ張ってしまうと壊してしまう可能性があるので丁寧に扱ってください。

ローバーミニのエアフィルターケース取り外し

まずそっとめくるようにフィルターケースを持ち上げたら緑色のコネクターを外していきます。緑色のコネクターは何かというと吸気温センサーです。ローバーミニの少なめの脳みそですが、ちゃんと吸気温は横目で見てくれているということですね、素晴らしい。

ローバーミニの吸気温センサーカプラー取り外し

ただこのコネクターが外れづらく、もちろん無理に引っ張ってはダメです。

ローバーミニの吸気温センサーカプラー取り外し

針金のようなものが見えると思うのですが、これを尖った細いピックなどで軽く広げた状態にすれば、力を入れずともカプラーを引っ張って外せます。あんまり針金を起こすと曲がっちゃうのでほどほどに。外したカプラーを眺めるとロックの構造がよくわかるかと思います。

ローバーミニの吸気温センサーカプラー取り外し

それと赤と黄の線もありますが、こちらは赤い線のみを引っ張り抜くだけ。ただし接続部分の金属を持って引っ張らないと線がちぎれます。この線は電気配線ではなくバキュームホースなのでチューブになっていて、これが劣化して穴が開くとアイドリングが安定しなくなる?などの問題につながります。

ただこれで完全にエアフィルターケースは外れました。

インジェクターは思ったより綺麗っぽい。中身はわからないけど、汚れの付着などがなかったので問題なしとする。

そうするとインジェクター部分が出てきます。この黄色いドームの中にインジェクターが格納されているのですが、このネジを外すにはトルクスレンチが必要です。

ローバーミニのインジェクター取り外し

T25で外れました。たまーにトルクスレンチが必要な箇所もあるので、これもDIYを色々やるなら揃えておきたい工具です。欧州車の内装外す時などはしょっちゅう使いました。


ローバーミニのインジェクター取り外し

外したインジェクターカバーの内側は綺麗なもんでした。一応外したものは一通りなるべく綺麗に掃除しておきます。

ローバーミニのインジェクター取り外し

次にインジェクターを引き出します。何か細いもので引っ掛けて引き上げるような形になり、生えている端子を傷めないように慎重に作業します。このインジェクターは単品の供給がないため、インジェクターを壊したりするとこの辺りの中古部品をアセンブリで探し回るハメになるらしいです。

ローバーミニのインジェクター取り外し

引き上げたインジェクター。なんかこう、核反応棒を水中でそっと引き上げるような厳かで心臓部っぽい感じがあります。かなりの年数頑張ってくれている部品ということになりますが、見た感じは綺麗ですね。ゴムパッキンもヒビ入ってません。

ローバーミニのインジェクター取り外し

先端の金属棒(ニードル)部分からガソリンを噴霧するわけですが、この中が経年の汚れで詰まり気味だったりするとガソリン供給量が小さくなりパワーが出ないということになるみたいです。そしてこの肝心なインジェクター内部の掃除は基本的にはできず、国内だとこのインジェクターのみを送って超音波洗浄して返してくれるところがあるとか。それをやるべきかどうかは見た感じわかりませんでした。もっとあからさまに汚れてたら依頼しようとも思ってたんですがね。。

ローバーミニのインジェクター点検

最後にインジェクターを外したスロットルボディ側。ちょっと薄茶色なのがガソリン汚れっぽく、なるべく拭いて綺麗にしておきました。奥にスロットルのバタフライが見えますね。なんかガソリンを噴霧する先がバタフライの回転軸なので素人目には「そこにガソリン付着しまくって綺麗な混合気になりづらくないの?」とか思っちゃいます。。

ローバーミニのインジェクターケース掃除

状態確認としては以上で、これで元通りに組み上げるだけです。

実はこっちが本命。エアクリーナーケースをひととおり外して掃除してみる。吸気効率までは変わらなそうだけど、気持ちの問題。

それとついでに、というか元々こっちがメインだったエアフィルターケースの洗浄。

これまたなんとなくですけど、エアフィルターケースの内壁も経年の汚れで汚いかもな、と思ったので歯ブラシと水でなるべくゴシゴシしました。ちょっとスス汚れっぽい黒さはあったものの、壁面が空気抵抗になってしまうほどには汚れていなかったので、ただ綺麗になっただけっぽいです。

ローバーミニのエアクリーナー分解

ちなみに純正エアフィルターケースの吸気パイプ途中にあるこのパーツ、分解して綺麗にしたんですけどなんの構造なんでしょうかね?

ローバーミニのエアクリーナー掃除

中には結構固めのバネが組み込まれたフラップがあって、吸気パイプのバイパスになっているように見えます。この位置にこの程度のバイパスってなんなの・・・意味あるの?と思うので高回転時の吸気量を増加させるものではないのかもしれません。

ローバーミニのエアクリーナー掃除

よくわかんないですが、これでクリーニング作業は完了です。この純正エアクリーナーケースというのは経年劣化で表面が白くくすんでしまうのですが、綺麗であれば実害はないと思うので気にしないでおきます。

ローバーミニのエアクリーナー掃除

吸気パイプも覗いてみると内壁に艶があるので綺麗になったし吸気抵抗にもならないと思います。色々意見があるのかもしれませんが、純正エアクリで(街乗り低回転トルク重視のAT車なら特に)パフォーマンス上問題はないと思っています。エンジン本体より前に吸気パイプが伸びているのでキノコエアクリより吸気温度低い感じがしますし、この吸気パイプの太さもたぶん障害にはならない気がします。なんとなくですが。個人的にはエアフィルターから先の気体流速はめちゃくちゃ重要ですが、エアフィルターから前はあまり流速を稼ぐ必要はない(フィルターで流速が下がるので)と思っています。なので汚れていなければ純正エアインテークでいきたいと思います。

ローバーミニのエアクリーナー掃除

そうそう、組み立て時にはバキュームホースの取り付けを忘れないように。今更ながらどうせならスロットルボディまで綺麗にしておけばよかったかも、、、なんて思いますが、それはまたいずれ。