クラシックカーで汚れてくすんできてしまった金具類、でもそれらがピカピカに輝くだけで急に古ぼけた感じが薄れてくると思うんです。今回はそんな金属磨きしていく方法について書いていきたいと思います。
もう狂ってるんじゃないかと自分で思うのですが、まずはテスたろー(うちのテスタロッサ)のリヤハッチの固定金具(キャッチ)をピカピカに磨きます。
なぜ?なぜって?そんなものはわかりません。気づいたら自然と「綺麗にしよう」と思ったのです。テスたろーは僕と同い年。気持ちとしては一生モノの伴侶であり、自分の身体のようなものになっていくと思います。例えば自分の右足の小指がささくれ立っていることに気付いたとします。気づいてしまったら綺麗にします。それと同じ感覚でリヤハッチの固定金具を綺麗にしたいと思ったんです(狂っている)。
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ボルトやナットをひとつずつ磨いて綺麗にするなんてDIYでしかできないし、そんな面倒なこと普通はやらない。
まぁもうちょっと言うと(まだ言うか)、例えば仕事が丁寧なショップにクルマを預けてボディを磨いてコーティングしてもらったりしたとします。でもその時エンジンルームのネジまで外して綺麗にしてくれるところなんて普通ないですよね。まぁエンジンルーム見せながらカスタムショーに出すようなクルマであれば、それを”お金を払って”やってもらうわけですが、なかなか端々の部品でそのレベルには至らないと思うんです。やると莫大な金がかかるはず。いやネジ類は新品にする方が安いはず。でも35年前の新車時からこれらネジ類は(普通外さないところなので)オリジナルの可能性が高く、なるべくそれを残してやりたいと考えています。
だから自分でコツコツ、気付いた範囲でやっていきたいなと思っています。僕も購入して3年で売る予定のクルマにはなかなかここまではできません。長い付き合いだと決めていて、かつ室内置きだからこそやれるだけのことをやろうと思う感じです。
で、そんな足の指をピカピカに仕上げるような美容をやる人間が少ないように、ボンネットキャッチ(リヤハッチだけど)周りをピカピカに仕上げることに興味がある人は少ないと思うんです。なのでもうちょっと話題の範囲を広げて、今回は愛車のピカピカ具合に大きく影響する金属部品の研磨について書いていきたいと思います。僕もここまで懸命に金属を磨いたのは初めてです。笑
クラシックフェラーリのパネル裏側は職人の手作業の痕跡がたっぷり残っている。ボルト類も露出しているので見た通り外しやすい。
まずキャッチの金具を外すところから。と早速一部はずしてしまっているのですが、リヤのエンジンルームを開けるとハッチ側にこんな金具が見えます。フックみたいな感じですね。
まぁ何と言うか、つゆだく(うちのローバーミニ)もテスたろー(同じくテスタロッサ)も外から見えない内側というかパネルの裏側を見ると、
「事故車で歪んでるのか??」
と思ったぐらい各パネルの内側が波打ってたりします。面というよりは折り返しとか接合部分が。正確にいうとパネル間の溶接部分がボッコボコで、外装パネルの端を内側に折り返した部分は裏側が波打ってます。スッゲー手作り感です。これぞクラシックスーパーカー。逆にこの手作りで外装パネルがここまで綺麗に仕上がるのは職人技なのかもしれません。。
話を戻すと、テスタロッサの大きなリヤハッチはボディ側と固定をするキャッチが左右端に2箇所あります。一般的な車はキャッチが真ん中の1箇所なので、それよりはガッチリ固定されます。でもその分だけ”ハッチの閉まりが悪くなる”ことも多く、閉まり具合やパネル間のチリ(隙間)を調整するのもこのキャッチ部分などで行います。
外すのは簡単で、ボルトもナットも見てわかるようにまんま露出しているのでこれをサクッと外すだけ。この辺のナットは諸々10mmのソケットで簡単に外すことができますが、ナットやらボルトやらワッシャーやらをエンジンルーム内に落としやすいので注意。ましてやキャッチそのものを落としてボディにでも当たったら大変なのである程度レンチで緩めたら、あとは片手でキャッチ金具を押さえてもう一方の手で丁寧にナットを回してワッシャーごと手で受け止めます。
「そもそもこのラッパ型の部品なに?」
と思うかもしれませんが、テスタロッサのキャッチはハッチが開かないように抑えるためのフックと、ハッチの左右方向と高さ方向の位置決めをするコーン?の2種類の部品があります。ラッパはそのゴム製コーンの受け皿ですね。
やはりエンジンルームなどは蓄積された油分がネック。長年積み重ねられた汚れは簡単には落ちないので、やはり磨くしかない。
ということで外した部品を見てみると、普段拭いたとしても手が届かないような場所は油っぽい汚れで汚いですね。エンジンルームの部品なのでやむを得ないでしょうが、ちょっと拭いたぐらいでは綺麗にならないのでパーツクリーナーを吹いてから拭きます。
クリーナーで洗浄までしたのが下の画像ですが、まだ黒い汚れ?変質?などは残っていて拭いて落ちるものではないようです。一部酸化で白っぽい部分もあったりします。
当初はこれで綺麗に掃除できたので戻そうと考えてたんです。下の画像のようにネジまで挿して取り付けようとした時、手が止まりました。磨けばもっと綺麗になるかもと。ここから僕の長い苦行が始まります。。
でも魂は細部に宿るというか、未塗装の金属は光沢が全てなので試しに行けるところまで磨いてみましょう。
金属磨きの基本はピカールでハンドポリッシュだ。これで元のくすんだ状態から、もう一段綺麗に光を放つようになった?
ひとまず金属を磨こうとしたらまずピカールですよね。ピカールは普段の生活で使える金属の研磨剤(液体コンパウンド)で、これを厚手のペーパーに少しずつつけて磨いてみます。
とりあえず一箇所ゴシゴシ擦ってみたのが上の画像。見てわかるほど綺麗になりますね。それと金属の変色ムラも綺麗なゴールドで整うようです。これぐらい成果が出るなら磨いてみようかなと思います。
もちろんワッシャー、ボルトの頭、ナットも磨ける範囲で磨きます。波打ってるロックワッシャーは指で擦り合わせるように磨いてみましたがそこまで綺麗にはできないですね。。やむなし。
当初は上記の磨いてみた画像のように、黄緑っぽい金属面が綺麗な薄ゴールドになったら光沢も出てくるしいい感じかなと思っていたんですが、カップの外面を磨き込んで行ったら気づいてしまったんです・・・。
これもっと磨き込むと光沢のあるシルバーになる、つまり元々はシルバーの金具だったのが長年の酸化でゴールドに変色しているんだなと。そう、気づいてしまったら最後。
「それならピカピカのシルバーになるまで磨き込みたい・・・」
ということでここまで磨き終えていた他の面もやり直すことに。というかピカールを使ってハンドポリッシュ(手磨き)で銀色になるまで磨くのってかなり時間がかかります。布が擦り切れてくるほどですし、布を押し当てている人差し指の表面は感覚がなくなり関節も痛くなってきます。
それでもカップの内側がピカピカのシルバーになりました。気持ちイイぜッッ!!!笑
これを続けること1.5時間くらい・・・。部品を持つ方の手も痛くなり、磨いている方の手は自分の手なのかどうかもわかんない感覚になってきた頃、その手は光を握っていたのです・・・。
いやピッカピカと言ってイイでしょう!ここまできれいならチェーンで首から下げたってオシャレかもしれない!!(?)
いやー長い道のりでした。これ一つを磨きながら映画1本見終わっちゃったほど。。というかこうして手のひらに乗せている部品は磨きすぎで熱を持って暖かいんです。笑 でもこれだけの成果があれば時間をかけた甲斐があったのかもしれません。最後により達成感を味わうために反対側の磨いていない同じ部品と見比べてみます。
見てください。全然違う。素晴らしい。
もうちょっとで自分の顔が磨いた面に反射して写っちゃうとこでした。ん?写ってないって?そうか、、、確かに写ってない、、、写ってないということは鏡面と言えないよね、、、?
いつも楽しく拝見させてもらってます。
金色は電気亜鉛メッキがされていて、それを研磨することによりメッキを剥がしてしまってませんか?
私の思い違いであれば良いけど、、、。ちょっと気になったのでコメントさせて頂きました。