ローバーミニ:ブレーキが熱で効かなくなる。やっぱりローバーミニのノーマルブレーキはキャパシティが小さいみたい。

今回はローバーミニのブレーキについて。長く乗ってますが今回初めてブレーキの熱ダレが発生したのでその雑感と対処法について書いておきたいと思います。長い下り坂などでブレーキが加熱されすぎて効かなくなる原因は2種類あって、ブレーキフルードの温度が上がりすぎて気泡が発生し圧力伝達しづらくなる「べーパーロック現象」と、ブレーキパッドの温度が上がりすぎて成分がガス化してしまう「フェード現象」があるらしいです。今回どっちが原因なのかはわかりませんが、なんとなくブレーキフルードがやられたんじゃないかなぁと思ったりします。

先日つゆだく(うちのローバーミニ)でかなり急な斜面に行く機会があったのですが、人生で初めてブレーキが熱ダレを起こして効きが弱くなるという危ない体験をしたのでそれについて書いておきたいと思います。

箱根の山より急なのは熱海の崖だった。。

今回出かけた先が、予想していたよりも遥かに急斜面を登った山の上でした。ズバリ言うと熱海の山奥なんですが。行きの登って行く時点でそもそも山道というより崖を登ってるようで

「つゆだく、、、まじでよく登るなぁ、、、」

と褒めるレベル。一時的な坂道ではなく、継続的にタイトなカーブと急な登りが続くのですが、もうタイトなカーブに差し掛かる時点でカーブの出口が一段上って感じの急角度。特にインコーナーだとこんなの登れるのか!?と思うぐらい急な角度になります。

熱海

うちのつゆだく(ローバーミニ)はATなんですが、初めて1速を多用して登ったかも。。Dレンジだと2速に入ってしまいあまり加速しないどころか、ちょっとエンジン回転数と車速の差からクラッチ滑ってるような感じもします。それだとクルマの負担が大きそうなので1速で勢いをつけて駆け上がって行きました。

そして問題が下りの道。観光で商店街を歩くために一度山のふもとまで降りたので、結果登って下りるを2往復したのですが、1度目の下りでブレーキの熱ダレが起きました。

僕は普段かなりエンジンブレーキを使う方で、ATでもMTでも減速や信号停止の時にギヤを落として減速しつつブレーキを使います。昔から父親に教え込まれてただ癖になっているというのもありますが、高価で減りやすい欧州車のブレーキパッドの消耗を抑えたり、ブレーキを多用してブレーキダストが大量発生するのを避けている意図もあります(洗車頻度が減る)。ディーラーで定期点検を受けたりするとブレーキ残量を測ってくれますが、実際ブレーキの摩耗ペースは遅いと言われます。

ローバーミニのATは弱いので、あんまりセミATのようにミッションでギヤを強制変更しながら走らないようにしている。

でもつゆだく(ローバーミニ)ではやらないんです。というのもローバーミニのATミッションは耐久性が普通の車に比較して弱く、せっかく1速から4速まで実質全てのギヤをシフトで選択できる便利なミッションを持ってるくせに、ミッションをいたわることを考えれば基本的にはDレンジしか使いません。

ただ加速時にキックダウン的な使い方はします。だいたい登り坂で信号スタートの時など、後ろの車に突っつかれないように加速すべくDから3速に落とすことはありますね。それとめったにないですが今回のような急な山道を登るときもギヤを1段落として勢いをつけます。

ローバーミニのリヤトランク

そして下りでももちろんエンジンブレーキを使います。いつもは大きい道路で信号のまばらな長い下り坂だと3速に落として走ることが多いですね。山梨の御坂峠や箱根新道なんか長くて急な下り坂なのでずーっと3速で降ります。でも今回はエンジンブレーキメインで走ってなかったんです。

熱海の下りはそんなに距離がないと思ってたのが予想外に長く急だった、コーナーが多く急角度でそもそもスピードが出ることがなかった、ということもあります。でも後続車も後ろからガンガン下ってきてることからチンタラ走れず、エンジン高回転でシフトを使って2速と3速を行き来させるのはミッションに良くないなと思ったのが主な理由です。

熱ダレはだんだんブレーキの踏む力が強くなってきていることに気づき、がっつり蹴るように踏んでもなかなか停止しない。

しかしこれが失敗で、最後にはブレーキの熱ダレで随分効きが悪くなってしまいました。カーブのたびに一定の減速をしているようで、気がつくとだんだんとブレーキを踏む足の力が強くなっていたようで、もうちょっと踏みしろが残っていると思っていたらもう最大まで踏んでいてこれ以上スピードが落ちないなんてことに。ブレーキ踏みっぱなしでは常に摩擦熱を与えることになるので、ペダルをはなして熱を冷ますときは作っていたのですが案外熱ダレって簡単に起きるものなんだなと。これは反省です。

それにローバーミニって元々が760kgとかなり軽い車体なので、人や荷物がガッツリ載るとその分の重量増加が大きく影響します(増えた重量の車体重量に対する比率が大きい)。なのでMAXに乗ってると加速も悪くなりますが、それ以上にブレーキの効き(制動距離)が下がってくることに注意が必要です。

熱海

しかしセミスポーツのブレーキパッドにフロントを替えて間もないのに、これじゃあガッツリ峠を攻めるなんかには頼りない感じ。そういえばリヤの放熱フィン付きドラムブレーキなんか売ってたりしますが、正直これまでは

「ローバーミニの車重であんなんいる?笑」

なんて舐めてましたが、ちょっと欲しくなってきました。一般的にディスクブレーキよりドラムブレーキの方が熱がこもりやすいらしいですから。

ブレーキはただストッピングパワーを上げるだけじゃなくて、冷却性能を高めることも重要。

それとやはり頼みの綱はメインのフロントブレーキ。ローバーミニといえど97年のモデルですからフロントはディスクです。ブレーキの熱に対する耐性は

  • 摩擦熱蓄積容量
  • 放熱性能

の2つで決まりますが、ノーマルだとそのどちらも性能が低い模様。熱の蓄積容量はざっくり言うと同じ力でクルマを止めようとしたときに、発生する熱量が同じだとしても小さなローター、小さなキャリパーの方が高熱になりやすいということです。少ない水量の方がすぐ湯が沸くのと同じですね。なので制動力を高めるのが主な目的ではありますが、ビックロータービックキャリパーは熱対策にもなるわけです。

それと放熱性能。こちらの方がビッグキャリパー化より対策しやすいですが、大気中に熱を逃しやすく、つまり冷めやすくするということです。わかりやすいのはブレーキディスクの交換ですかね。ポルシェはもちろん、ミニJCWでもフロントはベンチレーテッドディスクだった気がします。今普通なのかな?

ベンチレーテッドディスクというのはブレーキローターのパッドが当たらない側面(円周面)に空洞があり、放熱フィンの機能がついているもの。これで放熱性が大きく高まります。それとスリットやドリルが入ってるのもありますね。デザイン的にはやっぱりドリルドローターはかっこいい、、、のもありますが、やはり性能が高いです。

もちろんローバーミニでもブレーキ周りをカスタマイズできますし、本気の本気なら4ポッドキャリパーにベンチレーテッドディスクローターなんでしょうね。しかしなんとなくですが、そもそも純正ホイールだと冷えた空気が抜けていかず熱がこもりそうな感じもします。。ダクトを設けるだけでも変わったりしないですかね。

それと最後に、一度熱ダレを起こすとちょっと冷ましたぐらいじゃなかなかすぐブレーキが回復しないみたいです。ようやくふもとまで下りきって信号で止まったんですが、しっかりと信号で1〜2分止まってたにもかかわらずまだブレーキ力は戻らず。金属だからすぐ冷えると思ったんですが、保温性に優れる鉄製スキレットを思い出しました。。ちょっとググった感じだと、停止した状態で20~30分置いておくべしと書かれていたので完全に冷えるには結構時間がかかるみたいですね。。

ブレーキフルードについても、キャリパーの温度が上がらなければそもそもフルードに異常な熱は伝わらないのでそれがベストです。一度沸点近くまで温度が上がってしまったフルードを放熱させるのは結構難しいと思っていて、だからこそ一度熱を持ってしまったら20分ぐらい冷ますことになるんでしょうね。

熱ダレを起こしかけたら大人しく路肩で停まって冷ましましょう。。