今回はローバーミニのウィンドウガラスが動かなくなってしまったので、DIYでレギュレーターの掃除とウィンドウチャンネルの交換、それと合わせてドア内部で発生した錆の修理を行なっていきます。まずは分解作業からです。
半年ぐらい前からでしょうか?いつしか左ドアウィンドウ(窓)を開けるハンドルをぐるぐる回すと、真ん中ぐらいまで下がってきたあたりで動きが硬くなってきていたのですが大きな問題ではないのでそのままにしていました。でも近頃、
「あれ?サイドシルというかドアを開けた段差のところにゴロゴロと小石のようなものが散らかっているんだけど・・?」
ということがときどき発生。でも拾ってよくよく見てみると錆の破片たちなんですよ。どうやらドアの内部の錆が窓の上げ下げによって何らか削れて溜まり、それがドアの開け閉めなどの振動で排水穴から出てきているようでした。これは内部がマズいことになっていそうだ・・・と考えるように。
そして先日とうとう窓が開かなくなりました。。正確にいうと1/3ぐらいまで開くのですが、それ以上窓を下げようとするとガラスの後ろ側が下がらず前側だけ下がって、結果として窓ガラスが斜めになります。
おそらく後ろ側だけ何か引っかかって下がらなくなったんでしょうね。これは修理が必要です。ちょうど寒い時期なので換気でちょっと開けば十分で、特に困らないから春までに直せばいいかとも思ったのですが、もうすぐ車検も控えているのでサクッと修理しておくことに。
このページのもくじ。
そんなサクッと直せなかった!とりあえずドアの内側パネルの分解から。
ちなみにつゆだく(うちのローバーミニ)はもちろんパワーウィンドウなんかついていません。ハンドルを持ってぐるぐる回すと窓が上下します。「え、手動とか古っ!」っと思う人もいるかもしれませんが、僕は全然不便だとは思ってません。というのもパワーウィンドウのスイッチより微妙な開き具合を調整しやすいですし、助手席側の窓を開けたい時も狭いミニの室内なら運転席から手を伸ばせばハンドルを回して開けられます。笑
さて、まずは分解作業なのですがドアの内装パネルを外します。プラスドライバー1本あれば分解可能という模型のような簡単さです。まずはドアロックベゼルを含めたハンドル類を4つ外し、ドア上部のウッドパネルと下部のドアポケットも外します。ドアロックベゼル以外は全てプラスネジで留まっていますがイギリスの規格ネジで普通のドライバーだと若干緩いので、ちゃんとした規格の工具を購入するか、ねじ山を舐めないように注意しネジの頭に強くドライバーを押し付けながら丁寧に外します。ドアを開く方向に向かってドライバーを強く押すとヒンジに負担がかかるので、左手でドアを外側から押さえ、右手でドアの内側からドライバーを押し付けてネジを回す感じです。
ドア内張についているものを全て外せたら、内張そのものを外します。内張のパネルは木の板に生地が貼られてそれを樹脂クリップでドア本体に固定している構造です。パネルの外周にあるクリップを内装剥がしを差し込んでテコの原理でクリップを外していきます。ドアパネルのクリップの位置なんかはこのへんの記事を参考にしてください。
ローバーミニ:内装ドア内張りのベージュレザー貼り替え。~ドア分解編~
パネルの端っこに手を入れて無理やり剥がすように引っ張る(めくる)のはオススメしません。パネルが木の板なので割れる可能性があるからです。
上の画像のように、ここまで外せるとドアの内装分解は完了。さてここからが問題なのですが。。
難関その1。まず制振と防水用に付いている粘土からウィンドウレギュレーターを剥がすのがキツい。
ここからが本題で、先ほどの画像でドアの真ん中にあるシルバーの金属パネル、つまりウィンドウレギュレーターを外します。ウィンドウレギュレーターというのはドアガラスを上下させる機構のことで、このレギュレーターからウィンドウハンドルが生えていますよね。
見た感じまずプラスネジが4つあるのでこれを外します(先程の上の画像では既に外してしまったあとです)。このネジが舐めやすいので注意が必要です。そして見えているネジを外せばパネルが外れそうなものですが、そうではありません。
パネルの周りにはグレーのパテっぽいものが付着しているのですが、これは制振用のいわば粘土です。僕がこの作業をしているのが12月ということもあって、寒いと硬いためか全くウィンドウレギュレーターがドアから剥がれません。マイナスドライバーなどで少しずつ剥がすのが定石のようですが、それも試してみたもののダメで、無理やりテコの原理を続けるとドアの塗装が削れて錆に繋がりそうなのでやめました。
次にドアの防水テープを剥がしてサービスホールに手を突っ込み、上の画像のように裏側から押してみます。これもダメ。
困ったなぁと思ったのですが、粘土を柔らかくするためにヒートガンで温めることに。レギュレーターを下側から剥がしたいのでまずは下半分を温めるのですが、金属をガンガンに熱すると手でレギュレーターを押すときにめちゃくちゃ火傷するので温める程度に留めます。
再度サービスホールに手を突っ込んで裏側からレギュレーターを押すと、少しずつ浮いてきました。温めては温めた部分を裏から押し、これで少しずつ浮かせていきます。こんな感じで下の画像の粘土からレギュレーターのパネルが浮けば取り外せるはずと思いました。
これでようやく一周浮いたのですが、それでもレギュレーターは外れません。さてどうしたものか。
難関その2。そんな甘くなかった。レギュレーターを取り外すにはチャンネルのレールからレギュレーターの腕を外すという知恵の輪を解く必要がある。
とりあえずウィンドウを上下させながらサービスホールから見える範囲で構造と状態を見ます。ウィンドウを一番下まで下げてみると、下の画像のようにウィンドウチャンネルがめちゃくちゃ錆びているのと、指で指している方(車体後方側)のチャンネルがガラスから外れてしまっているのがわかりました。外れているチャンネルが引っかかって窓が下がらなくなっていたということですね。
つゆだく(うちのローバーミニ)はエンジンルームもホイールハウスもトランクルームも車体裏も、見て確認したり掃除もしているのでサビとは無縁で綺麗な状態だったのですが、ドア内部のこの錆びた感じはちょっと見てがっかりしました・・・。
ちなみにウィンドウチャンネルとは窓ガラス下端についている金属製のレールのことです。ローバーミニでは1つのガラスに前後で2つチャンネルがついています。このチャンネルにレギュレーターの腕がつながっていて、レギュレーターのハンドルをぐるぐる回すと腕が上に上がっていき窓を持ち上げるという仕組みです。
チャンネルはガラスから外れていますが、レール部分にレギュレーターの腕は接続されていますね。そして上の画像で指をさしているところが本来ガラスを挟む部分ですが、腐食してめくれてるだけでなく破断してますね・・・。
つまり今回はこのチャンネルを交換する必要があるということです。レギュレーターも外してみて動きが渋ければ要調整ですが、少なくとも歯車が固まって動かないわけではないので再利用できるかと思います。
うん、わかった。ネット上にレギュレーターを外す詳細な画像がないのは、作業中はそれどころではなくて写真撮れないからだ。
とりあえず粘土から浮かせたレギュレーターを完全に取り外したいのですがそう簡単には動きません。構造をよく観察するとアームの先端がチャンネルのレール部分にハマっているので外れないようです。
正直今回は色々やってたら外せた、という感じなので正確にどうすべきか書きづらいのですが、、、おそらく窓を下げた状態でサービスホールから手を入れてこの接続を外し、さらにチャンネルがついたままのウインドウガラスを上に持ち上げて上から抜き去る感じかと思います。ウィンドウガラスがドア内部で下に着いた状態になっていると、薄いドア内部でガラスが邪魔になり、レギュレーターの腕を抜き取るスペースがありません。
レギュレーターのメンテナンスだけする人はウィンドウガラスを大量の養生テープで”窓を閉めた位置”に固定して作業するのですが、今回のようにチャンネル交換をする場合はいずれにせよウィンドウをドアから取り出す必要があるので最初からそのような作業手順を取ります。
そしてチャンネルを交換するためにはウィンドウガラスそのものをドアから抜き出す必要があり、そのためにはストッパーとなっているドア上部の水切りゴムのモールを取り外す必要があります。上の画像はそのモールを外しているところですが、モールは5カ所ぐらいがクリップで固定されています。クリップの構造は書類を挟むようなクリップでドア本体の金属板を挟んでいる形です。端から持ち上げて外すのですが、上の画像のように端っこを持って引っ張り上げていくのはやめてください。。モール本体が曲がってしまって後で取り付ける際に浮いてしまいます。
モールを外して上からそーっとドアガラスを抜いたら、レギュレーターの腕を閉じる(ウィンドウが一番下に下がった位置にする)とようやく下の画像のようにようやくレギュレーターを外すことができます。しかし後から公開したのが、ガラスを抜くときにはできれば窓枠を養生しておいた方がいいです!!僕はガラスの摩擦で窓枠(サッシュ)の塗装に傷が入ってしまいました・・・。
これについてはレギュレーターを取り外してからようやく構造を理解ました。それと取り付けの際に四苦八苦して組み立て方を理解したので、分解時はその逆の手順だと思って後から記載する組み立て手順を参考にしてもらえればと思います。。
次回は取り外したウィンドウガラスのチャンネルを新しい部品に交換するところから作業したいと思います。