テスタロッサ:購入を悩んでいる期間に何度か冷静になるタイミングがあった。やはりイカれているのでは?とも思う。

今回はテスタロッサを購入を悩んでいるうちに不安に思うことを言語化して自分の頭の中を整理していきたいと思います。やはり時間がかかるとふと冷静になることがあったので、古いクラシックカーであり、イタリア車であり、フェラーリであることの不安について書いていきます。

購入が現実に近づいてくるとかなり不安が高まってきました。4桁万円の金額を使うにしても、マンションなどの不動産とクルマではまったく不安のレベルが違います。不動産は基本的に事故って潰れたりしないし、資産価値も残りやすいですから。

それと新車で最新のクルマを購入するのではなく、自分と同じだけ歳を取ってきたネオクラシックカーです。僕自身も34歳になると随分とポンコツになってきていて、近所の公園で知らない小学生(低学年)とサッカーしたら身体の切り返しで腕を振った時に肩を脱臼しかける(足のスポーツなのに)というレベルです。クルマで言うと急ハンドル切ったら片方のタイヤが外れかけるというレベル。運動不足すぎるな・・・。笑

前回までの記事はこちら。

テスタロッサ:他の車のローンが全て完済された!なので月々+4万払って現実的にフェラーリを買う計画を立てる。お金は若いうちこそ使いたい。
元旦の記事に結論だけ書いた通りなのですが、僕は自分と同じ年の生まれ、つまり自分と同い年のフェラーリテスタロッサの購入にサインして...つづく

まず何より高いお金を払って購入するクルマが新車ではなくネオクラシックカー。ここまで古いと記録簿は参考資料程度。

ネオクラッシックカーというのはここ数年で挙がってきた呼び名で、1960年代とか70年代のクルマをクラシックカーと呼んでいた世代が、

「自分たちが若い頃乗っていた、あるいは憧れたクルマもそろそろクラシックと呼べる古さだよね」

と言い始めたのだと思いますが、実際のところはネオクラだから割と新しいというわけではなく十分クラシックカーだと思います。34年前のクルマと言えば、例えば今が2000年だったとすると1966年式のクルマを指します。諸先輩方は2000年の頃に60年代のクルマは”クラシックカー”と呼んでた気がしますが・・・?笑 ”ネオクラ”なんて言われても実際は全くもって古いクルマなわけです。

フェラーリテスタロッサのテール

新車は良いです。まず何より”すべての部品が新品であること”が確実です。つまり少なくとも最上の状態であるということですし、さらには新車保証も付いているので製造不備や多少の設計不備は無償対応となり心配要因から外れます。一方で中古車、特に古ければ古いほどひとつひとつの部品の状態は”ほぼわからない”と言えます。交換履歴が残っていればある程度は参考になりますが、過去の修理が少ない=状態が良いとは必ずしも限らず、ボロボロの部品のままついているだけかもしれません。なので記録簿は僕にとって”どれだけそのクルマに詳しい人間が診ていたか”と”消耗品の前回交換はいつか”を見ることが目的です。クラッチやタイミングベルトは交換コストがかなりかかるので最近交換されていれば当面は出費を防げるということを意味します。

あとはもう雰囲気を含めて外から見える部分を丁寧にチェックするしかありません。ボディの状態、内装の状態、エンジンをかけて各電装機能が作動するか、マフラーから白煙が出ないか、アイドリングが安定しているか、オイルやクーラントの漏れがないか・・・などなど。それでも中身ひとつひとつの部品の状態はわからないので、納車した次の日に何が壊れても全くおかしくないと思っておいた方が現実的です。

しかもイタリア車。しかも2000年以前のフェラーリ。THE修理費用のかかりそうなクルマの条件をコンプリートしてる。

そして悪いことに、グローバルでグループ企業化してドイツメーカーあたりの良い品質を取り入れる前世代のイタリア車です。しかも生産数が少ないことで、当時は手作りに近い感じのフェラーリというメーカー。それがまぁ「ちょっと苦しそうでもトコトコ走ってて愛おしいね」というクルマではなく、今でも250km/h以上は出るであろうスーパーカーなので走行安全性に関わるところは状態が悪いと恐ろしいですね。

ただ以前フェラーリのディーラーで話していても言われたのですが、フェラーリは2000年あたりを境に随分と品質が良くなり壊れづらくなったとのこと。モデルによって良し悪しがありますし(V12は特にヤバイ世代もある)、壊れづらくなったと言ってもちょこちょこ壊れることが前提なのですが、それでも世間のイメージのように壊れてばかりではないとのこと。モデルとしては360モデナ以降の上質な個体を大切にのれば、そこまで大きな苦労はしないという話でした。

フェラーリテスタロッサのサイドビュー

逆にそこまで言われるとそれ以上古いモデルは恐ろしい世界が待っているのだと怯えますが、それはその通りのようです。笑 ただし知名度の高いF355をはじめとして「あの頃の、あのフェラーリ!!」には維持費を覚悟しても乗りたい魅力があるのだとも思えます。

「ぶっ壊れるなんて当たり前だ!購入した後にコツコツお金貯めて綺麗に直すことから始めるんだよ!!」

みたいな気概があってこそ乗れるのかもしれません・・・。

数年前まではこういったネオクラシックフェラーリは結構安く、2021年現在の半額ぐらいで買えたと思います。F355であれば1000万あれば上々の個体が手に入り(今じゃ2000万越えもある)、それによって新しいフェラーリには乗れないけどちょっと古いフェラーリなら手が届く人が夢を描いて購入するケースが多かったようです。漢の10年ローンというやつですね。もちろん維持費はかなりかかりますが、それでも最新のフェラーリを買うよりはトータルで安かったからです。

しかしポルシェもそうですがこれだけネオクラシック世代のクルマも価格が高騰してくると、維持費まで考えればそこそこ新しいフェラーリを買うのと大差がなくなってきた気がします。というか以前購入検討した599の方が車両価格も安いし維持費も安いと思います。。

それでも古いスーパーカーに乗る。これはイカれてると言われてもおかしくない極まった趣味なのかもしれません。

いつも言っているが、中古車として安く買えても修理やメンテナンス費用は新車のスーパーカーと同じ。

これは今まで乗ってきたケイマンSやパナメーラSにも言えることですが、たとえ背伸びをして新車では手の届かない高級車を中古で購入することができても、修理やメンテナンスの費用は新車のそれと変わらない価格だということです。交換する部品は新品ですし、作業の手間も新車と同じようにかかります。

フェラーリテスタロッサのエンジン

まぁ最新のクルマになってくるほどそもそも壊れづらくなってきていたり、ランボルギーニがアウディ製部品をかなり使っているように部品自体が共有化されコスト効率が高まっていることにより安く手に入る場合もあります。その一方でコンピュータ制御の複雑な部品が増えすぎて、壊れづらくなっても”壊れる可能性のある部品数”は増えています。また分解修理ではなくアッセンブリーで交換するしか方法がなく、たとえ配線1箇所が接触不良を起こしただけでも周辺部品を丸ごと交換になって高くついている可能性もあります。一長一短かもしれません。

クラシックカーになると確実に発生するかなり悪いことがあります。それはバーツ自体が手に入りづらい、あるいはプレミア価格になっていることもあるということです。年月が経つほど部品の再生産は打ち切られていきますし、世界レベルで在庫も減っていきます。特にオリジナルがかなり重視されるフェラーリのようなクルマだと、オリジナル部品が手に入らないことは結構痛手です。なのでオリジナルにこだわりすぎず割り切って乗っている人も多いのかもしれません。

これらが冷静に購入を躊躇してしまう理由。あとは自分の覚悟だな。

その点ローバーミニはすごい。今でもボディシェルから細かな部品までひと通り色々なメーカーが生産しています。車体番号さえあればほぼ新車で1台組み上げることもできます。もちろん当時のオリジナル物のパーツというと厳しいですが、そもそもカスタムありきの車種であることも背景に、純正相当の部品を現代の品質で生産しているというところが素晴らしいです。しかも消耗部品など問題になりがちな箇所は安心のMade in Japanパーツが誰でもネットで安価に手に入ります。

ローバーミニ以外にも空冷ワーゲンやFIAT500なども、現在でもパーツが手に入りやすい旧車のようです。これらは買った後にも困らない、安く維持できるクラシックカーとしてオススメできるところだと言えます。

最後はクラシックといえどローバーミニの維持のしやすさを褒めるだけになってしまいました。。うちのつゆだく(ローバーミニ)は97年式なので今24歳、実は欲しいテスタロッサより10歳新しいんですけどね。笑 しかしふと冷静になったとき、例えば家計簿を見たり子供の今後の教育のことを考えたりなどすると「やっぱテスタロッサ買うのはイカれてるんじゃないか・・・?」と考えてしまいます。その背景にあるテスタロッサへの不安を今回書いてきました。

実際文字に書き出してみると「これだけ高リスク条件が揃ってるんだから」とも「これらの条件さえ気持ちが飲み込めれば覚悟が決まるだろ」とも感じます。僕は購入検討経緯をブログに書いていることも、検討要素を書き出しているのも、結局は自分を言い聞かせて納得させるための行動だと自分自身でも感じているのでこのまま思い切るのかもしれません。