前回までにはローバーミニのオイル交換頻度とDIYでの交換方法はいくつか種類があるということを書いてきました。今回はオイルチェンジャーを使ってまず大半のオイルを上抜きしてしまい、その後ドレンボルトから残りのオイルを下抜きするという作業を進めていきます。
前回までの記事はこちら。
このページのもくじ。
作業開始。最初にオイルチェンジャーで上から出来る限りのオイルを抜く。
オイルチェンジャーがオイルを抜き出している間に次の準備をしておきます。オイルフィルターも交換するならグリルを外します(オイル交換のみならグリルは外さなくて大丈夫です)。つゆだく(うちのローバーミニ)はスポーツパックで4灯フォグがついているため、スペースを作るためにフォグを手前に倒しておきます。あとはグリル外周についているプラスネジをドライバーで全て外すだけ。
グリルはガチャガチャ外すとボディを傷つけることがあるのでソッと取り外してどこかに立てかけておきます。特にボディ側はグリルの端をガリッと擦ると塗装が剥げるので注意。
あとは下抜きの準備として床に大きな紙とオイルトレイを敷いておきます。どうしても不注意で地面にオイルを垂らしてしまったりするので、紙はしいておいた方が良いと思います。オイルはコンクリートに一度垂らすとシミになってしまいなかなか落ちないですから・・・。
ちなみに僕は新聞をとっていないので、Amazonなど頼んだ時に入っている緩衝材の紙を広げてとってあります。オイル交換や足回りの分解作業、パーツクリーナーで掃除するとき、塗装するときなど、あれば何かと便利です。
古いオイルはオイル廃棄ボックスを購入してくると家庭ゴミで捨てられる。
待っていてオイルチェンジャーのチューブが空気を噛んで吸わなくなったら上抜きの終了です。後からドレンボルトを外してオイルパンに残っているオイルも流し出すので、ここで頑張って少しでも吸い出そうとする必要はありません。オイルチェンジャーの容量は余裕を持ったものを購入したほうがいいですが、ギリギリの容量で買ってしまった場合は溢れないかだけ注意してください。
溜まったタンクはこんな感じ。だいたい4~5リットルぐらい抜けるので、ローバーミニ専用であればまぁ5L以上のチェンジャーを購入すれば余裕を持って足ります。抜き出したオイルは真っ黒ですね。でも実際はオイルの色が黒いからもうオイルが本来の性能を発揮していないかというとそうではないようです。なので色は参考にしつつも、それだけで判断しなほうが良いですね。どうせオイル交換してちょっとするとすぐ黒くなりますから。
オイルチェンジャーでオイルを抜くのに使ったチューブはこれで抜いてしまいますが、オイルが結構垂れてくるのでオイル廃棄ボックスに流れ出るように立てておきます。そのまま置いておくと床を汚すので注意です。
これで上抜きで使うオイルチェンジャーの出番は終了なので、中に溜まった古いオイルをオイル廃棄ボックスに流し込みます。この古いオイルをコポコポと流し出す感じがなんか好きなんですよね。このとき後から下抜きのオイルなども捨てるので廃棄ボックスはまだ閉めずにおきますが、オイルチェンジャーはペーパーで綺麗に拭いて片付けてOK です。
それとオイル廃棄ボックス。シュレッダーで大量の紙なんかがある人はそれを活用できますが、一般家庭でそんなゴミは出ないと思うのでお金を払って廃棄ボックスを購入してください。段ボール箱の中に厚手のビニール袋と、さらに袋の中にオイルを吸うペーパーのようなものが入っています。廃油を引き取ってもらう先を探すのもいいですが、ペットボトルなどに古いオイルを注いで店舗に持っていくのも手間なので、廃棄ボックスを使って古いオイルを紙に完全に吸わせると家庭の燃えるゴミで捨てられます。
廃油ボックスはカー用品店で購入するとホームセンターの1.5倍以上の値段がするので、何かのついでにホームセンターで3つぐらい買いだめしておくのが良いかと思います・・・。Amazonでも買えますがちょっと割高です。
ちなみに上抜きのみでオイルを簡易交換する場合は、このまま新しいオイルを注入すれば作業完了です。
続いてドレンボルトを抜いてオイルを完全に下抜きする。ATの場合はシフトリンケージカバーを外してから作業が必要だ。
次にドレンボルトを抜いて下抜きでオイルの残りを抜きます。オイルチェンジャーで上抜きせずに、リフトアップやフロントをジャッキアップして一発で全オイルをドレンボルトから抜く場合はここから作業を開始します。一般的にオイル交換というとオイル全量をこのドレンボルトから下抜きするのが普通です。ローバーミニはオイル量が多いのと、オイルで床などを汚すリスクを最小化する目的で僕は先にあらかたのオイルを上から抜いているだけです(楽だし、そんなに作業時間は変わらないが、オイルチェンジャーの購入が必要)。
それとここでATとMTで若干作業の違いが出ます。オイルを抜くドレンボルトはミッションボックスの下部、オイルパンの側面にあります。車体右側に、右方向に生えていますね。ローバーミニのいいところはジャッキアップして車体の下に潜らなくとも、しゃがめばすぐそこにドレンボルトが見えることです。
このドレンボルトを外せばオイルが抜けてくるのですが、ATのみその前に外さなければならない部品があります。ATはドレンボルトのすぐ上にシフトレバーからワイヤーで接続されたシフトリンケージがあります。もちろんそのワイヤーとミッションを接続する部分が外部に露出しないようにカバーがしてあります。それがATシフトリンケージカバーなのですが、それが設計の悪さでドレンボルトに密接しているので、ドレンボルトのソケットを掛けようとするとカバーにぶつかってしまいます。よって工具をドレンボルトにかけるためだけにカバーを外すというわけです。
このATシフトリンケージカバーはインチですが、ミリで言うと13mmのソケットでも外れます。外すのは簡単で車体裏をフロントから覗き込むと2つのボルトが見えるので、手を突っ込んで外すだけ。特に硬く締まっているわけではないので上の画像で手に持っているような小さなレンチでも十分です。
これが外れたカバー。カバーを取り外したらきれいにオイルを拭いて置いておきます。ボルトにはスプリングやワッシャーがついているので無くさないように注意です。このカバーはオイルが垂れて付着しやすく、車体底面に設置されているのでオイルのベタつきに砂が混じっています。なので良く拭いておきます。それとアルミ製で柔らかいので、踏んだら潰れてしまうので気をつけてください。
それとこのカバーの中に溜まってしまうオイルですが、普段地面に垂れてくるほどでなければ多少オイルが溜まっていてもそれほど神経質にならなくていいと思います。
続いてドレンボルトを外すが、ここは結構力が必要。ソケットも15/16インチもしくは26mmと大きめのサイズを用意。
カバーが外れたら本題のドレンボルトを外していきます。ドレンボルトは一般的にレンチセットを購入してついてくるサイズではなくやや大きいので、オイル交換専用に用意します。
アンダーカバーが邪魔なので、メガネレンチ等ではなく、オフセットが効くソケットレンチで15/16インチもしくは24mmを購入するのがオススメです。僕は単純に安く手に入ったからという理由で24mmを使っちゃってます。買った後に若干後悔したのが、どうせ24mmなんてドレンボルトにしか使わないのでディープソケット買っておけばエクステンションいらなかったなと(上の画像のソケットだと短くてアンダーカバーにぶつかる)。エクステンション持ってるのでどちらでもいいのですが、エクステンションない方が作業もしやすく力がかけやすいです。
ATの場合は先述したようにATシフトリンケージカバーが邪魔になります。そのためカバーを外さなくてもボルトにソケットがかかるスペースができるよう、ボルトの径が小さいドレンボルトが交換パーツとして売っています。
これに付け替えられているミニもいるので、初めてDIYでオイル交換する人は工具を購入する前にこのドレンボルトのサイズを見てから購入をしたほうが安全です。
アンダーカバーが邪魔でちょっとボルトへのソケットの噛みが甘いならエクステンションを使ってしっかりとボルトの頭を掴みましょう。エクステンションなしでボルトの頭に工具がしっかり噛むなら問題ないですが、ドレンボルトは案外硬く締まっているので、しっかりと工具が噛んでいないとボルトの頭を舐めるリスクがあるので要注意です。上の画像ではエクステンションを使ってソケットをドレンボルトにかけています。
またこういった銅ワッシャー(金属パッキン)によって密閉されているボルトは、ガッチリと硬く締まっていてボルトがなかなか緩みづらいかもしれません。しかも緩む際は一気に緩むのでレンチを握った手が地面やボディに当たって怪我をすることがあります。軍手をしたほうが安全です。もちろん僕は軍手をつけるのをめんどくさがって何度も痛い目を見てます。
ちょっとでも緩んでしまえばあとはスルスルと手で回せます。手で回してしまったほうが、オイルがブシャーっと出てきた時に工具を汚さず、かつオイルが流れて溜まっていくトレイにドレンボルトを落とさずに済みます。
ドレンボルトを抜けばオイルが流れ出てくるのでオイルトレイで受け止めます。既に上抜きで大半のオイルが抜けているのであまり勢いよくオイルは出てきませんし、出てくる量も1Lはないので浅いトレイでも十分です。上抜きをせずに一発で下からオイルを抜く場合は、このオイルトレイが結構容量のあるものでないと溢れます。
先程ジャッキアップするのが面倒だからとか言ったくせに、僕は車体の左側フロントを軽く持ち上げます。笑 ドレンボルトは車体の右側にあるので、車体の左側を持ち上げるともうちょっとオイルが出てくるというわけです。たぶんこれは気持ちの問題で、若干多くオイルが抜けたからといって誤差だと思います。なのでやる必要ありません。笑 ちなみにジャッキでフロントサブフレームの左側を持ち上げなくとも、純正ジャッキで左サイドを持ち上げても大丈夫です。
これでドレンから流れるオイルがポタポタという状態になったらオイルの抜き出しは完了です。あんまり長い時間待っていてもあまり変わらないので、適当なところで切り上げてしまって良いと思います。
次回はドレンボルトの掃除と締めつけ、そして新しいオイルを注いでオイル交換作業を完了にしたいと思います。